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次の日俺はライドと街に戻った。そのままライドは自分の家に、おれは冒険者ギルドへと向かった。
「ソラくん!!心配したよ!!薬草採取なのに帰ってこないから」
俺をみたキースさんに大声を出されてしまった。まぁ薬草集めに行ったのに1日帰ってこなかったら心配するよな。だいたい半日あればできる依頼なんだから。
俺は昨日遇ったことを話す。剣じゃなくライドに説明したようにボロボロのゴブリンを魔法で倒したことにした。
「そんなことが。でもソラ君に何も無くて良かった」
「心配かけてすみません」
「いやいいんだよ。でもあまり無理はしないようにね」
「はい。あと、これ依頼された薬草です」
俺はカバンから薬草の束と依頼書を取り出す。キースさんは受け取るとヨンシの葉が混ざっていないか確認している。
「はい。すべてサンシの葉でした。依頼分よりも多めに持ち帰ってるから追加で報酬を出すよ。サンシの葉が2枚で銅貨1枚だから、全部で銀貨4枚だね」
「ありがとありがとうございます。あの、倒したゴブリンを出せば依頼達成になりますか?」
「出来るよ。倒したという証拠があればだけど」
「じゃあこれで」
銀貨をカバンの中に仕舞い、そのまま丸めたタオルを机の上に出す。タオルを開くとゴブリンの耳が5つある。カバンの中が汚れないようにタオルで包んでおいた。
キースさんはそれも確認する。
「うん。確かにゴブリンの耳だ。こっちは一体銀貨1枚だから全部で銀貨5枚だ」
思ったより安いんだな。俺は出された銀貨を先程と同じようにカバンに仕舞う。これならライドが倒したゴブリンの耳も持って帰っておけばよかった。そしたらライドの金にもなるだろうし。
「ゴブリンは強くはないけど数が多いからね。必ず集団で行動してるから次会った時も注意してね」
「はい」
「ほかに依頼をうけるかい?」
「いえ。今日は一旦帰ります。ライドのとこにも行きたいし」
「わかった。また依頼を受けたい時はいつでも来なさい」
「ありがとうございます」
sideキース
小さな背中がギルドから出ていくのを見送る。他の冒険者たちはそんな小さな男の子との事なんて露ほども気にしていない。彼らが気にしているのは目の前にいる見た目の綺麗な受付とどう仲良くなるだとか、いかに冒険者ランクを上げて英雄になるのだと言うことばかりだ。
ソラ君が最初に来た時に俺に話しかけてきた時は何事かと見ていたがその時だけだ。
「ゴブリンを五体ねぇ」
ゴブリンは決して強くはない。大人の冒険者であれば1人でも倒せるだろう。そう大人の冒険者であればだ。
ゴブリンの体躯はせいぜい140cm。今のソラ君と変わらないぐらいだ。自分より小さく力の弱い相手ならまだしも、自分と大きさの変わらないゴブリンを倒すなんて信じられない。
「どんな秘密があるんだろう」
ステータスを誤魔化すことなんて出来ないはずだ。そんな魔法は見つかっていないのだから。もしそんなことができれば犯罪に使用されるだろう。
「期待の新人とでも思ってればいいのかな」
別に悪いことをしている訳じゃないのであれば特に聞き出す必要もない。ギルドは警備所じゃないんだから。
ソラ君の力については聞きたいことはあるけど彼が話すまで待っていよう。この街にいる間は必ず関わるんだから。
「さて、久々の受付業務。頑張るかな」
ゆっくりと身体を伸ばし、ソラ君が持ってきたゴブリンの耳とサンシの葉に向かい合う。
「それにしてもどこでこんなの覚えるんだ?」
サンシの葉は10枚ずつ纏められており、表裏揃えられてたためヨンシの葉が混ざっていないか確認しやすかった。それにゴブリンの耳についてもタオルで纏められているのも珍しい。普通はそのまま持ってきて机が汚れることも少なくない。
(これは本当に期待できるかも)
ふとそんな事を思ってしまった。
sideソラ
「確かこの辺だよな?」
なんかこの街にきて何度も建物を探している気がする。そのうち2回は案内してもらってるけど。
ギルドを出たあと着替える為に宿に1度帰った。外泊することを伝えてなかったからサリアには心配されたが、マーサさんは慣れてるみたいで次からは一言欲しいと言われた。
俺は了承すると部屋に戻りマジックバスで身体の汚れを取り買ったばかりの新しい服に着替える。鎧はアイテムボックスに仕舞っておいた。
そのまま軽くつまめるものだけを食べてライドに教えてもらった辺りを歩いている。
「おーいソラ。こっちだ」
キョロキョロしながら歩いていると前の方から声をかけられる。よく見るとライドだった。ライドがゆっくりとこちらに向かってくる。
「この辺は似たような建物が多いからな。迎えに来た。じゃ行くか」
「ありがとうライド」
俺は前を歩き出したライドに着いて行った。
この辺りは職人街らしく、工房が多いそうだ。
歩きながら気付いたことはライドへの視線と俺への視線。
ライドの方は目を合わさないようにそらす人達が多いけど、俺に関しては珍しい物を見るような目だ。
大方ギルドを追い出されたライドに関わりたくないのと、そんなライドについていってるアイツは誰だ?って所かな。
「悪いなソラ。俺が一緒にいるせいで」
「別に。気にしてないし。それよりここは少し暑いね」
「あぁ。武具を作るのに火を使うことが多いからな。夏なんて地獄だぞ」
そんなことを話しているうちに目的地についた。こじんまりとした家だ。
家の中には小さな鍛冶場とベッドしかない。
「悪いな。人を呼ぶことなんてなかったし、武具作るのと寝れれば良かったからな」
「大丈夫だよ」
「じゃこれからの事を話すぞ」
「うん」
ここに来たのは理由がある。ライドが俺の専属鍛治職人になるための話だ。俺は外部に漏れないように一応遮音できるような魔法を使った。これは風魔法の応用だ。
そしてもう一度ライドの鑑定をする。
名前:ライド
種族:白狼族
年齢:16歳
体力:220/220
魔力量:50/50
魔法属性:火
スキル:鍛冶Lv8、能力付与Lv3、身体強化Lv5、体術強化Lv4、速度強化Lv6、獣化
加護:ドーラ神に認められし者
鍛冶:鍛冶に必要なスキル。これがなければ鍛治職人になれない。レベルが上昇する毎に作れるものが増えていく。
能力付与:武具に能力を付与することが出来る。レベルが上昇すると最大5つまで同時に付与することが出来る。
獣化:獣人族特有のスキル。見た目が完全に獣になりステータスが上昇する。しかし獣化している間は意思疎通が困難。
ドーラ神に認められし者:鍛冶の神ドーラ神の加護。この加護があると鍛冶スキルの成長率が上昇し、作った武具に関して最高品質のものが出来上がる。
へー。ライドって16歳なんだ。俺よりも4つ上か。って、これってだいぶ凄いステータスなんじゃないの。獣化って何?ドーラ神の加護って何?
聞きたいけど聞いたら俺が鑑定出来ることも言わないとだしな。
でもこの加護ってライドが鍛治ギルドを追い出された事に関係してるんじゃ…。えーい悩むな。男なら当たって砕けろだ!!
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