死神の正体
辺りはすでに真夜中、もうじき私の命を狙いに来るやつが現れるだろう。だが私はまだこの屋敷にとどまっている。その経緯を説明しよう。
手紙には逃げても無駄と書かれていた、それはもうすでにこの屋敷のどこかに潜んでいるということになる。もしそうだとしたら迂闊に外に出ることはできない。もし仮にそれがでたらめだとしても、ここは私の家だ中に入ってこられても頑張れば対処することができるだろう。
さらに今日は両親がいない、どちらも魔法使いではあるのだが特に魔力は弱く移動系や回復系の魔法しか使えないのだ。今思えば、この家庭の中で攻撃魔法を得意とするライアンがいるのはおかしな話になる。
大体子供が魔法を受け継ぐのは親の遺伝子からであり、絶対といいっていいほど攻撃か防御に分かれる。あっでもあの嘘つき女だけは違うよ。
つまり親にも被害を出すことがないということだ。ライアンはほぼぜったい狙われることがない、指示を出しているのはエリスだからだ。
そんなことを思っている間についにその時が来たようだ。辺りから4人の魔力が探知できる、それも相当強いものだ。くそっあの女め、金にものを言わせおって。それより私一人で勝てるだろうか、一人の平均あたりの魔力は私の方が高いようだがましてや相手は4人だ。無駄に連携のできる相手だと勝つのは不可能に近い。もし勝てそうになかったら全力で逃げてやる。
そう心に決めた瞬間、一回の家の扉がドカンと開いたような音が聞こえた。
さて、勝負を始めましょうか。
私は堂々と階段を降りそいつらの前に姿を現した。そこにいたのは私の予想どうりの人物たちだった。
「ついに来たわね、おバカさんたち。最初からあなたたちが来るのは予想していたわ。でもついさっき屋敷の外であなたたちの魔力が探知できたから確信に変わったの。でもね簡単に私に勝てるとは思わないでね、一対一なら私の方が上なのだから」
そう、私の命をさらいに来たのはライアンを除くあのバカ5人組なのだ。侯爵家の子息は分かるがこの国の王子まで来るとは世も末ですな。さっきまで余裕のセリフを吐いていた私だがさすがにこれはやばいと思う。こいつらは小さいころからの幼馴染で稽古も一緒にしていたのだ。
よし作戦変更だ、頑張って持ちこたえてすきをついて逃げよう。もしライアンが起きてきたらそれこそ大変なことになる。
私は動揺を隠すだけで精一杯である。
するとバカ王子のキュロスが口を開いた。
「お久しぶりです、アルティアさん。おとなしく死んでいただけませんか?今日の午後にエリスが私たちに泣きながらもう無理だといってきたのですよ。エリスが我慢している間は私たちも行動を起こさないようにしていましたが、これまでのようですね」
さすがだね、これから人を殺すというのに少しのためらいもない。愛のちからとは本当に怖いものだね。
次にクロノスが話し始めた。
「おとなしくしていてくださいね」
なんて冷静なんだ、いっけんおとなしそうに見えて頭の中では危ないことを考えてるに違いない。
次にアリエスが話し出した。
「エリスの頼みなら何だって聞きます、たとえあなたを殺すことでも」
はいはいそんなの分かってますよ。従順な犬をお持ちですねエリスさん、尊敬しますよ。
最後に口を開いたのはエドガーだ。
「すみませんアルティアさん」
思ってもいないことを口に出すんじゃありません。
「お前たちこんなところで何をしているんだ」
あれもう一人いたっけ、ライアンは寝ているはず何にっ、てライアン!なんでこんなところにいるのよますます私の生存確率が下がったじゃないの。
予想外だったライアンが起きてくるなんて、これじゃあさすがの私でも逃げることすら難しくなってしまった。ライアンはバカ王子と同じくらいの力を持っている、そんなのが二人もいたらどうやって逃げろっていうのよ。
あれ?でも待てよさっきのライアンの話し方からすると、ライアンはこいつらがここに来ることを知らなかったということになる。
「ライアンお前も手伝ってくれ、エリスからの頼み事だ。これからみんなでアルティアを始末するぞ」
真っ先に口を開いたのは王子であった。
「はぁ何言ってんのお前ら、俺はアルティアを守るためにここにいるんだけど。早くお前たちも本当のことを知れるといいな」
今なんて言った?私を守る?いや聞き間違いではないはず、まだあのナイトごっこが続いていたんだ。これで勝率も上がりそうよ、でもまだ油断しちゃだめよアルティアもしライアンの言っていることが嘘だとしたら、背後を取られて
一発よ。
でも今は信じるしかない。
「いくらお前でもそいつの味方をするなら容赦しないぞ」
「望むところだぜ」
どうやら本当に私の見方をしてくれるようだ。でもあまり有利とはいえない、でもこれで逃げることはできそうだわ




