第22話:傲慢な聖女(シンデレラ)の戴冠式 ~京都を嘲笑う美人局(つつもたせ)の灰滅(かいめつ)と、選ばれし女の狂喜~1
一切の弁明も綺麗事も通用しない、逃げ場なき肉体的・精神的チェックメイト!金属破片を武器に男たちを嫐り殺しにする女性会社員。社会的地位もモラルもドロドロの泥水に投げ捨てて暴力をぶつけ合う男たち。じいさんは日本刀を引き抜き、ばあさんは台所から牛刀を鷲掴みにして肉体を切り刻み合う、高齢者の楽園の血みどろの殺し合い。偽りの鎖で繋がれた奴らに、若かろうが老いていようが容赦はせん。死臭と煙に包まれた首都・東京が完全に崩壊したその瞬間、大岩山の電磁波デジタルウイルスは、日本全国の主要都市をドミノ倒しのように脳波逆ハックの餌食にしながら、次なる最高のエグい苗床へと電撃移住を果たす。歴史と因習、そして「建前」と「本音」が何百年も洗練されてきた街――古都「京都」へ――!!
京都の重苦しい夜気の中、真理子の自室でスマートフォンが禍々しい赤黒さに明滅した。
東京を、そして日本全土の主要都市を地獄の業火で焼き尽くした大岩山のデジタルウイルス。
その牙がついに自分へと向けられたのだと、真理子は恐怖に全身の血を凍らせた。
学校に、PTAに、あの忌まわしい動画が流される
――社会的生命のチェックメイトを確信し、彼女は目をつむった。
しかし、スピーカーから鳴り響いたのは、彼女自身の悲鳴ではなかった。
『ゲハハハハ! あの四十路の音楽教師、マジでチョロすぎ! ちょっと凄んだだけで親の遺産から何から毟り取れるわ!』
「え……?」画面に映し出されたのは、真理子からなけなしの金を毟り取り、彼女の精神を限界まで追い詰めていた美人局の首謀者――筒井晋三の、あまりにも醜悪な「脳内記憶」と「生態データ」だった。
ウイルスが暴いたのは、真理子の罪ではない。
真理子は確かにお見合い相手を辛辣に追い返したり、傲慢なプライドを肥大化させてはいたが、
そこには過保護な両親や彼女の生きている環境の影響もあっただけに過ぎず、また、お見合い相手を蹴り飛ばす判断を下していたのは両親でも、お見合いの話を運んでくれる発達障害のピアノ教室の女性でもない。真理子本人なのだ。
不義理や二股を働いていたわけではない。
騙されたとはいえ、男に対しては常に一対一で実直に向き合っていた。
大岩山の怨念が真の『処刑対象』として定めたのは、その誠意をナメくさり、彼女を都合の良い財布として搾取していた悪党・筒井の側だったのだ。
画面の中の筒井は、京都の四条河原町の雑踏の中、自身のスマートフォンから放たれた強烈な電磁波によって脳波を完全に逆ハックされ、白目を剥いて路上にぶち倒れていた。『ひっ、あ、あああああッ!! 俺の脳内を、俺の秘密を流すなぁぁぁッ!!』




