第五話 初任務
〈けあ視点〉
──融合。
その単語が何を意味しているのか、メモをする必要があるのか、という疑問が脳裏を掠めた。
しかし、わざわざ俺が気にするほどの物でもなかったので、そのまま地面に置いてさっさと帰ろうと考えた。
そう、考えたが……
本当に、偶然。
夕陽によってその紙が照らされ、裏側が透けた。
そして次の瞬間、あまりにも奇妙なものを目にすることになる。
すぐにその紙を裏返す。
──そこに、あったのは。
見覚えのある “青い数字と記号の羅列” 。
その“文字”は赤い夕陽にさらされ、より不気味に輝いていた。
……似ている。
あの時のやつと、似ている。似すぎている。
あの推薦状に書かれていた、青い文字。
……もし、この紙に書かれているものと推薦状の文字が同じなのだとしたら。
一体、何の関係性があるのだろうか?
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部屋に戻ってすぐ、ベッドにダイブした。
そして枕に顔をうずめて「なあああ」と叫んでみた。
今までこうすることで日々のストレスを解消してきたのだ。
しかし、今回はストレス解消の目的ではない。
ポケットの中を漁り、さっき道で拾ってきた謎の紙を取り出す。
さっきよりも輝きが鮮明に見える。
机の上に紙と推薦状を置き、見比べてみた。
文字の輝きや色、光の反射まで同じだ。
やはり関係性は深いのだろう。
とりあえずボスにでも聞いてみようか。
答えてくれない可能性の方が高いかもしれないが、反応や態度からわかることもある気がする。
よし、決まりだ。
適当に晩飯でも食べながらゆっくり思考を整理して、ひと段落ついたらボスのところに行ってみよう。
足を大きく振り上げ、ベッドから出た。
そして部屋の扉を開け、食堂へ急いだ。
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食堂の中は人が多く、騒がしかった。
談笑をしている人もいれば、酒の酔いに任せてガヤガヤしている人もいたり、謎の喧嘩をしている人もいる。
そんな人たちを横目に、食堂内を徘徊する。
空いている席は無いかと探していると……
「……あ、けあ」
と、声をかけられた。
振り返ると、そこには見慣れた人物が立っていた。
「お?ソウマか。さっきぶりだな」
かなり早い再会だった。
それに、また食堂で顔を合わせるとは。
「せっかくだし、一緒にたべない?席はとってあるし、こっちも話したいことがあるから……」
“一緒に食べる“……か。
正直、この問題については一人でじっくり考える予定だった。
だが、こんなところで考えても大した成果は得られなさそうだと薄々感じていたのも事実。
そうだな、お互いを知って関係を深めるためにも……
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
そう答えたとき、ソウマの顔が一瞬明るくなった気がした。
二人で天丼を頼み、向かい合う形で席についた。
「オレらのグループのことなんだけど……」
ああ、そういえばそんなものを決めていたな。
メンバーはたしか、俺とソウマ、そしてエミだったか。
「名前、どうする?」
「名前?」
「グループ名」
グループ名。そんなのを決めないといけないのか。
“どうする”と言われても、あまり思いつかないな。
「グループ名か。エミにはなんか聞いてるか?」
「いや……そうか。じゃあ今度、三人であつまったときにでもきめよう」
「ああ、そうだな。じゃあ、次会うときまでに考えといてくれ」
「……うん。エミにも伝えとく」
うんうんそれがいいよ。
グループって言うからには、できるだけ“三人”にこだわって行かないとな。
「そういえば、ソウマ」
「……うん?」
ここから俺は、ソウマについて色々と聞いてみた。
例えば、「エミとはいつ出会ったのか」とか、「特技はなんだ」とか。
ルゴン族や家族についても。
親睦を深める手段が思いつかなかったため面接のようになったが、その意図が通じたのか、彼は全て答えてくれた。
ソウマのことについてまとめると……
まず、彼が組織に入ったのは、五歳でルゴン族を単独撃破したことが組織の人間に見られていたから、とのことらしい。それで推薦状が送られ、今この場にいると。
エミと知り合ったのは食堂らしい。俺と同じだ。
そして、あとは俺と同じ感じでグループにスカウトされて……という流れだ。
エミもソウマも、俺の先輩ということか。
「けあは、なんですいせんされたの?」
「いや、それがさ……」
推薦された理由。
俺自身もなんで推薦されたのかは知らないが、とりあえず「“キミカ”という人がボスの命令で俺を呼んだらしい」的なことを言った。
そして、ルゴン族との戦いでは大して何もしていない、とも。
「ふーん。なんか、ユウグウでもされてる?なんかしたの?」
「優遇?」
「うーん、なんていうか、けあそのものを欲しがってる、的な」
「なるほどぉ……」
“けあそのものをほしがっている”か。見落としていた可能性だ。
俺という存在そのものが鍵になっている……か。
うん、確かに。絶対に違う、とは言い切れない。
というより、そうじゃないと、実績も何もないガキを組織に入れるなどあり得ない話だ。
それに、もしそれが当たりなら、前世の記憶を取り戻す鍵にもなるかもしれない。
「……お前、天才か?」
「ボンサイだよ」
またまたご謙遜を。
ここで変に見栄を張らないのを見ていると、“こいつ本当に六歳か?“と思う。
今度、キミカにも言ってみよう。
……キミカという単語で思い出した。
そうだ、ソウマとエミに聞いてみたいことがあったんだ。
「ソウマ、変なことを聞くけど……」
「うん。なに?」
「推薦状の厚さって、どのくらいだった?」
推薦状に書かれた青い文字の有無の確認。
もとから聞こうと思ってはいたが、さっきのソウマとの会話で、よりこの作業に意味が生まれた。
「あつさ?厚さって……数ページくらいだったよ」
「数……ページ?」
思わず腕を組む。
数ページか。そうか、数ページしか無かったのか。
うーん……となると、あの変な数字の羅列は俺にだけ書かれていた、ということか?
