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焦り

 今日は何をしてきたんだ。この女はおそらくここでは私に危害を加えるつもりはないだろう。もしそのつもりなら、私以外に誰かがいないと意味がない。この女は誰か同情を買ってくれるナイトがいない限り私に嫌がらせをしても何の得にもならないことを知っている。

 まぁさすがにそこまで馬鹿だと私も困るわけだが。


 今日の彼女の姿は、フリフリのピンク色のドレスに首には綺麗な宝石が付いたネックレスをしている。一風着飾って見えるが服装はとてもシンプルだった。こんな姿に男は騙されるんだろうな。これまで心を寄せているあのバカ五人組が少しだけ気の毒に見えた。本当の正体を知ったら、そう絶望するか楽しみだわ。


 部屋に入ってきてから、彼女は一向に私に話しかけることなく部屋を見渡して、何かを考えていた。


 「あなた、いったい何をしているの?私に話があるんじゃなかったの?」


 「ええ、話ならあるわ。でもその前にあなたの部屋が気になったものですから、少しだけ見させてもらっているの」


 エリスはいつものように口調が変わっていた。この話方は私といる時にしか使わない。ほかの人がいるときはあくまで可愛子ぶっているようだ。


 「さっきも言ったでしょう、私は今忙しいの話があるなら早めに行ってくれない?ライアンもあなたが来るのを楽しみにしていたみたいだったから」


 私がそういうとエリスはどうやら部屋の観察は終わったようで、私の座っているテーブルの真向かいに座った。


 「あら、そんなに私の話が聞きたいの、それじゃあ単刀直入に言わせてもらうわ。   この国から出ていきなさい」


 まさか彼女からそんなことを言ってくるなんて思わなかった。私をいじめるのを生きがいにしているような人なのになぜ国から出て行けなんて言うのかしら。

 まぁもとから私の目的はこの国から出て自由に過ごすことなのだけれど、今はまだちょっと早すぎやしないか。


 「あのぅ、なぜいきなりそんなことを言うのですか?あなたは私をいじめるのを生きがいにしているのではないですか」


 「まさかあんたなんてただの暇つぶしよ、あの男たちから気を引くために利用したただの玩具みたいなものよ。でももうあなたは要らないわ、これ以上あなたの評判を悪くして、あなたの弟だったライアンに被害が出たら元も子もないもの」


 なんて女だ、男たちから気を引くために人を利用するなんて。ましてやこの女のすることはたちが悪い。使えなくなったら捨てるのか、まぁそれがこの世界のやり方だろう。

 でもこのまま引き下がるにはちょっと気が引けるな、少しだけ抗ってみよう。


 「もし、嫌だと言ったら私はどうなるのですか?」


 これは分かり切った質問だったか。私が抵抗したところであの女はどんな手を使ってでも、自分のしたいようにするはず。


 「そんなの決まっているでしょう、あなたには消えてもらうわ。まぁべつにあなたが消えても困る人は誰一人としていないでしょう」


 それは失礼じゃないか、私が消えたら困る人は一人くらい、、、、いないか。


 この女のことだどうせ、自分では消しに来ないだろう。優秀な騎士での雇って私を殺しに来るだろう。もしそれができなくても、この女があのバカ王子に泣いて頼んだら公開処刑もしかねない。

 でも私にはまだ時間が必要、でも命はほしい。こんなわがまま通用するはずがない、少し賭けをしてみよう。


 「さっきの話のことだけれど、断らせてもらうわ」


 「そうなの、じゃあ死ぬ道を選ぶのね」


 「死ぬのもいやよ。だからあなたが何をしてこようと最後まで抵抗することに決めたわ。あなたがあのバカたちに泣いて頼んでもいいんじゃない、人を殺してくれってね」


 私が怖がりもせずにそういうものだから、彼女は今まで冷静だったのにいきなり怒りをあらわにして取り乱しているわ。


 「そう、分かったわ。覚えておきなさいこの話を断ったこと後悔させてやるわ、後から泣いて頼んできても許さないから」


 エリスがそう言って怒りながら立ち上がり、部屋を出ていこうとすると。ドアノブに手をかける前に、先に扉が開いた。さっき鍵を閉めるのを忘れていたわ。

 いや待てよ、これは私にとっては好都合かもしれない。一人でもこの女の正体を知ってくれる人が現れるかもしれない。


 だが私の期待とわ裏腹に、最悪な人物が現れた。


 「今の本当にエリスなの?」


 そこに現れたのはバカ五人組もとい私の元弟のライアンだった。

 すごくショックだったろうに、声も震えさせて。エリスの方を見るとしまったというような顔つきを一瞬だけ見せたが、すぐに立て直し


 「さっきのは、ただの演技よ。暇だったから二人でお芝居をしていたのよ」


 なんて見苦しいいいわけだ。だが今のライアンには通用するかもしれない、今更私を信じるなんてありえないもの。

 

 「そうなんだ、びっくりしたよ。俺を騙せるなんてエリスの演技力はすごいね。 それよりエリスもう帰るの、だったらそこまで送るよ」


 私の思ったとうりだ、これだけで流されるなんて情けない。まぁ分かっていたことだ、今更なんとも思わない。

 

 そうしてエリスは帰って行った。



 

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