第27話:古都の心理的決壊 〜新京極の偽善と、全国から集う足軽たちの覇気〜3
【読者の皆様へ(免責事項)この物語はフィクションであり、実在の地名、団体、特定の宗教および法的システム等とは一切関係ありません。いかなる組織を誹謗中傷する意図もございません。――前回のあらすじ――大岩山の頂上から放たれた電磁波デジタルウイルスは、霞が関の官庁ビルを物理的・データ的に完全消滅させ、日本の中央制御システムを根底から【完全破壊】した。伏見の老舗酒蔵群をも血の美酒の濁流へと変えた大洪水の中、主人公・ひややっこ(47歳)は、己の誠実さを「友達ホルダー」にハメて搾取し続けた女・のんこを損切りし、無敵のチェス盤へと戦場を移した。あれから、1年――。文明の力を失い、不安と恐怖に狂う大衆の前に、新たなる巨大な「欺瞞の砦」が頭をもたげていた。
ジャブ、ジャブ、と足軽たちと足音を響かせながら、俺は新京極通の最奥にそびえ立つ、異様な建造物を冷ややかに見つめていた。
崩壊した学校の跡地を聖地(絶対領域)として急激に肥大化した新興宗教組織――『全能聖処女の園・聖法会』。
不安に狂う元エリートや、現実から目を背けた大衆を言葉巧みに洗脳し、教祖へと祭り上げられた43歳の音楽教師・真理子。そして、その横で「聖処女」として偶像化された元地下アイドル・ゆき。
彼女たちが、この暗闇の世界で一体どのようにして信者を集め、どんな悍ましい「新しいマニュアル」で男たちを縛り、配給をコントロールしているのか。
その欺瞞に満ちた新興宗教の全貌と、新京極を侵食していく恐怖の集団催眠のシステムが、いよいよ白日の下に晒されようとしていた。俺はただ、大八車の梶棒を握り締めながら、冷徹にそのチェス盤の進展を観測していた。
(第28話へ続く)