もしかして、ソウマの仮説って割と当たりなのではないか。
「……けあは、ページ数ちがったの?」
俺が考え込んだのを察したのか、真剣そうな顔でこちらを見ている。
そんな彼に、俺は包み隠さず、ゆっくりと息を吐くように言葉を発する。
「……数百ページくらいあったよ」
ため息が混じり、大げさに困り果てたような情けない声が出た。
「えぇ、ロコツだなぁ……ていうか、そんなに読んだのすごいね。オレにはできないと思う」
「いや、推薦状は多分、みんなと同じで数ページくらいなんだ。ただ、まあ、その後ろにこんな感じの文字がずっと続いてたんだ」
そして、ポケットから例の落とし物を取り出す。
不気味なほど青白く綺麗に輝いている姿は、依然として変わらない。
「うわ、なんだこれ」
思ったことが心から出たような感じだ。
妙なものを見るリアクションとして満点の反応、素晴らしい。
「これもおかしいんだが、実は道に落ちてたのをたまたま拾ったんだ」
「……たまたま、スイセン状と同じものが書いてある紙をひろったの?」
「ああ、最初はただのメモかと思ってたんだが、裏を見たらこれだ」
文字を指で軽く叩く。もちろん、何も起きない。
「なんかけあってさ、運がいいよね」
「運がいい?」
「だって、“たまたま”この組織に来たんだし、“たまたま”そのメモを拾ったわけでしょ?さらにそれが、“たまたま”カンレンセイのあるものだった……て。色々、うまくいきすぎでしょ」
本当にそれは、俺も感じていることだった。
あまりにも都合が良すぎる。
このまま行って、大丈夫なのだろうか?
「……まあ、ボスにでもきいてみるといいよ。たしか今日だったよね?ボスと会うのは」
「え?そうなの?」
初耳だ。だが、これもまた都合がいい。
「何で呼ばれたんだ?」
「なんか、初任務なんだって。オレらの」
初任務。
ということはつまり、ようやく組織として本格的な活動が始まるってことか。
一気に気分が高まってきた。
「ええと、俺とソウマとエミの三人か?」
「ううん。もっといるよ。たしか、オレらのグループ合わせると、四グループくらいだったかな」
「そんなに大人数で…」
「初任務はオレらだけで、しかも子供だからね。しかたない」
そう言われるとそうな気がするな。
「まあとにかく、きょうの夜にボスのとこ集合だから。そのときにでも聞いてみたらいいんじゃない」
そう言い、彼は席を立った。
いつのまにか天丼を食べ終わっていたらしい。
……あいつ、食べんの早いな。
早歩きで去ってゆく彼に手を振りながら、急いで残りの天丼をかけこんだ。
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晩飯を食べたあとは、ボスのところへ直行することにした。
彼が駆け足で食堂から出ていくのを見て、時間がかなりギリギリなのだと悟ったからだ。
ボスの部屋前に到着し、扉を開ける。
予想通り、ボスの机の周りにはかなりの人数の人が集まっていた。その中にはソウマとエミもいる。
「すみません、遅くなって……」
頭を下げながら、自分もその輪に加わる。
「問題ない。今から始めるところだ」
ボスは座りながら答えた。
“今から始めるところ”か。恐らく、もっと早く来た方が良かったかもしれない。
「………そろそろ、彼女も来る頃ですね」
右側に立っている女が言った。
彼女って、誰のことなん……
「ボス〜、すみません遅くなって」
ああ、こいつも来るのか。
来たのはキミカだった。解釈一致だ。
「……セーフですか?」
「アウトだ。すでに始まる時間は十秒過ぎている」
キミカはその言葉を聞いて「腕時計では四十秒前だったんだけど……」だとかぶつぶつ言っていた。
十秒過ぎてる…ということは、俺もかなりギリだったってことか。危ない危ない。
「では、今回の任務内容を説明しよう」
ボスが口を開いた。その場にいた十二人に、わずかに緊張が走った。
「今回は、ルゴン族の襲撃に遭った村の手当てと、そのルゴン族の討伐だ」
「人助けと討伐の複合か。そんな危険なミッションをガキにやらせるのはどうなんだ?」
ある男が言った。真っ当な意見である。
「問題ない。それに華音、こいつらは決して弱くない」
弱くない?バカな、俺は能力すら持ってないんだぞ。そんなやつを任務に向かわせるなど、組織にとっても村にとっても良いことがないじゃないか。
そういえば、エミやソウマは能力を持ってるのか?
