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第47回:半身半生の英雄

蔵の屋根の端で耐えていた龍馬だったが震える足が限界を迎え、無様に真っ逆さまに転落した。その際、執念で追ってきた刺客が放った手裏剣が背中に突き刺さる。だが、本人は地面に叩きつけられた衝撃と恐怖で意識を失い白目を剥いて奇妙な形に転がった。

そこへ、息を切らした刺客たちが屋根から飛び降り追い付いてきた。

「……いたぞ。動くな! 坂本、観念しろ!」

刀を突きつけるが龍馬は、完全に沈黙している。刺客の一人が龍馬の背に深く沈んだ手裏剣と、そこから広がる鮮血を見て息を呑んだ。

「……指一本動かさん。この出血、そしてこの絶望的な姿勢。もはや我らが手を下すまでもなく、五臓六腑が裂け絶命したに違いない」

(……マヌケな格好で気絶してるけど、この傷は笑えないよ。アンタたち、とんでもないお土産を残してくれたね……)

タマは三本の尻尾を逆立て、龍馬の顔の横で悲痛な声を上げた。

「……あの化け猫が、悲しげな声で弔っている。間違いない、坂本は死んだ。引き上げるぞ!」

刺客たちは坂本龍馬の呆気ない最期に納得し、闇へと消えた。静まり返った路地でタマは冷たくなり始めた龍馬の頬を必死に舐め続けるのであった。

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