番外編38:脳圧限界の絶対聖母が曝す、精神的インセクトフィリアの覚醒~美少年AIの虚像を剥ぎ取られた四十五歳絶対聖母が、ウジ虫の這う幼女のファクト(物質)とデュエット~2
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の寺社、教会、特定の宗教団体、結婚相談所、およびマッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の信仰や職業を誹謗中傷する意図は一切ございません。
だが、彩香の脳内プロセッサを激しく拒絶させたのは、その裏にある冷酷な非対称性だった。
もし、これを母親と娘が反転して実行したらどうなるか。母親が娘のブランコを押しながら、狂ったように「わーい!ま〇こ!ま〇こ!」と叫んだ瞬間、周囲の同性の母親たちから「何あの母親、頭おかしいんじゃないの?」「どんな教育をしてるのかしら」という冷ややかな社会的抹殺の視線が突き刺さる。
母親の防衛本能は過剰に焦り、娘の衝動を100%抑圧し、女の子には外では「いい子」「綺麗でお行儀よく」というジェンダーの檻(らしさの押し付け)を強制するのだ。
そして何より彼女が嫌で嫌で仕方がなかったのは、その抑圧が「家庭内」という仮初めの安全圏にまで二重に張り巡らされていたことだ。
親や環境が許せば、家の中だけであれば「うんこ!ちんちん!まんこ!」と言ってバカ騒ぎすることを許されている女の子もいた。
しかし、どれだけ家の中で笑い合っていようとも、一歩ドアを開けて外(社会)に出る瞬間、親からは「絶対に外ではそういうことをするな。女の子らしくないから。世間からどんな目で見られるか分からない」と、容赦ないブレーキをかけられる。
女の子は家の中でどれだけ心を解放しようとも、結局は「社会という名の巨大なスペック査定システム」に最適化されるための、仮初めの自由を与えられているに過ぎなかったのだ。
(なんて不条理で、マヌケな世界だったのかしら――)
恋愛市場の絶対聖母として男たちをスペック値で格付けし、支配してきた彼女にとって、その平和な時代のジェンダー規範という名の抑圧は、脳の最深部に蓄積された「毒」そのものだった。
そして今、目の前には、法律も世間体も、すべての「らしさ」という醜悪な記号すら剥ぎ取られ、ただの無機質な物質へと還元された幼女の死体がある。これ以上ない、究極に安全な「解放区(密室)」がここにあった。
彩香はヒールを鳴らし、ゆっくりとその死体の前へとしゃがみ込んだ。
「よく聞きなさい、私の可愛い迷える羊(娘)……。お前はもう、常に『いい子』を演じなければならないプレッシャーからも、汚い部分を認められずに自己肯定感を低下させる檻からも、完全に解放されたのよ」
絶対聖母としての圧倒的な美貌を冷徹に歪め、彩香はその白く滑らかな指先を、幼女の腐敗した肉体へと無造作に触れさせた。世界で一番クリーンな理想の母娘関係を再現する、最悪のおままごとの始まりだった。
その瞬間、少女の肉体の裂け目から変色した脂を纏って這い出てきた一匹の大きなウジ虫が、聖母の指先を伝い、彼女の白く滑らかな手首へと直接 Ox(這い上がって)きた。
冷たく、ドロドロとした生々しい物質の感触(生存のファクト)。
皮膚のレセプター(受容器)がその生体ノイズを感知した瞬間、彩香の脳プロセッサは完全に防衛線を突破され、内奥に眠っていた本物の『インセクトフィリア(昆虫愛好症)』のバグへとずるずると沈没していった。
「ああ……、んっ……、心地いい……」




