表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第4章 月夜の光

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/135

第4章 第3節 虚偽の実(第1項)

ファウナが()(じゅ)(えん)()って、

また()はじめた(しろ)(ねこ)(かか)えたまま、

わたしは()(ほう)()れていた。



こんな()(しょ)()(ねこ)(はな)てば、

(じょう)(くう)(せん)(かい)する(たか)(おそ)われてしまう。



挿絵(By みてみん)



(ねこ)()(まえ)、サンサへの(せっ)(とく)

()(しき)()(にん)(しょう)(かん)()()(ごと)など。



(かんが)えても()(かた)のないことを、

(こた)えが()ないまま(かんが)えてしまった。



そこに()()いて、部屋(へや)(もど)(ため)にまた、

(きた)(がわ)のクァンの木立(こだち)から(たま)(いし)(にわ)()かう。



()()(きん)()()(じゅ)(えん)()ようとすると、

(ゆた)かな(ぎん)(ぱつ)()って(りょう)()った

レナタと(そう)(ぐう)した。



挿絵(By みてみん)



(あお)(みどり)()ざった(あい)(いろ)(ひとみ)が、

わたしの姿(すがた)()()(ひら)いて(かた)(おどろ)かせた。



――えっ?



(かの)(じょ)(あわ)ててなにかを(うし)()(かく)す。



(くろ)(いろ)のチュニックは、

キャシュクと(ちが)って(ふく)(まえ)()(ごろ)()くて、

(かく)した『それ』を(しゅう)(のう)できない。



キャシュクの(まえ)()(ごろ)にできる(ふところ)()わりに、

(かの)(じょ)()るチュニックの(こし)(まえ)(がわ)には、

(ふた)つのポケットがついている。



それでもポケットは(せま)(あさ)いので、

(くち)(ぬの)()()(とき)使(つか)(もく)(たん)(てい)()しか、

(はい)っていないのが()ただけで()かる。



(かの)(じょ)()(ごと)(あば)くような(けい)(きょ)(つつし)み、

わたしはなにも()わなかった。



レナタは(かく)した(もの)()にして、

わたしから()()らし、

(うで)(なか)(ねむ)(しろ)(ねこ)()()った。



(ねこ)…。どうしたんですか?

 ファウナの?」



(どう)(よう)するレナタが()()して()(だい)(つく)る。



その(けな)()さは()ていて()(たま)れない。



「この()は、えっと、ファウナに()いたら、

 サンサの部屋(へや)()うように()われたの。」



「あ、サンサ…ですか…。」



その()(まえ)がレナタの(しん)(じょう)()(げき)してしまい、

(かの)(じょ)(おび)えて(くち)(おも)くなる。



――フランジは()(じゅ)(えん)(はい)ってはいけない。



それが(やかた)()まりであって、

レナタはその(きん)(おか)していた。



()まりがあっても(まも)らないフランジも()る。



(さき)のファウナとわたし、それからスーも。



「サンサはたぶん、いま()(とう)(しつ)よね?


 スーが(やかた)()(まえ)()ってたの。


 (のう)(やす)みだから、(ほか)のドレイプと

 (さけ)()んでるって。」



(さき)()(だい)()ってみても、

(せま)(あさ)()(しき)ではこれが(げん)(かい)になる。



レナタは(だま)って(うなず)く。



()(あさ)いわたしとは(きょう)(つう)()(だい)もなく、

()()(はなし)(みちび)いたところで(こと)()もない。



二人(ふたり)()(じゅ)(えん)()てからも、

(かい)()()りなされるはずはなかった。



(たが)いの()(こう)はそれどころではない。



わたしの()(だい)()(かた)(わる)かったせいか、

この()(いち)(ばん)(のぞ)まないひとを

()()せてしまった。



「あら、ニクスも()るわね。」



(かい)()(とう)(しつ)にいるはずのサンサが、

なぜかフランジの(しん)(しつ)(とう)までやってきた。



挿絵(By みてみん)



(あし)(もと)には(くろ)(ねこ)のアルを()(ある)く。



(かた)には()(こく)(しょく)(かざ)(ぬの)(うえ)に、

マルフとの(かい)(だん)(わた)した(あか)(かがや)(ぬの)

