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第42回:世界への夢

中岡との熱い議論?というより中岡一人の熱弁を終えた後、龍馬は机に広げた世界地図を眺めていた。しかし、その頭にあるのは国家の防衛ではなくタマとのこれからの暮らしだった。

「タマ、見てみい。この島は形が煮干しに似ちゅう。ここに行けば美味いもんが食えそうぜよ。ここは波が静かそうじゃき、おんしゃあを背中に乗せて泳げるかもしれん」

龍馬はワクワクしながら、タマと一緒に巡りたい理想の旅先を筆で繋いでいった。

「ここを通って、ここへ寄って……よし、これなら誰にも邪魔されん。わしらだけの自由な航路ぜよ!」

翌朝、その落書きだらけの地図を海援隊の隊士が発見した。

「……これは! 敵の目を欺き、最短で世界を繋ぐ完璧な戦略航路図だ! 坂本さんは、もう日本ではなく世界と戦う準備を整えている……!」

「……ただのピクニック計画表なんだけどね。あんた、その線を海軍が使ったら全艦隊が煮干し型の島に集結しちゃうよ」

タマが呆れて地図の上の墨を舐める中、龍馬の個人的な自由への渇望は、日本海軍の夜明けを導く指針として大切に保管されてしまうのであった。

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