番外編30:強者どものセルフチェックメイト 〜アプリの総本山・国家権力・タワマンの更地、そして嘘をつかない肉の果樹園〜2
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の寺社、教会、特定の宗教団体、結婚相談所、およびマッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の信仰や職業を誹謗中傷する意図は一切ございません。
――第二の処刑場。
日本の治安と防衛線の最後の砦、警察庁・サイバー犯罪対策課。 ウイルスの発信源を特定し、「国家の威信」を守ろうとしていたキャリア官僚や警察幹部たちのスマートフォンが一斉に赤く染まった。
彼らが長年隠蔽してきた「裏金」の不都合なカルテ――捜査費の名目でプールされ、幹部たちの高級料亭での密談やゴルフ接待、さらには愛人のマンションの家賃へと横流しされていた生々しい会計データと裏口座のリストが、音声付きの超高画質で警察庁の全館放送と無線の周波数をジャックして大絶叫させられた。
そして風俗店で女性の首を絞めて快楽を得ていた「異常加害性癖ログ」が、さらに、ある50代のベテラン警察幹部が、裏で特定の女性配信者に一千万円以上の血税を貢ぎ込んでいた『悦のログ』が、本人の絶叫とともに開帳される。
「あぁ、ミホちゃん……! 今日も僕だけのハチミツちょうだい……! ほら、一撃でトップライバーにしてあげるからね……! 僕は国家を動かす警察のトップだけど、ミホちゃんの前ではただの犬だよ……バウバウ!」
「アハハハ!!
い〜ぬ〜の〜おまわりさん、はい! 困ってしまってワンワンワワン✨」
「ワンワンワワン!」
「キャハハハハ!
おもちろいでちゅね〜、風太くんは✨」
薄暗い部屋で、スーツを崩した幹部がスマホ画面の若い女性に向かって幼児退行し、札束の山を画面に叩きつけながら恍惚の表情で悦に浸っている動画が、庁舎内のすべての液晶モニターに強制デリバリーされたのだ。
「消せ! 放送を止めろ!」
「やめてくれーーー!」
引きつった顔で叫ぶ幹部の醜悪な生体データを前に、部下たちの目は一瞬で底冷えするような軽蔑に染まる。
だが、その部下たちも次の瞬間には自身の「裏金」「証拠隠滅」「勤務中の性的暴行」のログを暴かれ、逃げ場を失う。
お互いが「このクズ老害が!」「この無能の養分が!」と涙と鼻水をドロドロに流して吠えながら、ホルスターから一斉に拳銃を引き抜いた。
本庁舎の廊下は一瞬にして血みどろの銃撃戦の場と化し、互いの肉体を容赦なくハジキで撃ち抜き合う、国家権力の完全なセルフチェックメイト。治安維持システムは、初日で自壊した。




