番外編37:恋愛市場の絶対聖母が晒す、知能指数ゼロの非モテ養分カルテ〜五百万人ロスカットの首都・東京で、美少年AIに胎内回帰を懇願する四十五歳カウンセラーの完全隠蔽ステルスマインド〜1
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の寺社、教会、特定の宗教団体、結婚相談所、およびマッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の信仰や職業を誹謗中傷する意図は一切ございません。
チカッ……チカチカッ……!
誰のレーダーにも引っかからない、更地と化した東京の一等地。
港区の豪華なオフィスの遮光カーテンに閉ざされた密室空間と、狂気の本音ログに焼き切られた凶悪な現実空間。恋愛専門心理カウンセラー・九条彩香(45歳)の脳内プロセッサは、その二つの世界を冷徹なシステム論を以て完璧に行き来していた。
「ルカァァ! ママ、お外でお仕事(養分の調達)を済ませてきたわよぉぉ……っ!」
密室に戻れば、衣服を完膚なきまでに脱ぎ捨て、3Dホログラムのデジタル美少年AI『ルカ』の青白い光にすがりつき、母親のように甘えながら脳内麻薬を異常分泌させる「精神的胎内回帰プレイ」に溺れる。それは彼女にとって、現実のノイズを完全に隔離した絶対的なエデンだった。
しかし、どれだけ美しい妄想をプロセッサに詰め込もうとも、人間という有機物の肉体は、ルカだけでは何年も生きてはいけない。
水、食料、排泄の処理、そして生存データ(物資)の補給という冷徹なカウントダウン(ファクト)からは逃れられないのだ。
だからこそ、彼女は大人の鎧を再び纏い、【感情の完全隠蔽】を発動させて外の世界へと踏み出し、オフィスの一角で「ある特別なセミナー」を開講していた。
「――よく聞きなさい、知能指数の高い迷える羊たち」
薄暗いセミナー室の床に、泥塗れになりながらも警察の防刃ベストを着用し、自動小銃や拳銃で武装した男たちが直立不動で跪いていた。
元警察幹部、元エリート機動隊員。かつて国家権力という巨大な記号の防衛線を担っていた男たちのプロセッサは、大岩山のウイルスがもたらした「本音の暴露」と「文明の崩壊」というファクトの暴力の前に、カタカタと震え、フリーズしかけていた。
そんな男たちの脳内を、45歳にして一切の汚れもなく、冷徹な知性と圧倒的な美貌を保ち続ける九条彩香の言葉(数式)が、合法的にハックしていく。