シルクを()()()せている。



――()(だん)()()けない(いろ)(ぬの)だわ。

  (かた)(ちが)うし。



(かの)(じょ)()けたシルクは

()(とう)(へん)(さん)(かく)(けい)をした2(まい)(ぬの)で、

(かざ)(ぬの)としては(なが)さも(はば)()りない。



(かざ)(ぬの)()()(おも)(ちょう)(ほう)(けい)をして、

(かた)()けて(はん)(たい)(がわ)(こし)(むす)ぶ。



レナタが(だま)ってわたしを()つめ、

(たす)けを(もと)めてきたので、

わたしからサンサに(たず)ねた。



「…どうしたの? こんな()(しょ)に。


 ()(とう)(しつ)はもういいの? (しゅう)(かい)って。」



アルがわたしの(ひざ)(まえ)(あし)()せ、

(しろ)(ねこ)(よう)()()にしている。



「わたしみたいな()(うえ)(おんな)()たら、

 あの()(たち)(こころ)(やす)まらないのよ。


 それにオーブからまた、

 わたし()てに()(もつ)(とど)いたの。


 (びょう)(いん)()ってたメノーが、

 (もど)って()(ころ)(おも)ってレナに…。


 それで、レナはなにを(かく)してるの?」



(きょ)(どう)()(しん)なレナタを(いぶか)しむ。



わたしの()いている(しろ)(ねこ)よりも、

(かの)(じょ)姿()(せい)()()つ。



「えっ? なに…?

 メノーにどのような、

 ご(よう)(けん)でしょうか?」



レナタは()(すじ)()げて(うつむ)き、

その(かお)(かた)(こわ)()らせる。



「メノーが()ないのなら、

 (せい)(ちょう)(なや)むレナに、(まち)()(だい)

 (けん)(こう)(そく)(しん)(ほう)(ほう)(おし)えてあげる。」



(こう)(かく)()げて、

()るからに(あや)しい()みを()かべるサンサ。



「なんですか? それ――(いた)っ。

 (いた)いっ、(いた)いからやめて!」



サンサはレナタの(あたま)(ちょう)(てん)

旋毛(つむじ)()()()していた。



(いた)みから()げて(あと)退(ずさ)りし、

()(なみだ)()かべるレナタ。



「なにするんですかっ?」



(まち)(なん)(ねん)(まえ)から()(だい)になってるのに、

 レナってば()らないのね。


 メノーもあなたの(とし)(ころ)に、

 これをやって(せい)(ちょう)したのよ?」



「本当?」



サンサの(かん)(げん)に、

レナタは(みみ)(かたむ)けはじめた。



()(すじ)()ばして、(りょう)()(あたま)(うえ)

 旋毛(つむじ)(なが)れにあわせて、

 (えん)()きながら()すのよ。


 パンの(げん)(りょう)になるブレズの()()んで、

 (くき)()やす(ため)(ぶん)(けつ)(おな)(こう)()ね。


 ニクスもこのくらいは、

 (ほん)()んで()ってるわよね?」



「…(ぶん)(けつ)のこと?」



サンサは(よろこ)んで(うなず)いたけれど、

(しょく)(ぶつ)(ちが)って(にん)(げん)()まれても(せい)(ちょう)しない。



(とう)(ちょう)への()(げき)は、(のう)への()(げき)


 (てき)()()(げき)(あた)えれば、

 (あし)(さき)まで(こう)()(ばつ)(ぐん)


 (むね)(ゆた)かに(ふく)らんで、お(なか)(くび)れ、

 ()(あし)(なが)()び、(かみ)(まっ)(すぐ)で、

 ()になる(くせ)もなくなる。


 明日(あした)(あさ)()()ませば、

 あなたの()(そう)姿(すがた)(かがみ)(うつ)るわ。」



「え…やってみますっ。」



「レナタ…。」



サンサの胡乱(うろん)(せつ)(めい)

