第3話:偽りの聖者たちの処刑 〜生放送ハッキングと搾取ビジネスの完全崩壊〜2
前回のあらすじ:ユナイテッドアローズとブルーシャネルの呪物化により、若者たちで賑わっていた四条河原町は一晩にして音ひとつしない完全なゴーストタウンと化した。
夜を旅する本棚(バー・ノクターンのルナからの必死の命乞いも【完全シャットダウン】の闇に葬ったひややっこ。理不尽な世界のルールは、もう誰一人として守りはしない――。
俺がスマホの画面を強くフリックした瞬間、大岩山の結界に蓄積された無数の低級霊たちが、光の速さのデジタルウイルスとなって、YouTubeのライブ配信サーバーへと直接突き刺さった。
ガガガッ……! ザザッ……!
生放送中のスタジオのモニターが激しく明滅し、照明が血のような赤色に染まる。
「あら? 機材のトラブルかしら? スタッフ、早く直して……」カウンセラーの女が眉をひそめたその瞬間、スタジオのすべてのカメラのレンズが、まるで生き物のように不気味に蠢き、女の顔へとロックオンされた。
生放送の同時視聴者数は、パニックに陥った全国の男たち巻き込み、一気に10万人を超えて跳ね上がっていく。
そして、ハッキングが完了した。
大岩山の低級霊たちの呪いの波動が、スタジオのスピーカーから、そして日本中の視聴者の端末から、直接脳波へと逆流する。
「う、頭が……!!」
カウンセラーの女が急に頭を抱え、高級なメイクが施された顔を歪めてソファーから転げ落ちた。
彼女の脳内に、今まで彼女たちが「努力不足」と切り捨て、金を巻き上げ、絶望のまま自死や廃人に追い込んできた何千人もの誠実な男たちの怨念が、関を切ったダムの水のようになだれ込んできたのだ。
低級霊に精神を侵食され、自我をハックされた女は、白目を剥きながら、カメラに向かって自らのビジネスの「裏の顔」を絶叫し始めた。
口からダラダラとよだれを流しながら、止まらない自白が始まる。
「ギャハハハ! 婚活なんて全部ビジネスよ!
男なんかただのATM、使い捨ての養分!!」
スタジオのスタッフが慌てて配信を切ろうとするが、大岩山の呪いによってシステムは完全にロックされており、1ミリも動かない。
全国10万人の前で、処刑の生放送は続く。




