パーティーのお誘い
私がここにきてすることは何もない。ただただ普通に生活していればいつの間にか嫌われて、通報されるのだから。それより、学校はないのかしら。
確かこの世界では20になるまで学校にいかなければいけないはずだ。
私は近くにいるメイドに聞くことにした。
「私はいつ学校に行けばいいのかしら?」
「お嬢様忘れたのですか?今は夏休みですよあと一か月は休みがありますよ。」
そうかこっちでも夏休みはあるのか。休みが終わるまでは私は安全ね。
そう思った私の考えは甘かった。
「お嬢様エリス=クラネット様からお手紙が届いております。」
やっぱり来たか、休みの時まで私をいじめたいとは何て性格をしているんだ。
中身を見ると、普通に読んだら何の変哲もない手紙だった。
~ アルティア=バートンさんへ ~
私の屋敷で今夜パーティーを開くとこになったの。
もちろん誘ったのはあなただけではないわ、ほかの侯爵家のご子息やこの国の王子も来てくれるそうなの。
アルティア来てくれるわよね、あなたのためにプレゼントを用意したの。
あなたが来てくれることを心待ちにしています。
エリス=クラネット
ああ、忌々しい手紙だ。私をパーティーに呼ぶのもみんなの前で私を悪者にするための単なる道具に過ぎないのね、いいわ行ってやろうじゃないの。早く国外通報されて自由の身になって見せるわ。
私は今にもこみあげてきそうな怒りを抑えて、冷静を装いながらメイドに聞いた。
「来た手紙は私だけじゃないでしょう。」
「はい、ライアン様とクロノス様にも来ていたので先にお渡ししておきました。とても喜んでおられました。」
クロノスがここにきていることを知っているなんてさすが悪女ね。でも、あんな女に騙されるなんて私の弟ながら情けないわ。
どんなことをされるかわからないから一応気を引きしまておかなくちゃ。私は準備をするために部屋に帰ろうとしていた時には、クロノスとライアンはもうどこにもいなかった。どうやら二人とも今夜の準備をし始めたようだった。
部屋に帰る途中向かいからライアンが歩いてきた。
「アルティア、お前にも手紙が来たのか。」
「そうだけど、何か問題でもある。」
「お前は絶対に行くな、どうせパーティーの雰囲気を崩すだけの邪魔ものだしな、いくら嫌なことをされても招待状は出すなんてエリスは優しいな。」
「はいはいそうですね、話はそれだけ。私も準備をしないといけないんだけど。」
「とりあえずエリスの嫌がることだけはするなよ。それだけだ」
今まで嫌なことを言われた私だからこれくらいのことでは全く動じない。
非常に悲しい限りだ、悪者にされるために行くなんて。
おそらく私はすでに嫌われているはずだ、それは今の私とライアンの関係ですぐにわかる。できるだけほかの人たちも刺激しないようにしておこう。部屋に帰り服を着替えた後、ひと眠りした。
「お嬢様起きてください。時間になりましたよ。」
ぐっすり眠っていた私を起こしてくれたのは、メイドだった。時間を見ると、私が起こしてと頼んでいたちょうどの時間だった。
「それじゃあ行きましょうか。」
私はそう言って部屋を出た。馬車が迎えに来ているというので、外に出るとそこには馬車はなかった。私と一緒に出てきたメイドも驚いているようだった。
とりあえず私は近くにいたメイドに話を聞いてみることにした。
「ねぇ迎えはどこなの。あとライアンも。」
「もうわけありませんお嬢様、わたくしたちもお止めしたのですが、ライアン様が無理やり馬車を走らせていってしまいました。」
まぁこんなとこは想定内だ、こんなこともあろうかと私にはすでに作戦があった。まず私が一番に向かったのはお父さんのところだ。確か父さんの魔法は瞬間移動だったはず、こっちも無理やり押し切ればいけるはずだ。
「パパお願いがあるの。」
「何だ?アルティアがお願いなんて珍しいな、よしなんでも来い。」
「私をエリスの屋敷まで送ってほしいの本当は馬車があったんだけどライアンが先に乗って行ってしまったから。」
「そんなことかお安い御用さ。準備はいいか?少し間が回るが我慢しろ。」
お父さんがそういうと私足元に魔方陣ができた。するとその魔方陣は光を放ち始め私は目をつむってしまった。
目を開けるとこそはすでにエリスの屋敷の前でパーティーは始まっていた。中に入るともうライアンは到着していて、ほかの馬鹿男たちも顔をそろえて嫌そうに私を見ていた。
「待っていたのよアルティア。」
そう言って私に近づいてきたのは不敵な笑みを浮かべたエリスだった。