(しん)じてしまったレナタには、

わたしの(こえ)(とど)かない。



レナタは()(ぶん)(とう)(ちょう)()()ばすと、

(うし)()にしていたいくつかの(きゅう)(たい)が、

(あたま)(うえ)から()(めん)()ちた。



「あっ!」レナタが(こえ)(はな)つ。



()(おぼ)えのある(きん)(あか)(いろ)()(じつ)は、

()ちた(しょう)(げき)(かわ)(やぶ)れて()(にく)()えた。



わたしはその()(じつ)を、

(なん)()()べたことがある。



スーがよく部屋(へや)()()む、

(たい)(りく)果物(くだもの)、クァンだった。



挿絵(By みてみん)



(しょく)(どう)()かれているものを、

()(じゅ)(えん)(はい)って(かく)(ひつ)(よう)はない。



()(ごと)()(けん)したレナタの(かお)は、

(けっ)(しょく)(うしな)っていく。



(じゅく)しておいしそうなそのクァンは、

 どこから()ってきたのかしら。」



サンサが(かの)(じょ)()()める。



「だって、これはその…。」



「ヤゴウから(わた)されたの?


 (うば)ったりはしないから、

 (かく)(ひつ)(よう)ないわね。


 わたしに()せて。」



レナタはクァンを(ひろ)い、(かく)そうとする。



「これは(ちょ)(ぞう)(しつ)から()ってきたの?

 スーを真似(まね)して。


 それならヤゴウの(かん)()()(そく)ね。


 でも()(こう)(ねじ)()られているのは、

 (ぎょう)(しゃ)から()()れているものではないわね。


 (ぎょう)(しゃ)のクァンは、(はさみ)使(つか)って

 (へた)()ったものに(かぎ)るから。


 レナが()(じゅ)(えん)(はい)って(ぬす)んだのね。


 (やかた)()まりを(やぶ)って。」



「でも…みんなも――。」



「その『みんな』って、

 ()(たい)(てき)(だれ)(だれ)かしら?


 (やかた)(はい)ったばかりのニクスだけが、

 (たい)(しょう)になる(こと)()でもないわよね?


 フランジ? (じゅう)(ぎょう)(いん)? ()(まえ)は?


 それも()えないのなら、

 ドレイプの()(まえ)()ってみなさい。


 部屋(へや)(ばん)(ごう)でもいいわよ。


 どれかを()ってくれたら、

 あなただけが()められずに()むのよ。」



「えっ…?」



()()められたレナタは、

(くち)(ひら)いては()じ、なにも()えない。



――わたしを()られても(こま)るわ。



(わる)いのは(すべ)て、レナを(そそのか)した

 その(じん)(ぶつ)(せき)(にん)だものね。


 レナは()(ぶん)(こう)(どう)を、

 その(じん)(ぶつ)のせいにするつもりなんでしょ?


 (せき)(にん)(なす)()けは、

 メノーに(おそ)わったのかしら?」



「あぁ…。」



レナタは(そっ)(とう)しかけて(かが)む。



「メノーに(やかた)()まりを(おし)えた、

 オーナーのルービィの(せき)(にん)でもあるわ。


 レナだけが(とく)(べつ)(ゆる)されているのか、

 オーナーに(せき)(にん)(しょ)(ざい)(かく)(にん)した(ほう)

 ()いのかしら。


 でも(ほか)のドレイプやフランジは、

 ひとりだけ(ゆる)されるレナを

 どう(おも)うのかしらね。」



サンサに(はげ)しく()()てられるレナタが、

あまりにも()(びん)(おも)えてきた。



――でもこれ、レナタが

  わたしのせいだって()えば、

  スーからサンサ()(しん)(せき)(にん)

