第21話 覚悟
「万超が倒されるって……巨裂牟にも呪いを発動させて体を小さくさせようってこと!?」
「そう」
「私は反対。潰されちゃったらどうするの!? それに魔邪者に呪いが効くかどうか……」
ズウン…… ズウン……
爪が巧く撒いて来たおかげか、巨裂牟は俺達を見失っているようだ。
「無茶はしない。それに爪は神獣なんでしょ? 神獣でさえ呪いからは逃れられないんだから、巨裂牟だって例外じゃないはず」
「それは……そうかもしれないけど……」
「……とはいえ相手は岩石、あの攻撃をなんとかしなけりゃどうにも……要はこの八百万樹の枝 か……折れたけど」
「折れたって……それ、本当なの」
「本当。ポキッて。お初さん、確か葉っぱ……八百万樹の落ち葉にも神気は宿ってるって言ってたよね」
「え? ええ……」
「だったら枝にも……爪、さっき巨裂牟の右腕を割った時みたく、ちょっと枝、思いっきり引っ掻いてみてくれ」
「……ウゥゥ……ニャッ!」
『 キ ィ ン ! 』
「うわっ」
なんか、野球の金属バットで硬式のボールを打った時みたいな、甲高い音がしたぞ。巨裂牟の腕が八百万樹に当たった時とは全然違う……。そういやお初さん、爪はツメを研いで神気を蓄えているのかもって……。神気を帯びたモノ同士がブツかるとこんな音がするのか?
ああ、違う、今はこの棒の強度だ。どこかに傷は……よし、ついてない! ──ってことは、少なくともこの折れた枝は、巨裂牟の岩より硬いってことだ。
巨裂牟を縮めて、お初さんの魔技で……魔技 で……。
「…………お初さん、魔技で撃つと巨裂牟は……どうなるんだ……?」
「どうって……未練や怨念の核を撃ち砕く、もしくは強制的に切り離すことになるわ。そのあと、霊魂は在るべきところへ還る……」
「…………」
「……どうかしたの?」
「……いや、なんでもない! んじゃあ俺が倒されてアイツを小さく! 爪が穿ち、お初さんが撃ち抜く!」
「ちょっと待って」
「一頭身までいくぞ! 爪は倒しても倒されてもダメだからな。呪いは両方に発動するんだから」
「ニャッ!」
「 待 ち な さ い !! 」
初めて聞く、お初さんの怒声……。
「簡単に考えすぎ! そんなの作戦なんて呼べない! 一歩間違えれば死ぬのよ! わかってんの!?」
優しい人だ……。心配して、本気で怒ってくれている。
相手が本気だからこそ、俺も真剣に見つめ返し──
「わかってる。本当なら俺は、さっき二回死んでる。お初さんと爪に命を救われた。爪は危険を顧みず、お初さんは大量の血を使ってまで……」
「………………」
「巨裂牟はね、俺かもしれないんだ……」
「……なに……言ってんの……?」
「大丈夫、自分の死に際ならよく知ってる。そう何度も命を落とすつもりはないさ」
「……万超?」
「それに戦闘は基本、アドリブって言ってたじゃないか」
「うぐっ……言ったけど……」
「綿密なプランもいいけど、大まかな作戦であとは臨機応変──違う?」
「うぅ……確かに私も……そういうタイプだけど……」
「 この命 爪刀と初風に預けた! 」
爪は、鳴きもせずに黙ったままだった。しかし、瞬きすらしないで力強く俺を見据えている。
お初さんは少し俯いて、目を瞑り、しばらく何かを思案している風だったが、「わかった」──と、呟いて顔を上げ、俺達へ交互に視線を送ると……
「まかせなさい。アンタ達はこの私が、絶対に死なせたりしないんだから!」
──そう言って、不敵に笑った。
男前な台詞。その頼もしい言葉に、俺も笑顔で応える。
しかし……彼女の胸の裡──その覚悟の程を見誤っていることに、この時の俺はまだ気付いていなかった。
「そんじゃ、行ってくっか!」
ズウゥン! ズウゥン!
巨裂牟の視界へと歩み出る。すると巨裂牟は頭部を直角に傾けてこちらを凝視してきた。
「フウゥゥ……飲まれるな、落ち着け」
大事なのはどう倒されるか……直撃は死ぬ、間違いなく。カスって倒されるのが理想なんだが……。
接近すると岩腕の振り下ろす攻撃が来るけど……近過ぎて避けるのは厳しいか……。近付くにしてもその時は八百万樹の根を背に──いざという時はその陰に隠れて壁になってもらおう。
やっぱり、さっきの伸びてくる岩パンチだな。アレを躱しつつ、岩の端をこの枝で受けてフッ飛ばされる──うん、これだな!
