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マギ・エンジニアリング  作者: 竜屋
魔術学院編
44/111

魔術学院編 エピローグ 冬

【シーン①:帰途】

 窓の外は深々と積もった雪景色だった。

 それでも、王族御用達の馬車の乗り心地は快適だった。

 進みは滑らかで、揺れも少ない。

 

 レオンはぼんやりと外を見ていた。

 

 

 あれから三日ほど、レオンは昏睡していた。

 冬季帰省の出発は、最後となった。

 

 マルセルもギリギリまで残った。

 しかし、郷里の領主が手配してくれた馬車を待たせるのにも限界があった。

 

 クラウディアも王族としての多忙の合間に、何度か面会に来てくれた。

 だが、冬の都への移動予定は覆せない。

 

 学院に残るヴォルフのみが、レオンの見送りに立った。

 

 

 身の回りのことはすべてマルタが整えていた。

 レオンは促されるまま、馬車に乗る。

 暖房完備の大型馬車は、クラウディアが手配してくれた。

 

 故郷アイゼンヴァルトまでの長旅。

 

 何を考えればよいのか。

 

 制御のこと。

 失われた魔力の器のこと。

 これからのこと。

 

 しかし、どれもぼんやりとしていた。

 

 

 王都ヴァルデンブルクはすでに見えなくなっている。

 

 厚い城壁。

 整頓された石畳。

 校舎。

 すべては、レオンの記憶の中にのみあった。

 

「坊ちゃま」

 マルタが携行カップで茶を薦める。

 立ち上る湯気で、窓が曇る。

 

 レオンはカップの温かさを手で確かめる。

 カップに口を寄せた。

 体の内側にも温かさが伝わる。

 

 

 あの時。

 体の内側で、何かが割れた。

 

 あの音。

 

 嫌な音だった。

 

 

 思わず身震いする。

 

「坊ちゃま」

 マルタが心配顔で手を差し伸べる。

 無言で制する。

 

 自分の体を、強く抱き締めた。

 

 

 雪が降っている。

 馬の蹄と、轍だけが雪の上に続いてゆく。

これにて「魔術学院編」は終了となります。


最後までお読みいただきありがとうございます!

もし「面白い!」「続きが気になる」と思ってくださったら、

★や感想で応援していただけると、執筆の励みになります!


次回から、「喪失編」へ入ります。

また、喪失編の予告動画も作成しましたので、

よろしければあわせてご覧ください。

https://youtube.com/shorts/E9H2lxqKnJ8


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◆魔術学院編 設定資料◆

【主要キャラクター】

・レオン・ライナー

  年齢/外見:入学時は12歳の少年

  性格・特徴:理論特化の効率厨。冷静な分析家。人間関係が苦手。

  役割・関係性:主人公。一般科の問題児。図書室に入り浸る。魔力量40。

・マルセル・デュボワ

  年齢/外見:入学時は12歳の少年。プラチナブロンドのくせ髪。長身痩躯。

  性格・特徴:自己肯定感がかなり低い。根は優しく、素直だが、卑屈。人間関係が苦手

  役割・関係性:レオンの同質。地方農村出身の一般科。魔力量が貴族並みのため特例入学。魔力量80。

・ ハインリヒ・ヴォルフ

  年齢/外見:20~30代男性。厳しい目つき。

  性格・特徴:厳格で現実的。観察力が高い。言葉数は少ないが的確。元軍属で実戦経験あり。

  役割・関係性:講師。レオンの父を知る。実は遠戚。

・クラウディア・フォン・ヴァルデンブルク

  年齢/外見:レオンの一つ上。金髪縦ロールの美女

  性格・特徴:明るく明瞭。冷静かつ合理的。成績優秀。絵に描いたような王族の姫君。

  役割・関係性:レオンの先輩。高出力+高効率+安定。レオンの優秀さを評価している。魔力量120。


【魔法】

・グラヴィクス

  ドルトの特有魔法。指定の箇所に重力を発生させる。

・幻影魔法

  レオンのオリジナル魔法。幻影を投射する。

・コルツ

  身体強化魔法。すべての身体能力を向上させる。

・パリィ

  衝撃を逸らす魔法。

・シールド

  衝撃を受け止める魔法。

・アブソーブ

  衝撃を緩和する魔法。

・レイ

  クラウディアの特有魔法。高圧の白い光を照射する。

・アップ

  「上昇させる」の拡張条件。


【その他】

・魔法

  火、水、風、土、生命、光の六つの属性を持つ。

  詠唱で属性と魔法の定義と属性を構造化し、魔力を注入することで発動する。

  様々な種類、特徴があり、秘伝とされる特有魔法も存在する。

・魔道具

  設置型魔法を行う道具。

  魔力を充填した魔石を使用し、一定の魔法を行使し続けるための道具。

  詠唱が刻まれており、該当する詠唱を起動させること、魔石の魔力で動く。

・魔石

  魔力を蓄え、外部へ供給することができる石。

  小さくても魔力をかなり蓄積でき、例えば魔導灯であれば、小指の先ほどのサイズが組み込まれており、それで一日以上は点灯する

  魔法効率や精度をあげるために、魔導具の一部として詠唱を刻むのが常識。

  ダンジョン最深部などに生息する強力な魔獣の体内や魔力が吹き溜まる鉱脈などで採れる。

  入手困難なため、かなり高価。

・王立ヴァルデンブルク魔術学院

  魔法を学ぶための全寮制の学校。

  王国には、王都と冬都ヴィンターヴァルトの2つしかない。

  4年制で、1学年40人(上級科10、一般科30)の狭き門。

  支配層・戦力候補の育成の上級科と、 社会インフラを担う実務層育成の一般科に分かれる。


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