  (つな)がるのよね…。



わたしが()()(わる)なことを(かんが)えていても、

レナタはそんな(うそ)をつく()ではなかった。



「ご…ごめんなさい。

 (だれ)(わる)くありません。


 (すべ)て、わたしの(せき)(にん)です。」



()(ぶん)(こう)(どう)(せき)(にん)()(ぶん)()うもの、

 と(つね)(こころ)(とど)めておくといいわね。」



(ざい)(あく)(かん)(さいな)まれるレナタに、

サンサは()みを()かべてわたしを()た。



(こん)()はなにを(たくら)んでるの…。」



(うたが)うなんて(しつ)(れい)ね。」



(ぶん)(けつ)などと(うそぶ)き、(あざむ)いたひとが(こう)()する。



「あの、フランジの(いまし)めは…。」



レナタが(おび)えて(たず)ねる。



「わたしは(やかた)(やと)われてる

 ただのドレイプなのだから、

 フランジの()(ごと)なんて

 わたしには(かん)(けい)ないわよ。


 フランジへの(じょ)(げん)はできても、

 (こう)(どう)(せき)(にん)()(ぶん)()うのよ。


 (べっ)(しつ)(おく)りで(せっ)(かん)、なんて

 ()(たい)してるのかしら。


 (ばつ)(あた)えても(つみ)(くつがえ)らないものよ。


 『その(つみ)()い、(あな)()ちよ。』

 と()うわよね。」



(けい)(じょう)()(いっ)(せつ)をサンサが(うた)う。



「レナ。

 (こん)(かい)のことは、

 わたしにクァンをひと(つぶ)くれたら

 (ゆる)してあげる。」



「…はい、()かりました。」



サンサの()した(じょう)(けん)()むと、

(ひろ)()げたクァンの(すな)(はら)い、

レナタは()(ぶん)(かんが)えで(かの)(じょ)()(わた)した。



さらにサンサは、

()()きを(だま)って()ていた

わたしを()()む。



「レナってば、

 ニクスにもあげないとダメよ。


 ()(こう)(へい)(げん)(いん)(みっ)(こく)されるわ。


 こんな(とき)(きょう)(はん)(しゃ)にしないとね。」



「それは(じょ)(げん)として(てき)(せつ)なの?」



(うし)ろめたさを(いだ)くレナタを(おも)いやり、

クァンを()()って(きょう)(はん)(かん)(けい)になった。




 ◆




ガラクタ(そう)()の、

(しょ)(しつ)(ちか)くに()かれた(なが)()()

レナタとサンサは(なら)んで(すわ)る。



「メノーはまだ(かえ)ってないのね。」



サンサは(かた)()でクァンの(あつ)(かわ)

(たく)みに()いて、()(じつ)(ひと)(つぶ)だけ(ほお)()った。



(あし)(もと)のアルが(うらや)ましそうに()ている。



(ほん)(とう)はニクスにあげる

 つもりだったんですよ。」



(きょう)(はん)(しゃ)のニクスは、

 ここでなにをしてたの?


 レナがなにか(そそのか)した?」



「してません! ねっ?

 わたしなにも()ってませんよね?」



レナタが()(じょう)(よう)()(もと)めたせいで、

(かの)(じょ)はサンサから()(けい)(あや)しまれる。



「で、その(ねこ)はどうしたの。」



(ぎん)()でわたしの()いた(しろ)(ねこ)(しめ)す。



「わたしはこの(ねこ)をどうしようかって。

 サンサに(そう)(だん)しようと…。」



「ふぅん。

 ファウナの()(えん)(けい)(かく)ね。


 アル。」



サンサの()()けにアルが、

(かの)(じょ)(ひざ)()()りミャオと()く。



()(そう)しないように、(しつ)けてあげて。

 あなたに(まか)せるわ。」



(かの)(じょ)()()わる(まえ)に、

アルはわたしの(むね)()びついて、

()ている(しろ)(ねこ)(くび)()んだ。



「わっ、あっ! ダメ!」



わたしが()(はな)そうと(うで)()ばしても、

アルは(しろ)(ねこ)(くび)(もと)()んで()(めん)()げる。



「アルは()(ごろ)しはしないわ。


 (はつ)(じょう)()(おす)(ねこ)ではないのよ。」



(とつ)(ぜん)()こされた(しろ)(ねこ)は、()()じたまま、

(かす)れた(こえ)(たす)けを(もと)めて()く。



アルは()(つづ)ける(しろ)(ねこ)に、

(かお)についた(がん)()()()った。



(しろ)(ねこ)(あば)れて()()そうものなら、

(まえ)(あし)(かる)身体(からだ)()みつけた。



(うし)(あし)()(しろ)(ねこ)だけれど、

(ちから)()(めい)(はく)



(てい)(こう)(むな)しく(あきら)めた(しろ)(ねこ)は、

アルの(かお)()(なら)んで(すわ)る。



「ね? ()った(とお)りでしょ?」



(とく)にサンサが(しろ)(ねこ)(たい)して、

なにかをしたわけでもないのに、

(とく)()()になる(かの)(じょ)にわたしは(くび)(ひね)った。



()(ねこ)(しゅう)(ちゅう)はとても(みじか)く、

()(ぶん)尻尾(しっぽ)()になる(よう)()