と、なると、重要なのはヤツとの間隔……登った樹の上でギリギリ回避できた距離。今の俺と巨裂牟の間合いは、あの時より少し遠い……か……よし、んじゃあ、見合って見合ってぇぇ──
はっけよほい、のこほっただ!
巨裂牟の頭の傾きが戻り、右腕が俺に狙いを定める。
しめた! この距離なら……!
──と、そう思ったのも束の間、突き出している腕が水平に──横向きへと角度を変える。先刻の爪による一撃で右腕は五つ割れており、向けられたそれはさながら弩に番られた五本の矢……いや、五粒の特大な金太郎飴みたいだった。
え……まさか──五連射!? どうする!? 一発目で倒れて……いや──
考える間もなく、こちらに狙いをつけた五つの──人の手指でいうところの親指がわずかに動いた──
来る!
──と、ほぼ同時に残りの岩指も動きだす!
「──ッ!!」
この連撃はマズい! すぐさま根の陰へ飛び込む!
ガ ァ ン! ガ ァ ン! ガ ゴ ォ ン! ガ ァ ン! ガ ン!
初撃の場所へ、続く岩が次々と着弾する! 互いにぶつかり合って更に小さく砕けるが、それらは青白い炎で結ばれて巨裂牟の右腕へ続々と戻っていく。
「……もしかして……次はあの砕けたのが飛んでくるのかな……? それってつまり……マシン岩じゃねぇかよ!」
早く倒されないと難易度がどんどん跳ね上がっていく。これなら振り下ろしのほうがまだマシかも……。
そんなことを考えていると、巨裂牟が膝の炎を軸に前後に揺れ始めた。メトロノームのようなその動きは徐々に振り幅が増してゆき、大きく仰け反ったと思ったら──自身を発射するかの如く、一直線にこちらへ弾け飛んできた!
ガ ガ ァ ァ ン !
俺が八百万樹の根を盾にしていても、お構いなしと言わんばかりに巨裂牟は顔から突っ込んできた! ──ゴカッと低い音が響き、口の裂け目がさらに広がる。
すぐそこに 顔がある……。
三メートル以上はあるだろうか……そして間違いなく、俺を見ている……。
あの眼…… 大きく見開いた…… 眼……
なぜだろう……自分でもわからない……。気が付くと俺は根の上に登り、その顔に触れていた。
青白い炎が表面を奔る。俺は驚きを隠せなかった……だってその炎は──
冷たかったんだ…… 絶望的なまでに……
燃え上がる凍てついた炎……これが……未練や怨念に囚われた成れの果て……こんなものに包まれて巨裂牟は……
「お前……両親に……会いたいのか?」
炎の動きが……揺らぎが、穏やかになる……。
「俺もなんだ……」
その時、瞬刻浮かび上がった表情は今にも泣きそうで──正気に戻ったように見えた……が、再び炎が激しくなると同時に、巨裂牟はブンと頭を振った。
「ふう゛っ──」
突然、胸を勢いよく圧迫されて変な吐息が漏れ出た。
分厚い壁で殴られたような感覚──目の前が一瞬真っ暗になり、次に目を開けた時、俺は地面へ身体を……例えるなら、川で水切りをした石のように、何度も打ち付けながら二十メートルほど吹っ飛ばされていた。
「万超!!」
あ……お初さんだ……。爪もいる……って爪……なに……オタオタしてんだよ……らしくないじゃんか……。
「生きてる!?」
「生き てる さ……」
巨裂牟の頭がブツかる瞬間──わずかだが後ろへ飛び退き、反射的に折れた枝で身体を防御した。そして巨裂牟は八百万樹の根につかえて頭部を振り抜くことが出来なかった。
あちこち痛いが、奇跡的に骨も折れてなさそうだし、意識も──ちょっとフラつく程度だ。
「へへ……俺……バッチリ倒されたよな……」
「万超、血が──」
どうやら額の辺りを切ったらしく、触れた手に赤いものが付着する。
「模擬戦じゃないんだ……血ぐらい出るさ……。それより見るのは俺じゃないだろ……呪いが来るぜ……」
押し潰されるような感覚──! 身体が 縮む!
