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転生先ではゆっくりと生きたい  作者: ひつじ
旅立ち
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21



数時間ほど寝ると少しだが体の疲れが取れた気がした。ベットから降りるとゆっくりと体を伸ばす。

ライドは今日は待機組らしく、部屋には俺一人だ。最初は勤務日が一緒だったが、最近ではまったく合わない。少し寂しい。


「まだ昼すぎだし行くかな」


アイテムボックスからサンドイッチを取り出し、食べながら宿舎をでる。以前リークさんに書いてもらった地図を頼りにナナバ亭を探す。


「地図だとこの辺りっぽいんだよなぁ」


大通りから1本外れた道に入る。前回ネルといた時には探さなかった場所だ。そのまま探すこと数分、ようやくナナバ亭をみつけたのだが…


「本当にここか…?」


目の前に見える店は入口がオープンになっており、たくさんの本が見えている。どうみても本屋だ。


何度確かめても看板にはナナバ亭と書かれている。ゆっくりと中に入る。別になんの仕掛けもないただの本屋だ。

前世で見たような中古の本屋みたいな古めかしさがある。


カウンターには若い男が座っている。話しかけるか迷ったが、声をかけることにした。


「すみません」

「どうした坊主。何を探してるんだ?」

「えっと…【アイスを1つ。たっぷりのハチミツをかけて】」

「了解。ちょっと待ってな」



お婆さんに聞いた言葉をそのまま伝えると、男の人は奥に言ってしまった。待ってるように言われた俺は本を読みながら男の人が来るのを待つ。


「アンタが合言葉を…ってソラじゃねえか」


奥から出てきたのは赤い髪に緑目の目の20歳ぐらいの男の人だ。どこかで見たことある気がするんだよな。どこだっけ。確か……


「え?あ、確か…クアールの街の入口で出会ったお兄さん」

「セトだよ。名乗っただろう」

「そうだそうだ。セトだ。久しぶり!!」

「おう久しぶりだな」


旅に出た日クアールの門前であったセトだ。確か商人で情報を売っていると言っていた。ということはここは情報屋のお店なんだな。


「それよりこんなとこに何しに来た…って、情報を買いに来たんだよな。確か今は公爵様のところで護衛をやってるんだよな」

「うん。なんで知ってるの?」

「情報屋を舐めない方がいいぞ。お前が仲間とこの街に来たことも、2週間前にエルフの姉ちゃんとデートした事までわかってるんだからな」


え、何それ。俺のプライベート筒抜けじゃん。恐すぎるんだけど。


「まぁ、話が早くて助かるけど。今回の俺が知りたいことは」

「おっと、ソラが欲しがってる情報は確かに持っている。が、情報を貰うには金が発生する。お前に払えるか?」

「……いくら?」


1年間依頼を受けて来たんだ。ほとんど使うこともなかったし結構貯まっているはず。そんなに高くなければ払えるだろう。


「そうだな……金貨20枚でどうだ?」


金貨20枚…それなら払えなくもない。俺は鞄の中から金貨を取り出すとセトに渡す。セトは金貨を受け取るとそのままカウンターにいた男に手渡した。


「あれ?確認しないの?」

「ソラを信用しているからな。ついてこい」


そう言い奥へと歩き出すセト。俺はカウンターの男の人に頭を下げ、セトを追いかけた。


カウンターの奥は普通の民家みたいになっていた。セトについて行くと赤い絨毯のひかれた応接間についた。なんか入口の古本屋と雰囲気が合ってなさすぎる。


「さて、ソラが欲しい情報は公爵家を襲う奴らのバックだろ?」


セトの言葉に頷く。本当に全部筒抜けなんだな。今日俺が履いてる下着の色まで知られてそうだ。


「公爵家を襲っているのは知っての通り、公爵に追い出された元貴族達だ」


そういえばクリスさんが言ってたな。賄賂や密売、横領をしていてアレク様に権力を奪われたって。まぁ自業自得だと思うけどな。


「で、そいつらが助けを求めたのが帝国ってわけ」

「帝国?」


この辺りで帝国っていったら1つしかないはずだ。このイダイの街の海を挟んだ向こう側の大陸にある大きな都市だ。でもなんで帝国がイダイの街を狙ってるんだ?


「そうだ。そして直接手を貸してるのはノーヴァン公爵だ。帝国の現国王の弟だ」

「なんでそんな人が!?」

「そこまでは分からねぇ。けど気をつけな。護衛隊の中にスパイがいるぞ」

「そんなわけ」

「ないと言いきれるのか?」


俺の知っている護衛隊の人達は、見た目が幼い俺の事もバカにせず対等に接してくれるいい人たちだ。そのうちの誰かがスパイだなんて考えたくはないけど。


「わからない。でも悪い人には見えない」

「ソラはお子ちゃまだな。悪いやつが悪人です!って顔してるわけないだろう」

「そりゃそうだけど…」

「まぁこっちでも探りを入れてみるさ。何か分かったら連絡してやるよ。それとここで知った情報は誰にも言うなよ。いいな?」

「アレク様は?」

「公爵か?公爵は……他言無用なら言ってもいい。ただしこの場所のことは誰にも言うな」

「分かった」


セトの言葉に頷く。そりゃあ隠れてやってる情報屋のことを教えて隠れなくなったら意味が無いもんな。


帰ろうとしたらセトに1冊本を渡された。表向きは古本屋なので本を買ったとこにするらしい。徹底してるなと思いながら俺は古本屋を後にした。


閲覧ありがとうございます。

誤字脱字ある場合教えて頂くと幸いです。 気に入ってくださいましたらブックマーク、評価お願いします。糧になります!!

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