()()かってその()(まわ)(はじ)めた。



とりあえず(りょう)()()いたわたしは、

クァンを()ってレナタの(となり)(すわ)り、

アルと(しろ)(ねこ)(よう)()()(まも)る。



「オレームには(どく)があると()って

 ()(じゅ)(えん)()()りを(きん)()したのに、

 クァンを(いっ)(しょ)()えているのは、

 なにか()(ゆう)があるの?」



レナタも(くび)(ひね)る。



「クァンだけでいいのに…。」



(かの)(じょ)(つぶや)いた。



「レナ…。それ、わたしが

 (べん)(きょう)(かい)()(ゆう)(せつ)(めい)したわよ。」



「えぇ?」



(かの)(じょ)はクァンを(くち)にしたまま、

()(まん)()かべ、(こえ)()らした。



(もと)(もと)この()(じゅ)(えん)はルービィが(すべ)て、

 オレームの(はたけ)にする()(てい)だったのよ。


 オレームとの(あい)(しょう)(かんが)えて、

 クァンを()えさせたの。


 (みの)ったオレームは(ぎょう)(しゃ)(わた)して、

 (にゅう)(えき)にするのは()ってるわよね?


 その(かお)()けにクァンを使(つか)うのよ。」



(せっ)(けん)にも使(つか)ってますよね。」



レナタがわたしの(かお)()

()(かい)(きょう)(かん)(もと)める。



(ちゅう)()させる(とき)にも使(つか)えるわね。


 オレームは(ほか)にも(しょく)(よう)(あぶら)や、

 ランタンに使(つか)うものよ。


 ()(じつ)(あぶら)(しぼ)(ため)で、

 ()(しょう)(ちょう)(しょう)()(にく)いから、

 ひとによっては(しょく)(ちゅう)(どく)()こす。


 オレームの(しお)()けも、(はち)(みつ)(おな)じで

 (どく)()つことがあるのを()ってる?


