番外編16:『終焉のツィゴイネルワイゼン(完全チェックメイト) 〜灰滅する京都タワー(ソドム)と、比叡山頂の聖域で“生体家具(器物)”に転生した全能ナンパ師の純愛〜』6
五、 結び ── 新世界の進軍(神崎理央の感謝)
大岩山の頂上から放たれたひややっこの悪魔の電磁波ウイルスは、世界を一瞬にして音を立てて更地にした。
中央システムという名の巨大な虚飾が完全チェックメイトされた世界。
そこは、かつて神崎理央が暮らしていた、あの『スペック格付け経済』に溺れた者たちが一網打尽に葬り去られる、無慈悲な因果応報の屠殺場だった。
理央が下界のストリートから立ち上る黒煙を見下ろすとき、彼の冷徹な市場観察眼は、自らの過去の歪みの残党たちが辿ったであろう、凄惨な最期のデータログを脳内で克明に弾き出していた。
理央から最高級タワマンの権利と「手切れ金1億円の現金」を渡され、市場価値の等価交換に勝利したとほくそ笑んでいたハイスペックモデルの愛人。
彼女は電磁波デジタルウイルスが日本中に響き渡った瞬間、複数のパトロンをハメていた「枕営業のスケジュール」と、男たちをゴミ扱いしていた「裏垢の愚痴」を全SNSに強制パージ(大開帳)され、精神的決壊を起こした。
さらに、中央インフラの崩壊によって、彼女が抱きしめた「1億円の現金」は、新世界のストリートでは何の生存エネルギー(食料)とも交換できないただの不潔な紙屑に変果した。
彼女は誰もいない冷え切った高層の檻の中で、紙札にしがみついたまま、暴徒と化した足軽たちに部屋をハックされレイプされ、のたうち回るような孤独の中で自滅(退場)していった。
そして、ZOOMの画面越しに、聖書のマニュアルを盾に羊飼いぶって上から目線で虚勢を張っていた、あの去勢された5人の草食クリスチャンモブ男たち。
彼らの端末からも、裏のネットの海で、同じ教会に通う女性のバリゾーゴン(罵詈雑言)を書き込んでいたログや、隠し持っていた極めて歪んだ性的サディズムの検索履歴が白日の下にパージされた。
内輪のコミュニティから一瞬で「不潔な害獣」へと格付けされ、村八分にハメられた彼らには、大八車を引くような生身の戦闘力(体力)など1ミリも存在しなかった。
彼らはただ、聖書を抱えたまま物資を巡る暴動の濁流に巻き込まれ、ソドムの肉食の人間たちの前に一言の正論も言えず、地べたを這いつくばってゴミのように損切り(ロスカット)されていった。
さらに、教会の最高権力者として耳障りのいい御言葉のパッケージで信徒を家畜化し、環境の檻(生体監獄)を統治していた牧師先生までもが、信徒から集めた聖なる献金を横領して私腹を肥やしていた会計データと、かつてひややっこをハメて学費を搾取した女性副牧師らの醜聞を隠蔽していたすべてのログを世界へ開帳された。
「先生、これはどういうことですか……!」と絶望した信徒たちに責め立てられ、教会というシステムは1秒で完全崩壊した。
牧師は自分が散々他人に強要してきた『悔い改め』の大義名分の盾に自らがハメられ、崩壊した礼拝堂の祭壇の前で、ひややっこの怨念に浴びせられた「偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け」という御言葉の過酷な一言に精神を完全に破壊され、発狂して最期を迎えた。
──綺麗事のマニュアル(天動説)や、ハリボテの記号に依存していた強者やモブたちが全員1秒で灰滅していく中。
すべての鎧を脱ぎ捨て、ただの一人の無力な男として生身の信頼(体温)と一真の悟りに手を伸ばした理央とメグミの二人だけが、逆説的にこの新世界で本当の生存(幸福)を掴み取っていた。




