表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先ではゆっくりと生きたい  作者: ひつじ
旅立ち
73/78

22

思いの外、ネット環境の整っていない場所だったので更新できませんでした。

8月は毎日更新と言っていたのにすみません。

読んでくださっている皆様、ありがとうございます


「スパイ、スパイ、スパイかぁ…」


セトの言葉が頭の中をグルグルと回る。スパイなんて考えもしなかった。しかも帝国って…なにが起こってるんだよ。もう俺のキャパシティが超えそうだ。前世の知識があるから歳の割には大人びているとは思うけど、それだけだ。

前世でも別に人付き合いなんてなかったし、人の考えてることも読めないやつだったし、相手がいい人か悪い人かなんて絶対に見抜けなかったし…

そんな俺がスパイなんて分かるわけがない。


「あれ?ソラ君どうしたっすか?」


この話し方は…


「クリスさん。朝ぶりですね。俺は古本屋に行ってました」

「へぇ。なんの本を買ったんすか?」


そうえいばなんの本を貰ったんだろ。本を受け取ることしか考えてなかったから気にしてなかった。まぁ変な本じゃないだろ。俺は手に持っていた本をクリスさんに手渡した。


「えーっとなになに…【最強のおとこになるために】。ぷっ…なかなか面白い本を買ったっすね」

「え、あ、ち、違うんです!」


セトのやつなんて本を渡してくれてるんだよ。すごく変なやつじゃないか。クリスさんも本を持ったまま笑っている。こんなに恥ずかしい思いをしたのは久しぶりだ。


「あー笑ったっす。ソラ君といると笑いが絶えなくていいっすね」

「俺は恥ずかしいだけですけどね」

「それはあんな本を買ったソラ君のせいっすよ」

「ちがっ…あの本は…」

「ん?」


ダメだ。あの古本屋のことは言わないようにしなきゃいけない。でもこのままじゃ俺があの本を選んだと思われる。それはちょっと避けたい。


「あの本は…そう!仲間に渡すんです。ライドが強くなるために」

「ホントっすかー?」

「本当です。ライドがぼそっと言ってたのを聞いてたので買ったんです」

「まぁ信じてあげるっす」


良かった。なんか本のタイトルが厨二感あって俺のだと主張しにくいんだよ。ってか変な本を渡すなよな。


「ソラ君はこのまま帰るっすか?」

「そうですね。用事も終わったんで」

「んじゃ俺も帰るっす」


クリスさんはそう言って俺の隣に並んだ。クリスさんは俺よりも10cm程高いのだろう。並ぶとネルと同じくらいだ。


「クリスさんはなぜ街に?」

「秘密っす」


やっぱり。クリスさんは絶対に自分のプライベートを教えてくれないんだよな。隠されると知りたくなるものだけど、あまり無理に聞いても相手が嫌がるだけだし。


「言うと思いました」

「ごめんなさいっす。誰にも言わないようにしてるんで」

「わかってます」

「……ソラ君は素直っすね」

「はい?」


なんで今の会話でその言葉に辿り着いたんだ?俺何かしたか?


「なんでもないっす。そういえば今日はレッドボアのシチューらしいっすよ。めちゃくちゃ美味いんで早く行かないと無くなっちゃうっす。先に行くっすよ」


そう言って走り出したクリスさんを追いかけ、宿舎に帰った。





「はぁ、美味かった…」


許容量限界まで入れられたお腹を擦りながら部屋に戻る。クリスさんの言った通りレッドボアのシチューはめちゃくちゃ美味かった。どうやって作ってるんだろ。今度調理の人にきいてみよ。


「よぉソラ。今日は遅かったな」


部屋には夕食を先に食べ終えていたライドが居た。リークさんに譲ってもらった刃こぼれしている刀を眺めている。すごく気に入っているようで最近はいつもこうだ。


「ちょっと今回の事件のことで調べてたんだ」

「ふーん。何か進展あったか?」


俺はセトのことを思い浮かべる。セトは誰にも言うなと言っていたがライドは仲間だ。スパイだなんて絶対に違う。それに俺一人よりもライドやネルの考えも聞けば何かわかるかもしれない。


「今から話すことは絶対に誰にも言うなよ。これはチームリーダーとしての命令だ」

「おいおい。穏やかじゃねえな。分かったよ。誰にも言わねぇよ」

「絶対だよ。リークさんにも言うなよ」


最近の2人は本当に仲が良い。ちょっと嫉妬するぐらいだ。チームリーダーとして命令をしているから、真面目なライドが言うわけがないとは思うが一応念を押しておく。


「分かった。ぜってえ言わねぇよ」

「じゃぁ言うよ。実は……」





「な、スパっ!」

「しーーー!!!!!!ライド黙って!」


スパイと叫びそうになっているライドの口を慌てて塞ぐ。探索のスキルを使い周囲を確認するが廊下には誰もいない。どうやら聞かれてないようだ。


「もう大声出さない?」


口を塞いだまま問いかけると何度も頷くライド。ゆっくりと手を離すとライドは深呼吸している。


「でもそのセトって情報屋信用できるのか?」

「してもいいと思うよ。情報屋が偽の情報を流したなんて信用に関わるからね。それにセトは意外と良い奴なんだと思う」

「まぁリーダーが決めたんならいいけどさ。それよりどうやってスパイを見つけるんだよ」

「それなんだよね」


あの情報屋のセトでさえ誰がスパイなのか把握出来てないのだ。俺達が調べてすぐに分かるものでもないだろう。けれど手伝うと言ったんだ。出来るだけのことはしたい。


「ネルにも聞いてみようかと思う」

「いいかもしれねぇな。一応60年生きてるから何かしってるかもしれねぇな」

「今日は仕事みたいだから明日聞いてみるよ。ライドはどうする?」

「俺も一緒に行こう。本当はリークと刀について語り合う予定だったけど用事が出来たって断ってくる」

「ありがとライド」

「んじゃちょっと行ってくるわ」


そう言って部屋を出ていったライド。何か少しでも手がかりが見つかれば。けれど俺の知識では何が最適なのか分からない。このままセトがスパイを発見するまで待っていた方がいいのか……





次は9月5日の更新になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