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少しの希望

主人場が別の世界に来てしまいます。

でも、現実を受け入れられないので夢だと勘違いしています。

 「お嬢様起きてください。」

 

 誰かの声が聞こえてきた。お嬢様なんて言う人は私の家にはいない。というか私は一人暮らしだ。両親とは仲が悪く、生活費は出すから別の家で生活してくれと頼まれた。だからこの家には私以外には誰もいない。


 はぁ、ついにストレスのたまりすぎで幻聴が聞こえ始めたか。私はそう思いながら重い瞼を開くと、目の前にはメイドふを着ている女性がたっていた。

 はぁ幻覚まで見えてきた、神様はどこまで私のものを奪えば気が済むんだ。


 まぁこれは夢だ、もうすぐ覚めるだろう。


 「お嬢さま寝ぼけていないで、早く準備をしてください。ダンスの先生が来ていますよ。遅れたらまた叱られますよ。」


 この人は何を言っているんだ、とりあえず私がどんな夢を見ているのか確かめよう。


 「いくつか質問をしてもいいですか。」


 私がそう尋ねてみると、その女性は


 「お嬢様が頼み事なんてしないでください。いつものように命令すればなんでもお教えいたします。」


 なんてしつけられた人なんだ。おそらくこの人はここのメイドなのだろう。


 「あのぅ、ここはどこですか?そして私は誰なのですか?」


 「まだ寝ぼけてらっしゃるのですか?あなたはアルティア=バートン。バートン侯爵家の娘ですよ。それにここはどこかと聞かれてもあなたの部屋のそのものです。」


 その女性は困ったように笑っていた。


 「ありがとう、助かったわ。」


 私がそういうと、さっきまで微笑んでいたメイドがいきなりびっくりした顔で、私を見ていた。


 「お嬢様しばらくお待ちください。今すぐに医者を呼んでまいりますので。」


 「なぜ?このとうり私はぴんぴんしているわ。」


 「そうではありません、お嬢様が私にお礼を言ったことなんて一回もなかったのにお礼を言うなんて、どこか体に異常があるに違いありません。」


 そのメイドはそう言って、私の部屋を勢いよく飛び出していった。

 部屋に一人ぼっちにされてから少しすると、部屋の外からものすごい足音が聞こえた。


 「アルティア大丈夫か!パパとママが来たぞ、安心しろ。」


 部屋に入ってきたのは、私のパパとママと名乗る人だった。そんなこと言われても私にはさっぱりわからない。


 「私たちの名前はわかるわよねアルティア?」


 ママ?が心配そうに私の肩をつかみ言ってきた。

 

 「ごめんなさい、わからないわ。」


 私がそういうとさっきまで私をつかんでいたママ?のちからが抜けてその場に泣き崩れた。


 「アルティア本当にわからないのか?パパはクリスでママはアリスだ。どうだ何か思い出したか。」


 「ああ、思い出したわ。どうやら寝ぼけていたみたい。もう大丈夫よ心配かけてごめんなさいパパ、ママ。」


 私がそういうとさっきまで泣き崩れていたママはいきなり起き上がり、よかったと言って私を抱きしめてくれた。その時私はとても幸せな気分だった、


 「もし私も親に愛されていたらなぁ」


 小さくつぶやいた私の言葉は幸いにも誰にも聞こえなかった。


 「アルティアまた何かあったらいうんだぞ、すぐに飛んで行ってやるからな。」


 「そうよ、私たちは何があってもアルティアの味方だからね。」


 私は生まれて初めてそんなことを言われたのでなぜだかとても恥ずかしくなった。あぁこの夢が一生覚めなければいいのに。


 私のパパとママはあの後仲良さげに腕を組んで部屋を出ていった。少し謎がある、なぜこの夢はなかなか覚めないのか。もしかしたらこれは夢じゃないんじゃないか。とりあえずこの夢が覚めるまで楽しませてもらおう。


 私がまず始めたのは、この世界について調べるところからだった。メイドたちに頼んでたくさんの本を持ってきてもらった。


 それにしても引っかかることがある。バートンという名前は私の好きな少女漫画の登場人物の一人だった、私自身はその子は主人公の邪魔をする悪女だったので嫌いだったが、だからこそ鮮明に覚えている。

  

 しかもここの家族四人のうち三人は名前が当てはまっている。もう一人は私の弟がライアンだったら間違いない。これは私の大好きな漫画の世界ということになる。


 私の想像力はどんどん広がった、その時はまだ私は自分の役を分かり切っていなかった。


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