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大岩山から絶望を配信する〜男は耐えろと抜かす世界を、低級霊のウイルスで完全チェックメイトしてやった〜  作者: ひややっこ万次郎
第5章:『市場価値ゼロの黙示録 〜泥濘のサバイバーと、世界崩壊前夜(ラストナイト)の利他コード〜
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番外編9:欺瞞の聖域への逆ハック 〜全能のナンパ師のシステムエラーと、大岩山の神が隠したクリスチャンの暗黒ログ〜2

【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の人物、地名、特定の宗教団体、結婚相談所、および書籍・マッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の生き方や価値観、信仰を誹謗中傷する意図は一切ございません。あらかじめご了承の上、エンターテインメントとしてお楽しみください。

『ひややっこ』──。

ユナイテッドアローズのセットアップに身を包み、知的な物理学とデータ解析のフィルターを持ちながらも、どこか魂の底に底冷えするような怨念を宿した47歳の男。

理央は藁にもすがる思いで、自身の最高級タワーマンションのデスクから、ひややっこのプライベートな通信ログへとシグナルを送った。

無敗のナンパ師が、他人に女の相談をするなど、本来なら100%あり得ないロスカット(恥辱)行為だった。だが、今の理央は、そのプライドの盾すらも削ぎ落とされるほどに追い詰められていた。

「──神崎か。お前のようなアルゴリズムの化身が、珍しいこともあるものだな」

画面越しに繋がったひややっこの声は、冷徹なチェス盤の観測者のそれでありながら、どこか地元の伏見区の泥にまみれたような、生々しい人間の体温を宿していた。

理央は、ZOOMセミナーで出会ったその女性への、狂いそうな胸の内を剥き出しの言葉で吐露した。どうやって落とせばいい。俺のマニュアルのどこにバグがある。

焦燥するナンパ師に対し、ひややっこは長く沈黙した後、フッと自嘲気味な笑い(脳内ログ)を漏らした。「神崎、お前はよりによって、最も厄介な『聖域』の門を叩いてしまったな。……実は、私はかつてクリスチャンだったのだよ」

「……何だと?」

理央のスマートフォンの向こうで、ひややっこは自らの痛ましい過去の生態ログを静かに開帳し始めた。

「ちょうど、お前が私に連絡をしてくる1ヶ月前だ。私は世俗のマッチングアプリ『みんなでペアペア』の海で、ある一人のクリスチャン女性と知り合った。私は彼女に対して、何百時間もの本音の対話と、心の全てを投資したのだ。お前のようにハックするための嘘のマニュアルではない。傷だらけの生身の自分で、真っ直ぐに向き合おうとした」

ひややっこの声のトーンが、一瞬にして伏見の底冷えする暗黒の質量を帯びる。

「だが、結果はどうだ。彼女は自分の世間体や、教会内での自らの市場価値を守るために、私の誠意を『ストーカー行為』という冷酷な言葉の盾で切り捨て、一方的にロスカット(損切り)しやがった。

それだけではない。彼女が最後に構えたのは、世俗の法律すら受け付けない最強の免罪符だ。

──『お祈りした結果、神様からこの人ではないと示されました✨』とな」

ひややっこの指先が、デスクの上でギリ、と軋む。

「男なんだから耐えろと抜かす世界で、彼女たちは『神の盾(大義名分)』という大嘘のマニュアルを構えて被害者の顔をし、男のエネルギーをノーリスクでタダで吸い尽くして逃げる。

私はその欺瞞のシステムに、魂の防衛線を完膚なきまでに破壊されたのだ。

あの時、私の中の『常識あるいい人』は死んだ」



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