「それでボス、具体的な任務場所はどこでしょう?」
ある女が言った。真っ当な疑問だ。
「ヨートル村だ」
『ヨートル村!?』
聞いたことがない村名だ。
みんなの反応的に、何か危険があるのだろうか。
「ヨートル村って、ここから二年かかりますよ!?」
さっきの女が言った。そしてその言葉を聞いたとき、流石に耳を疑った。
二年かかる、だと?
片道二年、ということか?そんな遠くの場所まで行くのか?
一応六歳なんだが……。
流石に俺へのメリットが無さすぎるな。経験は積めるだろうが、最終的な目標のためにいるかと言われると、微妙だ。
辞退しようかと思っていると、ボスがとあることを言った。
「……実は、白夜 明紀との連絡がここで途絶えたんだ」
「……は?」
思わず、そう言ってしまった。
いや、おかしいだろ。なんで二年かかるような場所に父さんがいるんだよ。
待て、ということは母さんも?
「すみません、父さ……明紀は、なぜそんな場所にいるんですか?妻の救出に向かったのだと聞いていましたが……」
「けあ、伝達が遅くなってすまない。お前の父が妻を助けていたのは事実だ。だが……」
間をおいて、告げた。
「恐らく、明紀は蓮香を連れ戻す途中にルゴン族による襲撃に遭った。それで、この場所まで拐われたのだろう」
それはつまり、この十二人で村を助けながらルゴン族を討伐し、さらに連れ去られた父さんと母さんを見つける、ということか?
正直、タスクが多すぎる気がする。かなり無理を言っているような……
「……ただ、ボス。あの明紀さんが襲撃に遭い、そして誘拐されたなど、考え難いことです」
ある男が言った。
「ルゴン族の実力は未知数だ。それこそ、王獣級ともあればなんとかなったかもしれん。だが、相手がさらに上の場合、もしくは能力を持っている場合だと、そうはいかなくなる」
たしかにそうだ。それに、殺さずに連れ去っていったということを考慮すると、相手は目的のために動いている気がする。知能もある可能性が高い。
それこそ、あのとき遭遇した王獣級とは比にならないくらい。
「今回はかなり難題だ。なにせ、手がかりがあまりにも少ないからな。という訳で、今回は俺も同行しよう」
沈黙が流れた。
今、なんていった?“俺も同行する”だって?
恐らく、この場の全員がそう思っているだろう。
ボスが同行することがあるのか?
「ボス。あなたの仕事は、組織スマイル本部の警備と指示。同行など出来る立場ではありません」
ある男が言った。真っ当な意見である。
「問題ない。俺の代わりは副組織長の黒谷が務める」
黒谷……。
どこかで聞いたことがあるな。
たしか、どっかの店で会ったっけ?
