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2-2.山口県下松市

山口県下松市→光市→下松市

『本日は全国的に晴れの予報で、気温が四十度近く上がる見込みですので熱中症にご注意下さい。』


 天気予報の音声に起こされてスマホを見れば七時半だった。カーテン越しの日差しは強く予報通り気温が高くなりそうだと肌で感じられる。

 天気予報は続いてニュースになり熱中症の過剰予防に関する注意喚起が繰り返されている。スポドリによる糖質・経口補水液の常飲による塩分の過剰摂取、その他どこかで聞いた話を新情報のように謳い上げるのは聞いていてゲンナリするが、繰り返してこそこの手の情報が活きるのだろう。


 いや、そもそも寝る時テレビもラジオも付けてはいなかったはずだ。


 腕の鳥肌が一瞬にして立った。微睡みから一気に意識が覚醒しバネ仕掛けのように上体を起こすとテレビが点いている。座卓の上にはリモコンを抱えた芳一ぬいがいて、道承の動きに気付いたのか振り向いた。


『おう、おはよう』

「ウワアァアアシャベッタァアアア』


 動いている、しかも滑らかに!

 もはやダンシングツリーではない、3D CGの如く滑らかで、滑らかすぎる所が不自然な挙動をしている。会話も昨日は脳内語りかけスタイルだったのが、今は音声として耳で聞こえる。あまりに異様で道承は自分の耳に少し自信がない。

 明らかに生物として昨日時点よりも進化していた。


「より定着してんじゃん…え、これ大丈夫なのか?怖」

『わしもよう分からんが、なるようにしかならんのう。正直言うて、去年死ぬ前より今の方が体ぁ軽うて動きやすいんじゃ。』


 ふわふわとその場でジャンプをする芳一ぬい。実際物理的にも軽いだろうがコメントに難しい。実篤の死因が何だったのか聞いていない事に気付いたが、本人に聞けるはずもない。


「俺の思考が読める奴は?出来なくなった?外で話す時に支障出るんだけど」

『なんぞ考えてみい。』

(朝飯買い忘れた。この近くコンビニある?)

『保存食で買うちょる魚の缶詰やら、カトウのご飯ならあるはずじゃがの。』

「ぅおおお通じてるぅ」

『はよ食うて草むしりせんにゃ、外ぁ暑うなる一方じゃぞ。』

「そらそうか。曾祖父ちゃん保存食の場所どこ?草むしり用の軍手とかも解る?」

『分かるに決まっちょろうが。わしの家じゃ。』


 道承はぬいを持ち上げると指示に従って台所に向かう。サポートキャラの誘導で床下収納を開けたり庭の納戸を漁るのはRPGライクな脱出ゲームのようで少し楽しかった。


 朝食を終えていざ庭に出ると、低木の生け垣向こうでお隣さんも庭仕事をしていた。胡散臭がられる前に先制するに限る。


「おはようございます!庭の手入れに来ました、親戚の髙﨑です。宜しくお願いします!」

「はい、おはようさん。お孫さんじゃったんかねぇ。」

「去年までここに住んでた爺ちゃんの曾孫です。」


 人の良さそうなお婆さんは手を止めて挨拶を返してくれた。家庭菜園は豊かに実り収穫時期のようだ。


「そいでかね、実篤さんのお孫さんじゃったんじゃね。遠うに住んじょるんじゃろ、よう来ちゃったねぇ。わしぁ実篤さんに庭の柿やらビワやらもろう約束で、あっちの庭ぁたまに手入れしよったんよ。じゃけぇ、そろそろまた手入れせんにゃいけん思うちょったんよ。」

(そんな約束した?)