 (どく)()んでいるのは、

 そこから()てるの。」



(ほん)(とう)(どく)()いの?」と、レナタ。



「どんなものでも、

 (げん)()()えれば身体(からだ)には(わる)いわよ。


 (くう)()()()ぎや、

 (みず)()()ぎと(おな)じ。


 そんなおかしなひとを(ひょう)(じゅん)にしたら、

 (すべ)てが(どく)になってしまうわね。」



()われてレナタが(うなず)いた。



(むかし)(ざい)(にん)に、

 (みず)()ませ(つづ)ける(しょ)(けい)(ほう)(ほう)もあったのよ。


 (こん)()()(まえ)()んであげましょうか。」



(はなし)()れてるよ。」



(くび)(よこ)にして(こわ)がるレナタに、

わたしはサンサを(あさ)む。



サンサは(よろこ)んで(うなず)き、(はなし)(もど)した。



「ふふっ。

 (おお)くを()べるのに(てき)さない()(じつ)でも、

 (せい)()(かす)()(りょう)(こう)(きゅう)()(りょう)になるわ。


 クァンは(たい)(りく)にある(しょく)(ぶつ)というだけで、

 ()てる(かわ)でも(もと)められるわね。


 ()()(むし)()けにもなって(かつ)(よう)できる。


 (よる)(やかた)のドレイプが使(つか)(しな)(もの)は、

 ()()()()(たか)()れる。


 (あじ)(ひょう)(ばん)()いのよ。」



(かの)(じょ)(かた)()(てい)(ねい)()いたクァンの()を、

レナタの(くち)(ねじ)()む。



(あし)(もと)()ちた(かわ)(しろ)(ねこ)(はな)(ちか)()けると、

(にお)いに()(ぐき)()()しにして、

(まえ)(あし)(はじ)()ばした。



(ねこ)には(あい)(しょう)(わる)(かお)りらしい。



「あんなに(せま)()(しょ)なのに、

 ()れるほど(みの)るものなの?」



オレームの(にゅう)(えき)(やかた)でも使(つか)っているし、

フランジに()べられて(しょう)()していく。



「この()(じゅ)(えん)(つく)られたものだからこそ、

 (きん)()(はら)うだけの()()がある。


 オレームとクァンが()えられている、

 という()(じつ)があればいいのよ。


 (じっ)(さい)(はん)(ばい)する(にゅう)(えき)は、

 エルテルの(けい)(やく)(のう)()(つく)って、

 ルービィの(こう)(じょう)()(こう)してるの。」



「なんだか()(せい)(じつ)…。」



わたしの(つぶや)きにレナタも(うなず)いた。



(しょう)(ばい)というのは(おおむ)ね、(じゅ)(きゅう)――。


 ()しいひとと()りたいひと、

 (じゅ)(よう)(きょう)(きゅう)(せい)(りつ)するのよ。」



サンサは(あご)()()(むね)()って()い、

わたしは(くび)(ひね)って(へん)()をした。



クァンを(くち)(ふく)みながら、

(しろ)(ねこ)がアルの尻尾(しっぽ)(たわむ)れる(よう)()

(なが)めていると、メノーがやってきた。



(かの)(じょ)()たレナタは、

クァンの(かわ)(あわ)てて(かく)す。



「3(にん)(そろ)って(なか)()くこんな()(しょ)で。

 なにか()べてたの?」



「レナが(やかた)()まりを(やぶ)って、

 ()(じゅ)(えん)からクァンを()ったのよ。


 それが()(けん)したから、

 わたし(たち)(くち)()(りょう)

 クァンで()(はら)って――。」



「サッ…サンサってばぁ!」



「…(だま)(やく)(そく)ではなかったの?」



(くち)()(りょう)としてクァンを(きょう)(よう)して、

わたしにまで(きょう)(はん)(かん)(けい)(そそのか)した(じん)(ぶつ)が、

レナタを(うら)()ってメノーに()(じつ)(しん)(こく)した。



「レナタ、そんな(わる)さしたの?」



(ちが)うんですっ! ()いてくださいっ!」



「ニクスも()てたのよねぇ?」



「えーっと、…はい。」



レナタが()(てい)しても()(じつ)(そう)()()く、

わたしは(しょう)(じき)(こた)えるしかない。



けれどメノーの(はん)(のう)は、

わたしの(そう)(ぞう)とは()(ぎゃく)のものだった。



(ずる)いわ!

 わたしもご(いっ)(しょ)したかったのに。」



(かの)(じょ)はその()(かが)み、(かお)()せ、

()いている(えん)()をして()せた。



「ごめんなさい。メノー。


 ()(じゅ)(えん)には(はい)ってはダメって、

 あんなに()われてたのに…。」



レナタはレナタで、

(ふたた)(つみ)()(しき)(さいな)まれている。



メノーは(かの)(じょ)(おこな)いを()めてはいない。



「みんながやってるから(はい)ったなんて、

 (くる)しい()(わけ)までしてたのよ。ふふっ。」



「サンサ…。」



(よろこ)ぶサンサにわたしは(こと)()(うしな)う。



「レナタ…。

 (やかた)()まりに(きび)しいあなたが、

 その()まりを(やぶ)っただけではなくて、

 (うそ)()(わけ)までするなんて。」



メノーは(おお)(つぶ)(なみだ)(こぼ)(いっ)(ぽう)で、

サンサは(なが)()()(すわ)ったまま、

(なか)(かか)えて(こえ)にならない(こえ)(わら)っていた。



メノーは()()がり、

レナタの(まえ)(ひら)()()せた。



「ちょっと? メノー?」



レナタも(たた)かれることを(かく)()し、

(くち)()ざして(あご)()いた。



「サンサみたいになったのねぇ。」



(かざ)した()(かの)(じょ)(ぎん)(ぱつ)()でて、

(かん)(げき)しているメノー。



(あっ)()()られるレナタの(ひょう)(じょう)()て、

(なが)()()(すわ)って(わら)っていたサンサが、

(ひざ)から(くず)()ちて(こう)(しょう)(つづ)けた。



「あの…。」



「ニースだわ…。」



レナタとわたしは(かお)()()わせて(こん)(わく)した。



「あははははっ…。ダメね…(くる)しぃ…。」



――サンサ、(わら)()ぎよっ。




 ▶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