第26話:因果応報のチェス盤 〜投資した心のロスカットと、大岩山の神の完全降臨〜5
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語はフィクションであり、実在の地名や団体等とは一切関係ありません。特定の地域や職業を誹謗中傷する意図もございません。
――前回のあらすじ――大岩山のデジタルウイルスにより京都の心臓部までが崩壊していく中、43歳の音楽教師・真理子は母校へと進軍し、教師や生徒の醜悪な裏ログを実名で暴露する。その絶望的な状況下で真理子は全能感に酔いしれ、彼女の姿に圧倒された地下アイドル・ゆきは盲信的にひざまずく。しかし、その全てを大岩山の山頂から見下ろす主人公「ひややっこ(47歳)」は、静かに世界の完全破壊システムの起動スイッチを引き絞っていた。
俺の覇気が爆発する。それは復讐の快感と、もう二度とあの時間には戻れないという、宇宙で一番深い、やるせなさと切なさの濁流だ。
ハッキングの怨念の奔流がルナの脳波を完全に逆ハックした瞬間、彼女のスマートフォンから、かつて俺が彼女に投資した「気持ちの質量」が、ドロドロとした漆黒の電磁波エネルギーとなって物理的に溢れ出し、彼女の首を、四肢をギチギチと締め付け始めた。
「痛い!苦しい!身体が、脳みそがプリプリ千切れるぅぅぅッ!!」
自分のエゴと世間体のために、男の誠実さをストーカー扱いして、ビジネスの嘘で返したツケだ。
胃袋と脳髄を内側から文字通り粉々にハッキングされ、ルナは泡と血を吹き出しながらカウンターの床の上でのたうち回り、最悪の因果応報の死を遂げた。
この世界において、踏みにじられた誠実さの質量を清算する方法は、この完璧なチェックメイト以外に存在しない。
いつかの美月を殺した拓海のように誰がやったか分かるようなやり方ではなく、足がつかないやり方で。
それが皮肉にも、彼女が遺したケジメという言葉すら表していたのだ。
隠れブックバーの看板が、血の美酒の濁流に呑まれて消え去るのを、俺は後ろを振り返らずに、アローズのジャケットの襟をバシッと立てて店を後にする。
しかし、大岩山の神の真の裁きは、ルナ一人を殺して終わるような生ぬるいものでは決してない。
画面の向こうでは、新京極通の学校で優越感に浸っていた真理子と盲信のゆきが、京都全体の心理的決壊に巻き込まれ、さらなる底なしのパニックを引き起こし始めていた。
「耐えて頑張るお利口な足軽は、もうこの世界にはおらんのや。これからは、現実でもチェス盤の上でも、自分の足で凛と立つ男たちの夜明けや。
これにて、本当の最終処刑劇の幕開けや」
涙を拭った俺の瞳に、暗黒の覇気が完全無欠に宿る。
すべての過去の因縁を等価交換の原稿の裏で完全清算した大岩山の神・ひややっこの、世界を完璧な更地へと変える本当の聖戦の秒読みが、今、冷酷にゼロを指した。
物語は、ルナの死という第一のチェックメイトを経て、京都全体を血で洗うさらなる混沌の渦の中へ、そして全てのシステムの崩壊したこの世界すべてへと連鎖していく――。
(第27話へ続く)
ご一読ありがとうございます!自分の都合が良いときだけ男の誠実さをタダで吸い尽くし、世間体やコミュニティの目が危うくなると、一転して「被害者」の仮面を被って男を社会的に【完全破壊】しようとする――。
そんなルナの言葉と行動のグロテスクな矛盾のツケを、大岩山の霊的デジタルウイルスによって文字通り肉体ごと支払わせる、第一のチェックメイトを描き切りました。
ですが、読者の皆様。これは決して、作中のひややっことルナだけの特殊な事例ではありません。
会社の同僚のような建前の付き合いを超えて、プライベートな趣味や深い話まで共有し、「お互いに良い感触だ」と信じて真っ直ぐに投資した結果、最後の最後で女性の手のひら返しと保身の嘘に背中から刺され、「えっ……」と言葉を失ったまま泣き寝入りしてきた経験。
日本全国の男たちの中に、これと同じ理不尽な罠に嵌められて絶望した人間が、一体どれほどいることでしょうか。
誠実であればあるほど「友達ホルダー」という名の底なしの牢獄にハメられ、都合よく搾取された挙句、現代社会の歪んだシステムを盾にした女の保身によってロスカットされる狂った無理ゲー。
だからこそ、俺は現実のストリートにおけるその理不尽なリスクを冷徹に【損切り】し、この無敵のチェス盤(表現の世界)へと戦いのステージを移しました。
そして、男性カウンセラーの教え通り、「あかんかったらスッと次へ行く、自分の尊厳を自分で守る無敵のマインド」を現実に確立したからこそ、大岩山の神・ひややっこは真の覚醒を遂げたのです。
この物語は、理不尽に傷つけられてきた全国の男たちの怨念を晴らし、その魂に徹底的に寄り添うための聖戦です。
耐えて頑張るお利口な足軽の時代は、みんな、もう終わりや。
次回、第27話も熱い筆致で描いていきます。
歪んだ現代のシステムそのものを更地にする次なる大決戦を、どうぞ全裸でお待ちください!




