冒険者編 エピローグ 破綻
【シーン①:ガレリウス】
そこには老人の遺体が転がっていた。
百歳を超えた面持ち。深い皺と白髪。
それが、ガレリウスだった。
海底洞窟は静寂に包まれていた。
主を失った空間だった。
レオンはヴェリスに歩み寄る。
ヴェリスは動かない。
縄を解く。反応はない。
かすかに、内部が動いている。
止まらない。完了もしない。
「連れて帰る」
レオンは静かに言った。
ガウィンの視線が、貯蔵された剣へ向いていた。
主なき今、それを咎めるものはいない。
しかし、ヘレナが首を振る。
「盗みは見たくない」
帰還の魔道具が光を放つ。
レオンの手が、ヴェリスの手を包む。魔道具に、共に触れる。
光が消えた。
動くものは、ない。
【シーン②:ユスティア】
ユスティアが、海底洞窟に現れたのは、数日してからだった。
洞窟内を見渡す。
床の破損、焦げ跡、魔法の残滓。
そして老人。
すべてを観察する。
読み取る。
「ガレリウスは死に、ヴェリスは壊れた」
ユスティアは考える。
ヴェリスは排除対象だ。
だが、壊れたなら優先度を下げてもよい。
――それより、優先すべきものがある。
どこか遠くを見つめる。
答えが、定まらない。
ユスティアは、海底洞窟から去った。
動くものはない。
ただ、遺物だけが残っていた。
これにて「冒険者編」は終了となります。
最後までお読みいただきありがとうございます!
もし「面白い!」「続きが気になる」と思ってくださったら、
★や感想で応援していただけると、執筆の励みになります!
次回から、「革命編」へ入ります。
また、革命編の予告動画も作成しましたので、
よろしければあわせてご覧ください。
https://youtube.com/shorts/WRIl3m-KPUQ
--------------------------------
◆冒険者編 設定資料◆
【主要キャラクター】
・レオン・ライナー
年齢/外見:16歳の男性
性格・特徴:冷静な分析家。人間関係が苦手。言葉少な。魔力の器を損壊して魔力半減。ヴェリス経由で強力な魔法を使う。
役割・関係性:主人公。パーティーリーダーとして分析と的確な指示をする。
・ヴェリス
年齢/外見:フード付きローブで身を隠す。自律行動する人形型魔道具。
性格・特徴:感情は持たないように見える。ほかに人がいないなど、レオンが許可した場面以外では声を出さない。
役割・関係性:パーティーのサポーター。マスターであるレオンに従う。レオンが高出力魔法を使用するときに魔力を提供する。
・ガウィン
年齢/外見:レオンより少し年上の男性。青髪の長髪を後ろで束ねている。
性格・特徴:明るく常に笑っているが、戦闘狂。深く考えない。踏み込みと剣速が速い。
役割・関係性:パーティーの前線を一人で担う。レオンの戦術眼を高く評価している。
・ヘレナ
年齢/外見:レオンよりちょっと年上の女性。赤褐色のショートヘア。
性格・特徴:しっかりした性格だが、おせっかいな面もある。投げナイフが得意。
役割・関係性:パーティーの斥候。財政担当。レオンの戦術眼を高く評価している。
・ ベルゲン
年齢/外見:40代男性。渋オジ。
性格・特徴:慎重かつ寛容。死なないことを絶対条件とするプロの冒険者。リスクヘッジがうまく、若手育成に定評がある。
役割・関係性:レオンの初期パーティにおけるリーダー。斥候。
・ザッハ
年齢/外見:魔族とヒト族のハーフ。外見上は10代の女性。ツインテール。
性格・特徴:さっぱりした性格。理屈ではなく直感で判断するタイプ。魔族ハーフとして虐げられた経験から、困っている者を見過ごせない。
役割・関係性:ヘレナの友人。ザッハファミリーのボス。
・バット
年齢/外見:純血魔族。外見上は青年男性。細身・長身/黒系の装束
性格・特徴:何事にも動じない。感情ではなく、効率で判断する。目的のためなら手段を選ばない。
役割・関係性:ザッハの参謀。
・フェルシオーネ
年齢/外見:エルフ。外見上は成人女性。年齢不詳(300歳ぐらい?)。エルフであることを隠すため、魔法で認識阻害をしている。
性格・特徴:使命感、正義感が強い。理解力が高い。魔力と弓技に長ける。
役割・関係性:ヴェリスを探してレオンパーティに接触する。
・ガレリウス
年齢/外見:黒髪を短く刈った青年に偽装している。実態は白髪長髪の老人。千年以上を生きる。
性格・特徴:強欲。変わらないもの、完璧なものを愛する変質者。伝説の三賢者のひとり。
