番外編6:聖職者たちの選別アルゴリズム、そして袈裟の下の品定め3
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の寺社、教会、特定の宗教団体、結婚相談所、およびマッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の信仰や職業を誹謗中傷する意図は一切ございません。
自分は「執着を捨てろ」と人に教えておきながら、画面の向こうの女の「既読」と「返信」に死ぬほど執着している。相手を「一人の人間」として見るべき僧侶が、返事が遅いというだけで「礼儀知らずのクズ女」と脳内で罵倒している。
聖職者という綺麗な衣を一枚剥ぎ取れば、そこにいるのは、令和の歪んだシステムに魂をハックされ、承認欲求と焦燥感にのたうち回る、ただの哀れな「非モテの男」に過ぎなかった。
比叡山の険しい峰々を、死装束を着て歩み続ける一真が、なぜこの「寺婚」や「お寺アプリ」を『滑稽の極み』と切り捨てたのか。
それは、どれだけ仏教やキリスト教という神聖なラベルで包装紙を着飾ろうとも、「人間をスマホの画面で品定めし、傷つかずに効率よく相手を奪い取ろうとするシステム」に魂を売り渡した瞬間、神仏の教えそのものが死滅するという、身も蓋もない真理を悟っていたからだった。
寺の鐘が、ゴーン……と重く夜の京都に響き渡る。本堂の片隅で、道雄は1週間放置されたトーク画面を、震える指で『非表示』に追いやった。
「人を救うはずの場所で、俺たちは一体、何をやってるんだ……」その呟きが虚空に消えた時、すでに大岩山の山頂では、この欺瞞に満ちた聖職者たちの「格付け裏ログ」をも一斉パージする、完全なる終末の電波がカウントダウンを終えようとしていた。