(……しよったかもしれんな。手入れしきらんし、柿も一人じゃよう食い切らん。)


 庭が比較的綺麗な理由が判明した。敷地を仕切る生け垣は所々切れており、庭から庭に直接出入りしているらしい。当時の権利者と約束したとはいえ、今は鬼籍に入っている。法律系バラエティ番組の事例その一になりそうだ。


「そうだったんですね!ありがとうございます。自分庭仕事あんまり詳しくないんですけど、柿と琵琶が貰えると言っても大変でしょう。」

「大変じゃ思わんことよ。慣れてしもうたら、なんちゅうこともないけぇね。」

「おぉ……流石ですね。でも今回は俺がやりますんで安心してください。」

「えかったよぉ。ええお孫さんがおっちゃってから。」


 これは……?どう判断するか悩んで結局祖母の徳美に丸投げする事にした。後で中途報告がてらこの庭掃除についても報告しておこう。

 方針が決まれば後は草むしりをするだけだ。膝丈まで伸びた種々を手で都度抜くのは手間なので、ピッチフォークを差し込んでテコの原理で持ち上げる事にする。掘り返した土に草が混ざるので漉くようにして土はそのままピッチフォークに根を絡めて雑草だけ選り分ける。


 純然たる肉体労働。


 比較的気温の低い午前中とは言え、実際に涼しく作業が出来るのは五時から六時頃だろう。もう九時を過ぎ太陽が本領を発揮し始めていた。暑い。慣れない動きに僧帽筋や上腕二頭筋が軋み始める。昼はタンパク質をとにかく摂るしかない。確約された筋肉痛に道承は震えた。こんな作業をぬいぐるみを抱えたまま行うわけにもいかず、お隣さんの目もあるので芳一は先程こっそり居間に戻っていった。テレビの音声が漏れ聞こえるので午前中の情報番組でも見ているのだろう。テレビは羨ましくないが涼しい部屋にいることが羨ましい。とにかく早く終えて涼しい部屋に入りたいと無心に作業を繰り返す。

 水分補給や塩分摂取を挟みながら二時間程度であらかた終えたという事にする。根や雑草は、庭の隅に積んでおく。気づけばお隣さんは庭仕事を終えたのか居なくなっていた。


 昼は実篤お勧めの市役所前の中華料理屋にした。

 人気店らしく少々の待ち時間があった。その間スマホを確認すると、メッセージアプリに母から千拓退院の知らせが届いていた。お大事にと書かれたスタンプと共に草むしり完了とお隣さんの草むしり果樹報酬の件を報告しておいた。連絡事項が終わってからは脳内で実篤と話しているうちに順番が来て席に案内された。

 昼はラーメンメインのようなので豚骨・九州味の唐揚げセットに焼き餃子を頼む。口コミで評価が高くいやがおうにも期待は高まる。程なく提供された料理はいずれもスタンダードな中華料理と行った見た目だ。

 空腹と店の行列客に配慮して、許可を取って手早く芳一ぬい撮りをする。ここへ来て初めてぬいが自立行動する利点が生きた。自分でアングル配慮してベスト角度でポーズを決めてくれる。必死にスタンドや手を駆使して、指先が写り込まないようにギリギリを攻める必要がない。

 すぐにぬいをしまって、提供されたラーメンに取り掛かった。完成度の高さにスープを飲むレンゲが止まらない。美味い。唐揚げをかじる。カラッとした衣に肉汁あふれる鶏ももがとにかく美味い。美味い。美味い。


 気づけば供された料理は全て無くなっていた。スープに至るまで飲み干したらしい。チャージされた塩分とカロリーに半ば恍惚としながら店を出る。この後は昨日の菩提寺に行って隣接している墓地で藤井家の墓を掃除する予定だ。スマホで道順を調べている時だった。


(道……道……聞こえるか……今お前に直接話しかけちょる。)

(聞こえるよ。何?)


 脳内に重低音が響く。ボディバッグの中から実篤が語りかけてきていた。

 

(一旦帰るぞ。)

(何で?)