役割・関係性:ヴェリスを欲し、ユスティアを引き出して奪おうとする。
・ユスティア
年齢/外見:神族。外見上は青年男性。白い一枚布を纏うような衣装。マットな栗色の長髪。
性格・特徴:冷酷。感情がないように見える。目的意識が非常に高い。
役割・関係性:ヴェリスを危険と判断し、排除しようとする。
【魔法】
・ピング
探知魔法。風属性音魔法の一種。反響音で空間などを探知する。
・ブラスト
爆炎魔法。
・グレイブ
真空魔法。横薙ぎの真空の刃を飛ばす。
・ゾリド
武器の切れ味を上げる魔法。
・エグルス
指定された場所に帰還する魔法。
・グラキランス
氷の槍を生成する魔法。
・イグニス
炎と光の両属性を同時に発動させる照射型攻撃魔法。クラウディアの特有魔法「レイ」を参考にレオンが開発したオリジナル魔法。魔力消費が激しい。
・フムス
煙を生成する魔法。
・フラムランス
炎の槍を生成する魔法。フラムボルトの上位互換。
・レイディア
光魔法の属性名。
・フランマ
火魔法の属性名。
・セルト
「感覚に特化して」の拡張条件。
・グラキアーレ
「凍結させる」の拡張条件。
・ヘリクス
「螺旋状に」の拡張条件。
【その他】
・商都ラインバッハ
王国でも有数の規模であり、流通の要。
冒険者相手の情報や依頼も多い。
・冒険者
街の治安維持などの領主の業務以外の、数々の雑務を行う。
具体的には、街の外をゆく商隊の護衛、遺跡調査の護衛、魔獣排除といった荒事から、素材採取、人探し、ダンジョン探索なども行う。
等級は上からマスター、ダイヤ、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズに分かれている。
・ダンジョン
罠あり、徘徊する魔物あり、宝箱あり、そして最深部にはボスがいるというのが基本構成。
ダンジョンの中で死亡したものは、ダンジョンに取り込まれる。
ボスが倒されると、ダンジョンは急速に崩壊する。
吹き溜まった魔力をもとに誕生し、そこに群がる人や魔物の死体や魔石を吸収して成長するといわれ、それ自身が巨大な魔物だという説がある。
・ヒト族
世界人口の約80%を占める種族。
圧倒的多数派のため、様々な基準とされる。
平均寿命は約60年。
先天的に魔法が使用できる。
・ビーストマン族
世界人口の約10%程度。
獣要素を持つ人型の人種。
平均寿命がヒト族の半分程と短い分、成長が速い。
ビーストマンと括られるが、猫系と犬系など種類がいる。
ヒト族と比べて、筋力や感性が発達している反面、思考力が劣る。
固定文言による詠唱を感覚的に行うことで、比較的高速に魔法を使用する。固定文言のため、魔法の応用性は低い。
・ドワーフ族
世界人口の約5%。
低身長で体幹から四肢に至るまで全体的に太い。男性は髭を生やす習慣がある。
寿命はヒトと同等(約60年)。
ヒト族とは友好的で、外見的差異も少ないことから相互に迫害の考えはない。
魔力量が低く、部族によっては魔法を嫌う文化も存在する。工学・魔道具に強み。
鍛冶仕事に長けていることでも知られる
・エルフ族
世界人口の約5%。
長身痩躯が多い。耳が長くとがっている。
平均寿命が数百年単位。長寿になると樹と同化する。
基本的にヒト族とは非干渉で、森に隠れ住む。
魔力量がヒト族と比べて多く、高度な魔法を操る。
使用する言語に魔法詠唱が自然と含まれると言われる。
・神族
伝説的な存在。外見的にはヒト族と差異はない。
他種族(ヒト族、エルフ、ドワーフ、ビーストマン、神族含む)は神族を威圧敵な存在として本能的に認識する
ヒト族と比べて強大な魔力量を持ち、詠唱なしで魔法を行使できる。
魔法は特殊なことではなく、動作の延長でしかない。ほぼ無意識に魔法を使用する。むしろどんな魔法なのかなど、言語化できない。
神族共通の思想は「神が世界の秩序を保っていると考えている。安定こそが正しい。世界の変革を阻止しよう」
・魔族
伝説的な存在。外見的にはヒト族と差異はない。
他種族(ヒト族、エルフ、ドワーフ、ビーストマン、神族含む)は魔族を脅威的な存在として本能的に認識する
ヒト族と比べて強大な魔力量を持ち、詠唱なしで魔法を行使できる。
魔法は特殊なことではなく、動作の延長でしかない。ほぼ無意識に魔法を使用する。むしろどんな魔法なのかなど、言語化できない。
魔族共通の思想は「神は変革を求めている。世界をどんどん変革させよう。安定は世界を静かに終わらせるだけだ」




