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大岩山から絶望を配信する〜男は耐えろと抜かす世界を、低級霊のウイルスで完全チェックメイトしてやった〜  作者: ひややっこ万次郎
第7章:『確定シグナル(おしっこ)の誓約と、解剖学的ファクト(死体) 〜綺麗事(クリーン)のファイヤーウォールを内側から爆破する、剥き出しのバックヤードログ〜』
176/254

番外編25:『排泄誓約のスクリーニング・ブルー』〜3年後の世界崩壊劇(大災害)に肉体をロスカットされた男女が、マイナス80℃の鉄の神殿(冷凍庫)の中で世界一綺麗な婚姻(魂の調印)を証明するまで〜2

【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の人物、地名、特定の結婚相談所、および動画・書籍・マッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての痛烈な風刺・創作であり、特定の生き方や価値観、性別、信仰を誹謗中傷・否定する意図は一切ございません。あらかじめご了承の上、純粋なビター・ドラマとしてお楽しみください。

マリカは深く、深く溜息をつき、ハーフアップの髪を揺らしながら、あの4年前の「プロ中のプロの微笑み」を取り戻した。

「……あんたって、本当に手の付けられないバカね。4年経って、マイナス80℃の冷凍庫まで部屋にデプロイしてさ。……いいよ。私のこの音が、あんたの壊れたプロセッサを永遠に救う胎内音になるなら――旦那に内緒で、本当の最後の『黄金の天の川』を出荷してあげる。行くよ、あの場所へ」


◇


マリカのファミリーカーの助手席にハメ込まれ、凍てつく冬の夕暮れの駐車場へと向かう道中。マリカのプロセッサを、走馬灯のような脳内シミュレーション(哀しき妄想)が駆け巡っていた。

(もし、私たちが最初から『普通の世界(ストリート)』で、普通の男と女として出会っていたら――?)

ビジネス(風俗)という資本主義の冷酷なアングラでしか繋がれなかった、タカシとマリカ。お互いの最も秘匿された排泄行為を対等にさらけ出し合い、奇妙な誠実さで自分を「一人の実存」として愛してくれた男。

男のおしっこを見せてもらうなんて、長い風俗人生でもタカシという例外に出会うまでただの一度もなかった。

もし違う世界線なら、私は年収500万のこの冴えない男を絶対にスペックで値値踏みしたり、ロスカットしたりしなかった。

彼のあの歪みきったアブノーマルな性癖すらも、2人だけの無敵の防衛シェルターとして全肯定し合い、夜な夜なそれを笑ってハメ合わせながら、世界一幸せな、誰にも真真似できない「本物の夫婦」になれていたかもしれないのに――。

だが、現実のタイムラインは不可逆であり、2人はあの原点の、普通の車が静かに佇むコンクリートの死角へと滑り込んだ。

完璧なエンドツーエンドのクローズド空間。

冬の過酷な寒冷ノイズのなか、36歳の美人人妻のリアルな剥き出しの実存のまま、マリカは細身のテーパードパンツと下着を膝元までずり下ろした。

喫茶店での長い攻防の間、ハーブティー2杯とお冷やによって限界の限界まで充填され、寒冷ノイズによって急激に濃縮された彼女の下腹部のプール。

タカシがジャケットの内ポケットからスマートに取り出した、マイナス80℃専用の「無菌ガラス遮光ボトル」。

マリカはその狭いボトルの口の上に跨るようにして、バルブを全開(デプロイ)した。


――シャー……ッ! シャシャシャー!!


冬の硬質な静寂を完全に切り裂き、コンクリートの床を激しく穿つ、圧倒的な熱量を持った黄金の液体(おしっこ)の駆動音が、車の鉄板をスピーカーにして、高志の鼓膜サーバーへとダイレクトにパージ(出力)された。

「はぁぁ……ッ、ん、んん……ッ、ふぅぅぅ……っ!!」

内臓の底が丸ごとひっくり返るような、すべての社会的重圧から救済された母性の吐息。

「ドババババッ!」という猛烈な初期パケットの放出により、タカシの捧げ持つ無菌ボトルの内部は一瞬で並々と満たされ、タカシの「永久の妻」としての生体データが確定(ホールド)される。だが、マリカの体内に溜まったおしっこの濁流の総出力は、そこでは止まらない。

ボトルを限界突破して溢れ出た熱い黄金の濁流は、彼女の上品な主婦の指を、そしてタカシの指を激しく濡らしながら、車の床下を伝ってアスファルトの上へと、文字通り「大洪水の津波」のように決壊(オーバーフロー)していった。


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