(足元ぁふらついちょるし、息も浅い。庭掃除がよう堪えたんじゃろう。熱射病じゃ。これから昼のいっちゃん暑い時間になる。エアコンの効いちょる部屋で少し昼寝して、日が落ちる夕方から墓に行こうや。)

「……うん。」


 帰宅すると、昼前に出るまで付けていたエアコンの冷気が残っており、家は少し涼しかった。冷房を付け直し、隅に畳んでおいた敷き布団を雑に引っ張り広げると道承はそのまま横になった。冷たい部屋にあったので布団もほんのり冷たいくて気持ちが良い。床に放られたボディバッグから這い出した実篤がタオルケットを道承の腹に掛ける。滑らかに動けるようになったとは言っても手の平サイズなのでなかなかの大仕事だ。


「……何でさぁ皆優しくしてくれんの……?」

『何の話じゃ?』

「さわさんも徳次さんも、曾祖父ちゃんもさ、親戚つってもこれまで会ったこともない俺に良くしてくれるじゃん……。何なら血縁もない神主さんとか住職さんもさ……山口は人が良いのかな……?」


 今のところ、出会った人々誰も皆、道承に優しかった。若い成人男性の起こす凶悪事件は連日ニュースで報道されている。ただそこに居るだけで警戒されることもある属性だが皆道承自身を見てくれた。


『そりゃお前が先に自分のこと話して、好意見せたけぇよ。年寄りいうんは、親戚の分別ある子にゃ甘いもんじゃけぇ。』

「言い方ぁ」


『道は基本、挨拶ぁちゃんとしちょるし礼儀もええ。あとは小倉んとこと寺さんについては、わしや徳美らとの付き合いの長さと信用じゃ。そんだけ信用があっても、なっとらんもんを家に入れたりゃせん。さわは特に人好きじゃが、相手はよう見る。お前が今回の親戚回りを嫌々しよったんなら、泊めもせんで追い返しちょるはずじゃ。』

「え、そんなに?」

『あれで気ぃ強いけぇの。そうじゃなきゃ九州へ嫁にやれんて、徳次も言いよった。道は何じゃ、バナナんやつだけじゃのうて、パン屋でも土産買うちょったじゃろ。親に言われて買うただけじゃないんが分かったんじゃろうな。そりゃ道自身の人柄じゃ。』

「自分の事は良くわからんな……。」


 実篤は道承の身体によじ登り、胸の上でポフ、ポフ、とジャンプする。親が幼子を寝かしつける為に胸をトントンと軽く叩くのと同じ動きのようだが、軽すぎてほぼ感覚がない。


『ほれ、少しでも寝ちょけ。』

「熱中症で眠いって言ってて夜寝たまま死んだって事例あるんだけど」

『見ちょいてやるけぇ。』

「うん……生きてるうちに、話してみたかったな……。」

『生きちゃおらんが、話せりゃええじゃろ。ほれ、おやすみ。』




 三時間ほど眠って実篤に起こしてもらい、体調快復を確認してから自転車で出発した。菩提寺の墓参り兼墓掃除だ。ロウソクや線香、ライター、掃除用具とお供え物を入れたバケツをハンドルに提げてペダルを漕ぐ。昨日は降松神社からだったので少々距離があったが、家からだと割とすぐ着いた。

 お堂を左手に回り込んで墓場に着いた。事前に母に聞いておいた区画に向かえば、藤井家先祖代々之墓とストレートに彫り込まれた墓石があった。近隣の墓石に藤井家は無いのでここで間違いないだろう。バケツの中身を出してから、バケツに水を汲みに行く。水を墓石にかけながら、ブラシで擦り、雑巾で拭う。文字の彫り込みは特に念入りに。仕上げに再度水をかけて、ゆすいで汚れを落とした雑巾を固く絞って水分を拭って仕上げだ。

 いざお供え物を置こうとして仏花の用意を忘れた事に気がついた。


(気ぃ利かんのう。)

(面目ない。貴方の曾孫です。)


 気を取り直して、実篤希望で事前準備していた饅頭を供え、火をつけた線香を香炉皿に置く。


(ご先祖様方、この度お墓掃除させて頂きました。どうぞ皆様気持ち良くお過ごし下さい。)

(別にわしら墓石に住んじょるわけじゃないぞ。)

(うるさいよ曾祖父ちゃん。)