あいつそんな立場だったのか。
「……しかし、ボス。四年以上も長が消えるなど、異例です。そんな長い期間を副組織長に任せるというのは、やはり無謀かと。それに……そうだ!今はアトラスが……」
「あいつにだって、経験はあるんだ。アトラスの中であっても、組織を支えることは容易だろう。それに、組織の中でもトップクラスに実力のある明紀が消えたとなると、こちらとしても痛手だ。なんとしてでも連れ戻さねばならない」
「しかし……」
「俺はボスに反対だ。色々と問題が集中してる場所で、ガキ三人を守りながら戦うとか、相当な実力者でもいねえ限り無理だ」
やっぱり俺らが足枷になってるじゃないか。
辞退させてもらおうか。出来るかわからないけど。
しかし、次に口を開いたのは俺ではなかった。
「あの、もしオレらがジャマになってるなら、抜けさせてもらっても……」
ソウマもやはり、同じことを考えていたか。
エミもそれに頷く。
他の者達も、腕を組んだりしながら考えている。
少しの沈黙が流れたが、それはすぐに打ち破られた。
「私は、けあさん達にはついてきてもらった方がいいと思います!」
キミカが言った。
その場にいた十二人の脳内が疑問符で埋め尽くされた。
「ついてきて“もらったほうがいい”」。
俺らが同行してメリットがあるのだろうか。
「キミカさん、理由を聞いてもいいですか?」
ある男が言った。
「まず、彼らが推薦された人間、というのはご存知かと思います。私は、今はこの三人の推薦担当として機能しているので彼らの能力が分かるのですが…」
彼女が言った内容はこうだ。
まず、俺らが足枷にならない理由を説明した。
能力について言及していたので言っておくと、
エミの能力が “運を操る能力” 。
ソウマの能力が “対象の何かを封印できる能力” 。
俺の能力は……未確定だが、過去の傾向的に “防御系の何か” である可能性が高いらしい。
どれも、育てれば化ける能力だ。俺以外はな。
さらに、運を操る能力は、本人だけでなく周りにも大きく貢献してくれる。
いることで損をする存在ではないだろう、と。
さらに、ボスが同行するなら俺らを守る必要もあまり無いのでは、という意見も出た。
副組織長に任せるという話も、今回は異例ではあるが、件数がゼロではないらしい。
また、黒谷は、アトラスの中でどこかの組織長を務めていた時期もあるので、それなりに代役は務まるだろうと。
「そういう考えなんですが……やっぱり無理すぎますかね」
キミカは不安そうに言った。
「まあ確かに、ボスがいる限り誰かが欠けるということはないでしょうね。ただ、やはり心配です」
女が言った。
“心配”というのは恐らく、組織本部の方を置き去りにしたく無いのだろう。
今までの彼らの発言から、ボスは相当信頼されていることがわかった。だからこそ、そんなボスには組織を優先してもらいたいのだ。
「ボスがいない間に襲撃でもされてみろ?変な指示でも出されれば、すぐに壊滅する。ボスがいなくなるというのは、それほどリスクが高いことなんだ」
別の男が言った。
確かにそうだ。上の人間がわざわざ一つの依頼に固執することは無い。ボスは何を考えているんだろうか。
「……その信頼できるボスは、“同行する”と言っていますが」
キミカが言った。
その発言を聞いたとき、しばらく沈黙が流れた。
何かを考えているようだ。
その沈黙を打ち破るように、“考えることは許さない“と言わんばかりに口を開いたのは、ボスだった。
「まあ、俺は、誰がなんと言おうが行く予定だ。お前らが俺をどう買い被っているのかは知らないが、この現状を逆手に取らせてもらう」
要するに、答えは“ はいかイエスしかない” という訳だ。
「翌朝、南門で集合だ。どのルートを使うかは、明日までに俺が決めておこう。今日のところは終わりだ。異論がないのなら、帰って明日に備えろ」
その場にいた全員が頷き、各々が頭を下げて扉を出ていく。
俺たち三人も、その後に続いて廊下へ出た。
なんで、ボスはあんなに行きたがったんだろう?
……まあ、今はいいか。
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部屋に戻り、ベッドへ飛び込んだ。
枕に顔を押し付け、「なああああ」と叫ぶ。もちろん、たいした音量は出ない。
枕を持ったまま仰向けになった。
そして、父さんのことを考える。
“生きている” とは言っていなかった。だが、“死んでいる” とも言っていない。
生死がわからない状態なのだ。
それなのにも関わらず、俺は「死んでいるかも」とは考えなかった。
多分、他の人も同じだ。
それほど、明紀に対する信頼が厚いのだろう。
まあ実際、父さんならなんやかんやで生きていそうではある。
明日くらいに母さんを抱えて帰ってきても、不思議ではない。
……そういえば。
ポケットを探ってみる。
中からは、“融合” と書かれた紙が出てきた。
青い輝きを発している。
あの会議のとき、間違いなく “しくじった” と言えることが一個ある。
そのことを、この紙が証明していた。
「……聞くの、忘れた」
隠しようのない、事実だった。
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──翌朝。
出発の準備をして、南門へ出向いた。
懐かしいな。たしか、ルゴン族と初めて会ったのもここだったっけ。
まあ、本格的な懐かしさを感じれるほどの月日は経ってないがな。
南門には、昨日見た全員が揃っていた。
つまり、彼らは俺のせいで遅れたということだ。
「すみません。遅れてしまって……」
ソウマ、エミに “おはよう” の合図を送る。
それに被せるように、ボスが口を開いた。
「問題ない。道は決めている。行くぞ」
関所の扉がゆっくりと開き始める。
「まず目指すのは、緑代都市フレイダーの組織スマイル第三拠点だ」
やがて扉は開かれた。
視界いっぱいに緑が広がった。
それを合図に、俺らは歩き始める。
人と人の間を、涼しいそよ風が駆け抜けた。




