番外編36:生体ノイズをデフラグする完璧な密室の実験場~脳天を貫く銀光のトラップと、死後痙攣(肉の万力)に物理的固定(チェックメイト)される無様な絶頂3
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の寺社、教会、特定の宗教団体、結婚相談所、およびマッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の信仰や職業を誹謗中傷する意図は一切ございません。
狗飼が強烈な射精の感覚に身を震わせたと同時に、激しい振動に耐えかねた頭上の長いロープが、限界を迎えてブツンと切断された。
重力に従い、鈍い銀光が垂直に落下する。
ドシュッ……!
鋭利な刃が、カレンの頭部へと容赦なく突き刺さった。
心臓が停止した瞬間、少女の全身の神経が一斉に最期の神経反射を起こした。
筋肉が完全な弛緩へと向かう直前の、生命が物質に変わる瞬間の極限の死後痙攣。
ペニスを挿入したままだった狗飼の最奥を、死にゆく膣壁が、文字通り肉の万力のように凄まじい圧力で締め付け、噛みついた。
冷えかけていく肉の空洞が、自らの意思では絶対に引き抜けないレベルでギチギチに収縮し、狗飼の生体を物理的に固 定する。
「お、おー……うわーっ!? うーっ!!!」
絶頂の快感と、肉体を完全にロックされた激痛、そして予想外のエラー処理に、狗飼の口から怪物特有の独りよがりな悲鳴が響き渡る。
しかし、その激痛の最中ですら、彼の脳内プロセッサは狂気的な勝利宣言を弾き出していた。
(熱い……最高に気持ちいい……っ! 死んだ瞬間に、自分を絶対に離さない至高の記号へと変貌したのだ。彼女も、僕を求めてこんなに強く締め付けてくれている……!)
やがて、完全に冷たくなり、ギチギチときしみ始めた肉体から、狗飼は自身のペニスをヌルリと引き抜いた。
そこには、頭にナイフが突き刺さり、完全に物言わぬ『物質』となったカレンの死体が横たわっている。
だが、狗飼の顔には一切の動揺も、恐怖もなかった。あるのは、完璧な理想郷を完成させたという満面の笑み(エミ)だけだった。
狗飼は、ピクリとも動かないカレンの死体の横にそっと這い寄り、その冷たい肩に親密そうに腕を回して、優しく肩を組んだ。
「二人とも、すごく気持ちよかったね。本当によかったね……」
恍惚に満ちた声で死体に語りかけ、一人で満足そうに何度も頷く。
しばらくの間、死体の奥でピクピクと震える快感の余韻に浸っていたが、やがて彼は「フック」を切り替えるように、衣服を厳かに整え始めた。衣服に付いた血を無造作に拭い去ると、彼の口元には冷徹な企みの笑みが戻っていた。
「僕はね、すごくモテるから。
また次の女の子と遊んであげないといけないんだ。
また機会があったら遊ぼうね」
完璧な楽園を汚すことなく、都合の良いファンタジーのままカレンを「処分」できたという最高の全能感を胸に、狗飼はカレンの死体を泥の床に置いたまま、ゆっくりと立ち上がった。
足元にぼつんと横たわる、冷たい物質となった少女を見下ろし、彼は満足げに背を向ける。
衣服を正した孤高の快楽殺人鬼は、次のクリーンな生体データを求めて、静かに夜の闇の中へと消えていった。
番外編37へつづく