 お祈りは適当に切り上げて、饅頭も回収し、時間もそこそこに退出した。


(道。海行こうや、海。海水浴場じゃ。)

(水着もないし泳げんけど?それにお盆からクラゲ出るって言うじゃん。)

(砂浜ぁ散歩するだけでもええじゃろうが。下松駅行くぞ。)

(えぇ……マジで?……行くかぁ。)


 興味がない物事も誘われたらやってみるが信条の道承は海行きを決めた。自転車でそのまま最寄りの下松駅に向かう。

 下松駅前は駐輪場がとにかく山陽本線豊富で、停められなかったらどうしようという不安は杞憂に終わった。

 山陽本線岩国行に乗車して一駅、実篤の指示通り光駅で下車をする。


「あ、見たことある。インターネット回線のCMに出てたとこだ。」

(見る目ある企業じゃのう。)


 実篤にポーズを取ってもらい虹の描かれた駅舎を背景にぬい撮りをする。よく考えれば降松神社を最後にぬい撮りを送っていない事に気がついた。危ない。今日これから沢山撮らなければ。

 駅から徒歩五分少々で虹ケ浜海水浴場に到着した。


 まずはぬい撮りをする。


 砂山を作る芳一。

 砂浜を走る芳一。

 ビーチコーミングで砂浜を見つめる芳一。


 お盆只中の夕暮れで人が少なく実篤は自由に動きまわるので、躍動感や臨場感に溢れたいい写真が撮れた。暮れ始めた空を映す海面も美しい。


「今日のノルマはもう良いか」

『道、見てみい。きれいな貝殻があったぞ!』

「実は五歳だったりしない?」


 砂浜から実篤を持ち上げて砂を払い、そのまま抱えて砂浜を歩く。

 海が穏やかだ。瀬戸内海は本州と四国に挟まれた立地のために高い波が立つことはそうない。

 そのためウィンドサーフィンをする人は居るが、千葉の九十九里のような外洋の荒波に乗るサーファーは居ない。そもそもサーフィンで乗れる波が無い。


 一人と一体は言葉なくただ海を見ていた。帰りの電車の時間を見なければと思うのに、今この時、刻々と色を変える海から目を離してまでスマホの画面を見ることほどの無粋は無いように感じられて、ボディバッグに手を伸ばせない。


『些細な違いでも必ず拾えよ。』


 実篤がぽつりと呟いた。


『ちぃとだるい、ちぃと苦しい、がどんどん積もって悪うなってな。重い腰上げて蓋開けてみりゃ、どうにもならんようになっちょるなんて、そこらじゅうに転がっちょる。わしらの家系ぁそんなんばっかりじゃ。』


『手間と金は安心料じゃ。何もなけりゃ万々歳よ。』


『いつもと同じ、いうことはないぞ。』


 独り言のような言葉は実篤の回顧だろう。何があったのか道承は知らない。ただ、祖母の徳美が以前溢していた事がある。


 実家周りは地域的に癌での死亡率が高い、あの辺りは海が近く魚を良く食べるから、と。


 聞いた当初は、魚食は癌発生リスクが高いと言っているのかと思っていたが、後になって気がついた。海は繋がっている。敗戦の契機となった、広島デルタとも。

 エビデンスは無い。

 ただ、そういった歴史と不安の発露だったのだろう。現在の広島は全国的に見て癌の死亡率が低い。ロックバンドの悪魔による癌検診の啓発が功を奏しているのだとか。明日行く福山でポスターを見ることは出来るだろうか。

