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大岩山から絶望を配信する〜男は耐えろと抜かす世界を、低級霊のウイルスで完全チェックメイトしてやった〜  作者: ひややっこ万次郎
第6章:『評価経済(ソドムの街)の終着駅 〜剥き出しの承認欲求(バグ)に自滅する、泥人形どもの黙示録〜』
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番外編19:『因果のロスカット・パレード』〜結婚直前の土壇場でハシゴを外され、自らの傲慢と優しさの檻に自滅していく女子たちと、名前に人生をハックされた男の過酷な運命ログ〜9

【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の人物、地名、特定の結婚相談所、および動画・書籍・マッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての痛烈な風刺・創作であり、特定の生き方や価値観、性別、信仰を誹謗中傷・否定する意図は一切ございません。あらかじめご了承の上、純粋なビター・ドラマとしてお楽しみください。

彼のモンスター化を駆動させていたのは、学生時代の暗黒の怨念(ログ)だった。

小学校高学年から中学生にかけて、実年齢より遥かに老けて見える「ちびおっさん」の容姿と、その奇跡的なフルネームの合体により、男子たちの間では「ヤリちんだ! 自分でヤリちんって言ってる男が来たぞ!」と、下劣なダークヒーローとして祭り上げられた。

しかし、それはあくまで男子の内輪の悪ノリに過ぎなかった。

実際の女子たちから彼に向けられていたのは、英雄視などとは対極にある、凄惨なまでの「嫌悪と拒絶の視線」だった。

女子たちは彼の名前を耳にするだけで、「キモい」「近寄らないで」「歩くセクハラ」と、まるで汚物を見るかのような目を向け、露骨に席を離した。

思春期の多感な時期に、フルネームそのものが「男としての絶対的な生理的拒絶シグナル」として機能していたのだ。

「名前はヤリちんなのに、中身はちびのおっさんで、誰からも相手にされない」という、終わりのない公開処刑。

この時期に脳細胞に刻み込まれた猛烈な男性的劣等感と、女子への深い怨念こそが、彼の内面で数年間燻り続けた黒い種火だった。

大人になって渋い外面パッケージを手に入れ、一番信じた女から「最初からおっさん臭くてときめかなかった」とロスカットされたあの日、その種火に爆薬が投下された。

「かつて俺を名前だけで家畜のように見下した女どもに、俺の名前通りの絶望を味あわせてやる」という、あまりにも惨めで、幼稚な復讐システム。

老人の復讐は、一切の減点なしの、徹底的なチェックメイトだった。

経歴詐称による懲戒解雇、多額の損害賠償請求、そして何より、彼がこれまでハックしてきたすべての女性たちの「裏ログ(復讐のネットワーク)」への本名の開示。

彼の社会的ステータスと資産のインフラは、一瞬で完全更地化された。

精神的にも、彼は「ヤリチンタ」という己の名前の檻に永遠に閉じ込められたのだ。

数ヶ月後。ストリートから完全にロスカットされた槍珍太は、地方の寂れた飯場のプレハブ小屋にいた。

鏡に映るのは、擬装のパッケージをすべて剥ぎ取られ、ただの「ちびの白髪交じりのおっさん」へと退化した、惨めな自分の生体ログ。

スマホのアプリはすべて強制解約され、もう二度と、新しい女性資源が補給されることはない。

夜、冷え切ったパイプベッドの上で、彼は届くはずのない通知を待ちながら、自らの脳内で構築された「かつて俺に無条件降伏した女たちの幻影」という名の檻の中で、呼吸を浅くし続けている。

名前に人生をハックされ、女の時間を奪うことでしか自尊心を保てなかった男が、自らの因果の槍に貫かれて自滅していく、終わりのない停獄。


――恋愛とは、ストリートにおける最も美しい奇跡(システム)である。それは孤独な魂に生きるエネルギーを注ぎ込み、退屈な日常を一瞬で黄金の輝きへと変貌させる至高の善だ。

しかし同時に、それは一歩間違えれば、自らの境界線(セキュリティ)を完全に喪失させ、精神の防衛線を跡形もなく灰滅させる最も恐ろしい狂気でもある。

現代のストリートには、男女問わず、愛情への強烈な飢餓から狂気に走るモンスターたちが蠢いている。

SNSの肯定の沼に依存し、「私は悪くない、周りが器が狭い」と不機嫌の盾を構えて男たちの魂を粉砕していくサツキのような女。

そして、過去のコンプレックスの怨念から、女の見栄や優しさをハックして結婚寸前でハシゴを外していく珍太のような男。

彼ら・彼女らはみな、形は違えど「誰かに無条件で必要とされたい」という、剥き出しの承認欲求の亡者なのだ。

人は誰しも、寂しさという名の闇を抱えて生きている。

だが、その飢えを癒やすために他者の人生資源を搾取し、欺瞞のパレードを踊り続けたとき、待っているのは冷酷な因果のロスカットだけだ。

善も悪も、光も闇も内包したその果てしない戦場で、今日も有象無象の魂が、自らのハンドルを握りしめて彷徨い続けている。


『因果のロスカット・パレード』・全編完。魂の粉継ログ終了

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