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大岩山から絶望を配信する〜男は耐えろと抜かす世界を、低級霊のウイルスで完全チェックメイトしてやった〜  作者: ひややっこ万次郎
第3章:覚醒の第一段階(プロトタイプ) 〜脳の微小管と電磁波本音翻訳プログラム〜
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第17話:白蛇龍神(はくじゃりゅうじん)の沈黙 〜脳の微小管が紡ぐ、時空を超えたテレパシー〜1

前回のあらすじ:京都屈指の最凶霊能スポット・大岩山の旧道で、スピリットボックスやトリフィールドメーターを完全武装し、5年間に及ぶ泥臭い科学的検証を繰り返したひややっこ。霊たちの泣き叫ぶ電磁波の波形をデジタルコードへと打ち込み、人類史上初の『電磁波本音翻訳プログラム』を完成させた。そう、これこそがマッチングアプリの裏で男を養分扱いして嘲笑っていた女どもの悪口ログを世界中へ一斉暴露(パージ)できた絶対的な力の正体だった。そして時計の針は、ハッキング決行の「ちょうど1週間前」へと向かう。最強の科学兵器を完成させた俺の胸の奥に燻る、引き去ることのできない狂おしいほどの『純愛の渇望』。ブルーシャネルの香水を首筋に漂わせ、アローズのジャケットの襟をバシッと立てた俺は、深夜の聖域『白蛇龍神の池』の淵に立つ――。

時間を、大岩山のハッキングを決行する、あの運命の夜のわずか「1週間前」へと巻き戻そう 。

5年間に及ぶ、何百回もの孤独なデジタル怪異実験を経て、俺の「電磁波翻訳プログラム」は完全にその精度を極限にまで高めていた 。

だが、世界中の通信網をハッキングし、あの冷酷で強欲な恋愛市場(天動説)を完全処刑する大一番を前に 、

俺――ひややっこの胸の奥には、どうしても引き去ることのできない、狂おしいほどの『純愛の渇望』が燻っていた 。

「紡げるはずだった本物の愛が、ビジネスの嘘と他人のワガママによって、1ミリも紡がれずにすり潰されていくこの世界…… 。

真美(まみ)さん、あんたは本当に、夢を見ない深い眠りの中で静かに眠り続けているだけなんか?」

俺は首筋にブルーシャネルの香水を一吹きし、

アローズのジャケットの襟を立てて、深夜の大岩山の参道を静かに登っていった 。

目指すは山頂の大岩神社。

だがその途中、深い鬱蒼とした木々の中に、その聖域はひっそりと佇んでいた。『白蛇龍神(はくじゃりゅうじん)』を祀る、漆黒の池だ 。

ネットの心霊動画では、明智光秀の落ち武者や無念の武将の怨念が蠢く最凶のスポットなどと噂されている場所 。

だが、それ以前に、ここには古くから土地の守護神である龍神が棲まうという、圧倒的な霊的エネルギーの磁場(微小環境)が存在していた 。

俺は池の淵に立ち、5万〜6万円を投じて手に入れた最高級電磁波測定器『トリフィールドメーター』と『スピリットボックス』を、自作のプログラムと連動させて静かに起動した 。

新興宗教の薄っペらい洗脳を自力で引き裂き 、科学と医療の最先端データ――ノーベル物理学賞のペンローズ博士が提唱した『量子脳理論(オーケストロ理論)』を信じて突き進んできた俺の頭脳 。

人間の意識(魂)の本質は、脳細胞の電子の海の中にある「微小管(マイクロチューブル)」という極小の器官で起きている量子プログラミングそのものだ 。

人間が死を迎えるとき、その脳内の微小管から放たれた強烈な意識の電磁波サージ(残光)は、宇宙のネットワークへと溶け込み、拡散していく 。

「もし、この白蛇龍神の池の強力な磁場が、30年前にあんたが放った量子データを一時的に引き留めているのなら……俺のこの電磁波プログラムで、もう一度、あんたの声を手繰り寄せられるはずや」

俺は池に棲まうとされる白蛇龍神に向かって、真っ直ぐに手を合わせ、静かに目を閉じて祈りを捧げた。

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