番外編9:欺瞞の聖域への逆ハック 〜全能のナンパ師のシステムエラーと、大岩山の神が隠したクリスチャンの暗黒ログ〜3
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の人物、地名、特定の宗教団体、結婚相談所、および書籍・マッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の生き方や価値観、信仰を誹謗中傷する意図は一切ございません。あらかじめご了承の上、エンターテインメントとしてお楽しみください。
理央は息を呑んだ。
画面の向こうのひややっこから立ち上る怨念の覇気は、比叡山の暗黒に潜む異形のものどもの息遣いすら凌駕していた。
「神崎、お前が出会ったその女性が、本物の『体温』を持っているのか、それとも私の魂を殺した女と同じ『神の盾』を隠し持った強欲な怪物なのか、今の私には分からない。だが……もしその女が、本当に男の労働を敬い、対等に向き合おうとしている『本物』だとしたら──」
ひややっこは、チェス盤の王を睨みつけるような冷徹な瞳で、理央にファクトのトゲを突き刺した。
「お前がこれまで磨き上げてきた『恋愛工学』という名の欺瞞のハック理論こそが、彼女にとって最も不潔で、最も激しくアラームを鳴らす『最大の罪悪』になるだろう。お前の方程式そのものが、彼女を傷つける凶器なのだよ。その矛盾の檻の中で、お前はどうやって主導権を握るつもりだ?」
「俺の、方程式が……凶器……」理央の脳細胞が、激しいシステムエラーの警告音を鳴らす。ウイルスの配信まで、残り1ヶ月。
まだ世界が完全チェックメイトされる前の静かな夜に、全能のナンパ師は、自らの『嘘の武器』を全て奪われたまま、聖域の果てに佇む本物の体温の前に、ただ生身の肉体で立ち尽くすしかなかった。
番外編10へ続く




