番外編36:生体ノイズをデフラグする完璧な密室の実験場~脳天を貫く銀光のトラップと、死後痙攣(肉の万力)に物理的固定(チェックメイト)される無様な絶頂2
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の寺社、教会、特定の宗教団体、結婚相談所、およびマッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の信仰や職業を誹謗中傷する意図は一切ございません。
肉を断ち切る生々しい結合の衝撃。
しかし、カレンの肉体は跳ね上がることも、爪を立てて狗飼の皮膚をむしり取ろうとすることもできない。
カレンの瞳からは、すでに一切の生気が失われていた。
恐怖の限界を突破し、涙と鼻水、そして恐怖の汗でグシャグシャに汚れたその眼球は、濁ったガラス玉のように虚空を見つめ、完全に『目が死んで』いる。
生身の人間としての執着を捨て、ただの物言わぬ物質(人形)へと退化していくかのような、絶対的な絶望の拒絶だった。
(なんだこれ、これじゃあ、あの現実の汚い女どもと何も変わらないじゃないか! 僕を拒絶するな!)
一瞬よぎった焦燥を、狗飼は脳内天動説(美しいファンタジー)の暴力で無理やり塗りつぶす。
「素晴らしい……っ! これだよ、これこそが僕の求めていた、嘘をつかないクリーンな芸術だ……ッ!!」
人生最高の全能感。脳内麻薬でプロセッサを極限まで焼き切りながら、狗飼は狂ったように激しく腰を動かし始めた。
グラッ……グラグラグラッ……!
狗飼の肉体が激しく波打ち、肉のぶつかる衝撃が暗室に響くたび、その振動がロープを伝い、天井のナイフが不規則に揺れ動く。カレンの顔面のわずか数センチ上で、銀色の刃がグラグラと狂おしく円を描き、いつ彼女の可憐な顔を切り裂くか分からない死の振り子と化す。
カレンの細い肉体が、恐怖のあまり限界を迎えた。心が死に絶えたその無機質な肉体から、不意に温かい液体が漏れ出し、床の泥を濡らす。極限の絶望がもたらした、失禁(お漏らし)であった。
「あ、いいな、いいな……っ! 気持ち良すぎて、潮吹いてくれたんだ……っ! 嬉しいよ、こんなに気持ち良くなってくれて……!」
狗飼の脳内プロセッサは、その生々しい現実の排泄物すらも、自らに都合の良い極上のエクスタシーへと変換する。
「あれ、でも、これ、もしかして……お漏らしなのかな……?
ま、どっちでもいいや。あほうっ」
脳内に走るわずかなノイズ。現実の女の生々しさに圧倒されそうになった狗飼は、そのエラーをかき消すように、さらに狂気的に動きを激しくしていった。
腰の動きはさらに激化し、それに連動して頭上のナイフが完全に制御を失い、狂ったようにグラグラと揺れ狂う。
「あ、……あほうっ……あは、あはははははははっ!!!……ッッ!!!」
狗飼の腰が狂気的に波打ち、絶頂へのカウントダウンが始まった、その瞬間だった。
「うっ――」




