偽りの罪
アルティアがかわいそうだと思いますが、これも国外通報自由作戦のためです
メイドが小さな箱を持ってきた。いかにもお金がかかっていそうなもので、それをエリスに渡していた。
「はい、これが私からのプレゼントよ」
エリスがそれを私に差し出してきた。これはおそらく私に直接害を与えるものではないだろう、エリスはみんなからの同情をかうために自ら傷ついたふりをするのがいつものパターンだ。
「ありがとう、何が入っているかとても楽しみだわ。開けてみてもいい?」
私がそういうとエリスは何も言うことなく見やりと笑った。無言の肯定か。
私はその箱を開けると中には綺麗なネックレスが入っていた。あぶない、一瞬綺麗などと思ってしまった。おそらくこのネックレスに何らかの仕掛けがされているに違いない。
私はそのネックレスをもって首にかけようとした瞬間、そのネックレスのひもがぷつんと切れ穴に通されていた丸い宝石がぼろぼろと落ちていった。
あぁ、そういうことね。エリスの性格上からしてこれから起こることがなんとなく想像ができた。
私がエリスの方を見ると、エリスは次の行動をとっていた。
「なんでそんなことするの!」
いきなりエリスが大きな声で叫んだのである。この場所はこのパーティー会場の隅の方にあるのだがこれだけ大声で叫ばれたら、さすがにみんな気が付くだろう。まったく、私の思ったとうりに動く面白くない女だな。
「エリスどうした!」
エリスの叫び声とともに現れたのは、あのバカ五人組だ。どうしたなんて聞かなくても、どうせ私のせいにするんだろう。
「アルティアさんが私のあげたネックレスと無理やり引きちぎったの」
さっきまでエリスを囲むように立っていたバカ五人組がやっぱりというように私の方を向いた。
「またお前か、何度言ったらわかるんだ。もういい加減にしてくれ、次は許さないといったよな」
私に向かって一番に口を開いたのは私の愚弟ライアンだった。
ほかの奴らは何も言わずにらみつけてくる。おそらくライアンの姉だということを気にして何も言わないのだろう。
「おい何とかいえよ、なぜこんなことをするんだ」
もう私がしたって決まっちゃってるじゃん、これじゃあ否定のしようもないよ。まぁ、どうせ否定したところで意味はないだろうけど。
「全部私が悪いの、エリスに何の恨みもないわ。」
これだけで、丸く収まるかな?
「何の恨みもないってことは、ただの八つ当たりということか?」
あぁ、さっきの一言はいらなかったか。とりあえずここは素直に認めよう、その方が私の心も傷が浅くなりそうだ。
「もうお前は俺の姉でもなんでもない。もちろん家族でもな」
またこれで、自由計画に一歩近づけた。
あれ?でもこれは普通の人間の感情としてはおかしいのか。弟に家族じゃない宣言をされて喜んでしまうなんて。
「そうね、私はもうあなたの姉でも何でもないわ。じゃあ私はもう帰るわね」
今すぐにでもここを立ち去りたかった。喜んでいるなんて無理やり自分に押し付けた感情だった。本当は今すぐにでも泣いてしまいたい。なんで私だけがこんなつらい思いをしないといけないんだ。
神は実にいじわるである、前の世界でもいじめられ一人ぼっちだったのにこっちの世界でも、同じ状況にさせるなんて。
神様こそ私に何の恨みがあるのよ!




