第3話:偽りの聖者たちの処刑 〜生放送ハッキングと搾取ビジネスの完全崩壊〜1
前回のあらすじ:ユナイテッドアローズとブルーシャネルの呪物化により、若者たちで賑わっていた四条河原町は一晩にして音ひとつしない完全なゴーストタウンと化した。
夜を旅する本棚(バー・ノクターンのルナからの必死の命乞いも【完全シャットダウン】の闇に葬ったひややっこ。理不尽な世界のルールは、もう誰一人として守りはしない――。
四条河原町のストリートがアローズとシャネルの呪物化によって完全なゴーストタウンと化してから数日。
世間がパニックに陥る中、都内の最高級一等地にスタジオを構える、登録者数50万人を誇る最大手YouTubeチャンネル『令和婚活応援サロネーゼ』は、
今夜も緊急生放送を配信しようとしていた。
スタジオの豪奢なソファーに座るのは、成婚率NO.1を自称する代表カウンセラーの女、通称「ブライダル・クイーン」と、ニヤニヤと薄笑いを浮かべる腰巾着の男たちだ。
彼らは、傷つき、孤独に耐えかねて大金を差し出す男たちを「非モテ」「努力不足」と叩き、養分として搾取することで、年商数億円の富を築き上げていた。
「皆さんこんばんは! 街でドタキャンが多発して絶望している男性の皆さん、それはアナタのエスコートがダサいからです! もっと自分に投資しなさい!
当相談所の30万円のプレミアコースに入れば、一発逆転できますよ!」
カメラの向こうの、画面に映るチャット欄には、絶望した男たちの悲痛な叫びが並んでいる。
『店まで決めてたのにドタキャンされました……』
『1年間尽くしたのに客と店員と言われました……』
それを見たカウンセラーの女は、鼻で笑ってこう言い放った。「ドタキャンされるのはアナタが男として魅力がないから!
振られても耐えて、成果がなくても笑顔で頑張るのが本当の漢でしょ?(笑)」
耐えろ、耐えろ、耐えろ。成果もないのに、なお金を払い、耐えて頑張れ。
画面の向こうから放たれる、あまりにも理不尽で、あまりにも残酷なポジショントーク。
その時、京都・伏見の大岩山の山頂、漆黒の鳥居の前に仁王立ちする俺のスマホが、その生放送の電波を完全に捉えた。
俺の胸の奥から、長年の深夜勤で培った、そして47年の人生のすべてを賭けたドス黒い「復讐の覇気」が爆発する。
「お前らのその薄汚い商売、今日この瞬間を以て、完全終了や」




