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「そろそろ夕飯の時間だな」
父さんの声が聞こえる。どうやら戻ってきたようだ。空は先程と同じ紺色がかったオレンジ色。神様の言った通り時間は経っていないようだ。俺は返事をすると父さんと家の中へと入っていった。
「ごちそうさまでした!!」
俺はご飯を食べ終わると自分の部屋へと戻った。汗を吸収している服を早く脱ぎたかったからだ。この世界では風呂は贅沢品で、毎日入れない。水も、風呂を沸かす薪も貴重だからだ。いつもは濡らしたタオルで身体を拭いて、何日かに一度風呂に入っている。
「風呂に入りたいよなぁ」
地球では蛇口を捻るだけでお湯が出るって貴重だったんだよな。濡れタオルで身体を拭くのもいいけどなんかさっぱりしない。こう、ぱぱっと魔法でお湯でも出せたらいいんだけど…
「創ってみるか…」
水魔法と火魔法の応用だろう。イメージとしては蛇口を捻るとお湯が出てくる感じだ。頭の中で水魔法を思い浮かべ、その後火魔法で適温になるように温める。
すると自分の魔力が熱を帯びている感じかする。隠蔽魔法を創ろうとした時とは違う感じだ。直感で成功したと思った。
俺は自分の考えが正しいか確認するため風呂場にいった。当然お湯なんてはられていない。俺は浴槽の上に手をかざして、先程創った魔法を思い浮かべる。
「えーっと…“お湯よでてこい”」
そういった瞬間俺のかざした手からお湯が一気に出て、一瞬で浴槽を満たしてしまう。出たお湯を見ると湯気もたっている。いい感じだ。あとは温度だな。浴槽に溜まったお湯に手を触れると熱すぎず、ぬる過ぎずといった温度だった。
「やった!!成功だ!!」
初めて魔法を作ることが出来た。鑑定で自分のステータスを確認する。スキルの所に【生活魔法】が増えている。それに魔法を使用したのに魔力も1しか減っていない。
(あれ?生活魔法?風呂魔法とかじゃなくて?)
俺はスキルの書き方に疑問を覚えたが、初めて魔法を創造できたことが嬉しくて深く考えなかった。
「ソラお風呂場で何してるの?あら?今日は風呂の日じゃ無いはずだけど」
「母さん!!俺魔法を創れたんだよ!!このお湯魔法で出したんだ」
「あら、ソラは凄いわね。魔法の才能もあるじゃない」
俺は興奮気味に母さんに先程の事や、どうやって魔法を創造したのか事細かに説明した。そんな俺を母さんは笑顔を浮かべながら頭を撫でている。
「2つの魔法を組み合わせるのね。そんなことが出来るのは創造のスキルを持ってていて、全属性の魔法が使えるソラぐらいかもしれないわ。2属性持っていても組み合わせるなんて考えつかないし、創造のスキルを持っていても水と火の魔法が使えないと作れないんだから」
そうか。俺は神様から色々な物を貰ったことと、前世の知識があるから創れたんだ。風呂が少ないと嫌だという気持ちがなければ考えつかなかっただろう。
「それよりせっかくお湯があるんだからお風呂に入ったら?後で母さんたちも入っていい?」
「もちろんだよ!!じゃ俺風呂に入るね」
さすがに母さんと入るのは恥ずかしいから4歳を過ぎた頃から1人で入るようにしている。母さんは少し寂しそうだけどそこだけは譲れない。
俺は部屋から着替えを持ってくると温かいお湯に浸かった。