 段々思考が逸れてきたところで、スマホを取り出し帰りの電車の時間を検索する。


「うわ、電車でたばっかだ。次小一時間後だわ。」

『調べちょらんかったんか。』

「一駅くらいなら最悪歩けなくもないかと思って。」

『田舎の一駅をなめちょるのう。』


 地図アプリによると徒歩一時間半との事だった。歩けなくはない。歩けなくはないが、そこそこの時間必要だった。


「じゃあもうしばらく海見て、電車で帰るか。」

『そうせい。今のうちに海を堪能しちょけ。海のない所に住むたぁ、かわいそうなもんじゃの。』

「お?今海無し県ディスった?全国八県ぞ?」


 日暮れが進み、夜の装いになった海で今一度芳一撮影会になった。


 水平線を見てたそがれる芳一。

 砂浜に足跡を残す芳一。

 ゲーミング芳一。


「うぉっ」

『ゔぉっ』


 砂浜が突然虹色に照らし出された。どうも夏の期間、虹ケ浜という名称に因んでか砂浜を虹色にライトアップするらしい。道理で夜になるにも関わらず段々人出が増えてきた訳だ。


「確かに人出が増えてきたのスルーしてたらとんでもないの出てきたな」

『蓋開けてみりゃ、ほれこの有様じゃ。』


 暮れていく瀬戸内海のエモが吹っ飛んだ。わずかに残るエモを大切にしたい。少し早いがもう光駅に戻る事にした。


『晩飯じゃが、駅前の和食屋でうまいヒラメが食えるぞ。』

「でもお高いんでしょう?」

『同じもんを東京で食うならの。』


 少々待ちはしたが時刻通りに到着した山陽本線に乗り、下松駅に着いた道承は実篤お勧めの和食処ひがしだの暖簾を潜った。

 昼は定食がメインらしいが夜のメニュー表には一品料理がずらりと並んでいる。この手の店に一人で来たことのない道承だが一人なのでカウンター席に通された。ぬいは一人に入らない。

 人数が居れば気になるものを適当に頼んでも食べ切ることが出来るし種類も多く選べるが、一人で食べ切る事が出来る適量で注文しなければならない。ぬいは一人に入らない。


(何かお勧めある?)

(何食うてもうまいが、やっぱり海鮮よ。酒と一品二品頼んでな、腹具合見ながら追加していきゃええ。)

(メニュー表下げられちゃわない?)

(ファミレスとは違うぞ。)


 海鮮サラダと河豚の西京焼きを頼んで、日本酒は山口県岩国市の酒造の物をグラスで注文した。

 ぬい撮りの許可を貰って、砂浜を走らせたので直置きはせず手に持つスタイルで撮影し、ぬいは再びボディバッグにしまった。


(おい、ヒラメはどうした。)

「あ。」


 一人前の笠戸ひらめの薄造りや寿司を追加注文し、大満足で店を後にした。


 酒を飲んでしまったので自転車を押して徒歩で帰る事になったが、歩ける距離だったのが不幸中の幸いだった。


『自転車も飲酒運転になったんか。』

「人力とは言え車両扱いだからね。今年からは自転車も青キップ切られるようになったよ。」

『そうなんか? わしゃ知らんぞ、そんなん。』

「飲酒運転はともかく、青キップ適用開始にはもう死んでたからねえ。」

『そりゃ知らんじゃろうの。』


 策定から適用までの告知期間もあっただろうが、道承が知ったのは適用開始からなのであえて触れない。


『そういう、知らんうちに変わっていくことが、これからますます増えるんじゃろうなぁ。』

「まあ変わった事を知る事も無いんじゃないの?普通は。」


 人間、死後現世に干渉出来ることなど普通はない。今の状況が普通ではない、奇跡のような状況で、普通奇跡は長く続かない。


「あ、流れ星。」

『世界平和世界平和世界平和。』

「壮大じゃん。」

『今さら無病息災やら願うても仕方ないけぇの。』


 ペルセウス座流星群で断続的に降る星の奇跡に、二人は家に着くまで様々な私利私欲を願い続けた。


「満願成就とかいけるんじゃないの。あ!」

『子孫繁栄子孫繁栄子孫繁栄!』

「金運上昇金運上昇金運上昇!」




星や絵文字もらえたら喜びます。

ー ー ー ー ー 

登場人物の台詞はChatGPTで方言翻訳しています。プロンプトは以下の通り。


〇お隣さん

貴方は山口県下松市で生まれ育った80代主婦の気の良い女性です。以下の台詞を下松市の方言や訛りに翻訳してください。

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