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大岩山から絶望を配信する〜男は耐えろと抜かす世界を、低級霊のウイルスで完全チェックメイトしてやった〜  作者: ひややっこ万次郎
第5章:『市場価値ゼロの黙示録 〜泥濘のサバイバーと、世界崩壊前夜(ラストナイト)の利他コード〜
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番外編14:『聖域の異教徒ハック(チェックメイト) 〜嫉妬に狂った足軽(モブ男)のバッシングと、世界崩壊前夜(ラストナイト)の比叡山進軍〜』3

【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の人物、地名、特定の宗教団体、結婚相談所、および書籍・マッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の生き方や価値観、信仰を誹謗中傷する意図は一切ございません。あらかじめご了承の上、エンターテインメントとしてお楽しみください。

「ひ、ひややっこさん……!」

数日前、自らの神学論破によって完全に言い含められ、最悪の『和解の同盟』を結ばされたあの恐怖の男の顔を見て、

牧師の脳内アラームが最大音量でパニックを鳴らした。

この男に逆らえば、教会のすべての裏ログ(欺瞞)がストリートへ開帳される。

牧師は一瞬にして顔を青ざめさせ、ついにプライドのすべてをロスカットして全面降伏した。

「……は、はい。ひややっこさんには……本当に、頭が下がります。私の神学の見識、そして不徳の致すところでした……」牧師は手のひらを返し、未だに嫉妬で喚いていた5人のモブ男たちを、上から目線の教会の権威を使って一瞬でミュート(宥め、抑え込み)にした。

そうして、居住まいを正した牧師は、画面越しに澄ました顔でマニュアル通りの言葉を紡ぎ出す。

「主の導きによる、本当に素晴らしいご縁です。神崎さん、メグミさん、あなた方のこれからの歩みに、神様の豊かな祝福がありますように」

パチ、パチ、パチ ──。

牧師が、そして完全に気圧された5人のモブ男たちが、さらには乱入してきたひややっこまでもがニヒルに笑いながら、ZOOMの画面越しに一斉に拍手を送り始めた。

欺瞞に満ちた生体監獄が、力技で『祝福のパッケージ』へとハメ直された瞬間だった。

だが、外野のノイズが完全にロスカットされたその更地の中で 、メグミは静かに涙を拭い、液晶画面の向こうの理央へと、本当の本音(生身の答え)を真っ直ぐに放った。

「神崎さん……ありがとうございます。私、本当はずっと寂しかったんです。教会の環境の中では、周りの男の人たちの同調圧力のせいで、『外の世界の人とも対等に向き合って、相互理解を深めたい』っていう本当の気持ちを、どうしても言い出せなくて、ずっと防衛線の檻に閉じこもっていました。

でも、あなたのその真っ直ぐな体温が、私の孤独を壊してくれました 。……私で良ければ、よろしくお願いします」

彼女の流した涙は、記号の檻を飛び出し、一人の生身の少女として理央のチェス盤へと志願した本物の信頼の証だった。


◇

セミナーが終了し、初めて二人だけの生身の通信ログが開通した、その翌日。

大岩山の頂上から世界を完全チェックメイトする悪魔の電磁波ウイルスが放たれる、まさに【その前日】の令和のストリート。

すべての欺瞞の武器を捨てた理央は、スマートフォンの画面をタップし、メグミへ最初のメッセージを送った。

それは、あの最高級タワーマンションの自室で脳裏をよぎり、自らの冷え切った心を溶かしてくれた一真の悟りの舞台 ──

「メグミさん。もし良ければ、明日から二人で、比叡山へ旅行に行きませんか」スマートフォンがチコン、と弾むような生身の体温の通知音を鳴らす。

メグミからの返信ログには、何の迷いも、拒絶の檻も存在しなかった。

『比叡山、ぜひ行きましょう! 神崎さんのこと、もっとたくさんお話しして、お互いのことを知りたいです。楽しみにしていますね✨』

異教徒の男と神聖な山へ向かうことへの抵抗など、彼女の生身の体温の前には1ミリの価値もないハリボテだった。

何も知らぬ二人が、明日訪れる世界の終焉へのカウントダウンの中で、あまりにも純粋で素朴な『本当の恋の進軍』の約束を交わしていた。

だが、全能のナンパ師のプライドを完璧に更地にしたこの美しいハッピーエンドの絶頂の ── まさにその翌日 、ひややっこが大岩山の頂上のスイッチを押し、電子の悪魔のノイズが全空の処刑場として世界中を灰滅させる運命の朝が訪れることを 、まだ誰も直視してはいなかった。

番外編15へ続く

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