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最後の手紙

ねぇ、

もしも最後にあなたへ手紙を書く勇気があったなら、私はきっとこう書いたと思う。


「大好きなあなたへ。


 私ね、あの日 “うん” って言った時、本当は心の中で叫んでたの。


 『別れたくない。置いていかないで』って。


 でも、言えなかった。


 あなたが優しすぎるから。

 

 あなたを縛って壊したくなかったから。


 だから私は、静かに承諾するしかなかった。


 でも本当は、今でもずっとあなたを想ってる。


 会いたい。 


 声を聞きたい。


 あなたに抱きしめられたい。


 あなたの隣で、ただ普通に笑って生きたかった。


 芸能界なんて望んでなかった。


 華やかな舞台も、ライトも、カメラも……全部、冷たくて、私を削っていった。


 両親は笑ってた。事務所も笑ってた。


 でも私は、笑えなかった。 


 心はボロボロで、毎日、死んでいくみたいだった。


 ごめんね。


 私は弱かった。


 “商品”として扱われることに、耐えられなかった。


 あなたに助けてほしかった。


 でもそれを言えば、もっとあなたを苦しめると思った。


 だから、最後にこの言葉だけ残すね。


 私は、最後まで、あなたのことを愛していました。


 どんなに汚されても、どんなに踏みにじられても、心の奥にはあなたとの思い出があった。


 二人で笑った放課後、駅のベンチで未来を語ったあの夜。


 それが私の唯一の宝物です。


 どうか、幸せになってね。


 私の分まで、生きて。


 さようなら。


 そして、、、ありがとう。


 ずっと、愛してる。 」



封をして渡すことはなかった。

彼の手に届くことはなかった。


けれどもし届いていたら

彼はきっと、私を強く抱きしめてくれたのだろう。


そう思わずにはいられない。







次回は11月9日予定

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