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大岩山から絶望を配信する〜男は耐えろと抜かす世界を、低級霊のウイルスで完全チェックメイトしてやった〜  作者: ひややっこ万次郎
第5章:『市場価値ゼロの黙示録 〜泥濘のサバイバーと、世界崩壊前夜(ラストナイト)の利他コード〜
130/254

番外編16:『終焉のツィゴイネルワイゼン(完全チェックメイト) 〜灰滅する京都タワー(ソドム)と、比叡山頂の聖域で“生体家具(器物)”に転生した全能ナンパ師の純愛〜』3

【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の人物、地名、特定の宗教団体、結婚相談所、および書籍・マッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の生き方や価値観、信仰を誹謗中傷する意図は一切ございません。あらかじめご了承の上、エンターテインメントとしてお楽しみください。

三、 昼の共闘 ── 足軽たちの生存戦略


それから、数ヶ月の時間が経過した ──。

日本の総人口が爆発的なシステムエラー(パニックによる自滅と暴動)によって2000万人、3000万人を割り込んでいくという、人類史上最悪の屠殺場と化した新世界。

地上の物流システムが完全に灰滅し、水洗トイレすら動かなくなった日常的な過酷の中にあって、比叡山無動寺谷のお堂は、一真、理央、メグミの3人が紡ぎ出した独自のサバイバルアルゴリズムによって、最強の『自給自足の要塞共同体』へと進化を遂げていた。

朝の光が比叡山の霊峰に差し込んだ瞬間、彼らの生態ログは、誰よりも真面目に命の時間を削り合う強靭な足軽(サバイバー)へと切り替わる。

「神崎、今日の物資調達ルート(チェス盤)の計算は済んだか」

作務衣に身を包んだ一真が、薪を割る手を止めて問いかける。「ああ、一真さん。大津方面のストリートの暴徒(ソドムの残党)の移動データを観察(スクリーニング)した。

彼らは中央システム(インフラ)の檻に依存しきっていた去勢されたモブ男どもだ 。電気の切れた街で脳内アラームをパニックにさせて自滅しているから、野生の戦闘力(体力)はゼロだ 。

正午のタイミングで裏の山道を降りれば、奴らの防衛線を完全にハックして、麓の倉庫の塩と種子を安全にロジスティクスできる」

都会のメスをハックするためのヤリチン工学のマニュアルはすべてゴミ箱に捨て去った理央だったが、培ってきた卓越したデータ分析力と市場観察眼は、共同体を冷徹に支え切る「足軽の大将(司令塔)」としての最強の戦闘知性へと転生していた。

理央は一真の強力な右腕として、自らの生身の肉体で大八車を力強く引き、地上の荒野から生存エネルギーを山頂へと運び上げ続けた。

一方、メグミもまた、この過酷な新世界で「共同体の心臓(聖女)」として覚醒していた。

「メグミさん、今日の分の備蓄米と畑の収穫ログの整理が終わりました」

小僧たちが、泥にまみれたメグミの元へ駆け寄る。

「ありがとう。みんなで一生懸命耕した大切な畑の実りだから、1粒も無駄にしないように等価交換(分配)しましょうね✨」

中流階級の家庭で育ち、人間の労働(命のエネルギー)を何よりも尊重していたメグミは、比叡山のわずかな平地を自らの手で開墾し、素朴な自給自足のシステムを作り上げていた。

かつてキリスト教結婚相談所のモブ男たちが構えていたような「口先だけの聖句の盾」を完全にロスカットし、泥にまみれて他者のために汗を流すという、本物の利他の体温を体現する彼女の姿は、山へ命からがら逃げ込んできたわずかな避難民たちの魂を救う「本当の救済のメロディ」となっていた。

収穫を終えた昼下がり、メグミは畑の傍らに静かに佇み、胸の前でそっと両手を組んで目を閉じた。太陽の光を浴びながら、彼女は今も変わらぬクリスチャンとしての純粋な信仰のログから、天へと真っ直ぐな感謝の祈りを捧げる。

『天のお父様。世界は欺瞞のバグによって崩壊してしまいましたが、今日もこうして比叡山の土を踏み締め、命の恵みをいただける過酷で泥臭い日々の暮らしに、魂の底から感謝いたします。私を環境の檻から救い出し、共に汗を流して戦ってくれる理央という大切な存在を隣に置いてくださったあなたの御心を、私は一生大切に守り抜きます……』


一真の目から見ても、朝昼の二人は、崩壊した日本の中で最も真っ直ぐに対等に命の時間を削り合って生きている、非の打ち所がない「常識と良心を持った美しいサバイバーの夫婦」だった。

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