「ヴ ゥ ッ!? オ゛オ゛オ゛オ゛……」
巨裂牟の巨躯が軋み出す! やった! やっぱり魔邪者にも呪いは発動するんだ!
俺はすぐさま起き上がると、傍に転がる八百万樹の枝を拾い、走り出そうとするが──
「ちょっと!」
お初さんに呼び止められる。しかし、今を好機と見ている俺は先んじて口を開いた。
「呪いで面食らった後の最初の攻撃は、きっとなまくらなはず! 上手くすれば、すぐにでも巨裂牟を二頭身にできるかもしれない!」
「聞いて! もしそれが成功して巨裂牟が二頭身になったら、その時点で魔技を撃つわ! 一頭身にまでなったら万超が危険すぎる!」
「──!」
確かに、一頭身の身体ではロクな動きが出来ない……。
「わかった!」──そう言って、俺は駆け出す。
マシン岩を警戒して巨裂牟の左側から回り込むが、どうやらそれは杞憂だった。なぜかというと、魔邪者の本体である〝霊魂〟にまで呪いの影響は及ぶらしく、青白い炎が小さくなっていたからだ。取り憑ける範囲が狭くなり、肘から先の岩石は地面に落下、膝から下の大岩はピクリともしなくなっている。当然、肘と膝から噴き出していた炎も無くなっている。
胴体は呪いを受けたせいで、上下が歪に割れて、元の半分の大きさになっている。
両の二の腕と太腿に位置していた岩塊は未だ健在だが、手足と胴が短くなり、全体としても半分以下へと縮んでいる。
「ゴ……レ゛……ハ……?」
異変を確認するかのように、巨裂牟は自身の体を見回している。右の腕を見て……左の腕を見た。その視線の先には、今まさに走り寄る俺がいる! 一瞬ヒヤリとしたが、巨裂牟は短くなった腕に気を取られ、こちらには気がつかなかったようだ。
すぐにヤツの腕の陰──死角へと潜り込むような進路をとり、さらに接近する。
目指すは足だ。もう少し近づいたらあの足に飛びついて大声を出す! 巨裂牟が驚く……かどうかはわからないが、反射的に振り払ってくれでもしたら御の字、その勢いでまた倒されることができる! さっきの頭突きの応用だ!
──と、その時、悪寒が走った。
ヤツの足からふと視線を上げると……自身の腕の下から覗き込むように、巨裂牟がこっちを……あの大きく見開いた眼で俺を凝視していた……。
「──あ」
ロケットを打ち上げる時の白煙のように、肩の炎が爆発的に膨らんだ瞬間──ノーモーションで左腕が飛んできた! 手に持つ枝を構えながら右へと身体を投げ出す! ──が、間に合わない! 直撃す──
「 ニ゛ ャ ッ ッ ッ ! 」
突如、三時の方角から現れた爪の一撃! 軌道がわずかに逸れた! 岩石の端を八百万樹の枝でなんとか受けた俺は──盛大にフッ飛んだ。
ズッシャアァァ──!
「痛ってぇぇ!」──けど! やったぜ!
身体が再び縮む! 二頭身になった俺を爪が拾い上げ、背中に乗せてその場を離脱する。
「また助けられたな! あとでたっくさん撫でてやるからな!」
「カッ!」
あ! スッゲェ嫌そうな顔!
巨裂牟の体が砕け、割れて、二頭身となる。
頭部と──それと同じくらいに割れた胴体──そして手足もさらに小さくなって全長は四、五メートルに! これなら!
「今だ! お初さ──
そう叫ぼうとした時、巨裂牟の後ろで何か……粒のようなものが空中で次々と集まっていくのが見えた。波打つ球体……あれは……水の塊!? と、次の瞬間──
『 シュガッ! 』
鋭い水の針が無数に──さながらウォータージェットのように突き出して、巨裂牟の胴体を余さず貫いた。
「グ……ガ……!」
巨裂牟の動きが……炎が……止まってゆく…………。
その姿を俺は……唇を噛んで見つめていた。
これしか……ないんだよな……。もしもあれが俺だったら……正気を失って人を襲うくらいなら……やはり……ああして欲しいと思う……きっと……。
「マ……ギ……ヅ…………イ……」
──え?
「マ゛ ァ ァ ギ ィ ィ ヅ ゥ ゥ ガ ァ ァ イ゛ ィ ィ ィ !」
巨裂牟の視線の先、ここから離れた根の上にお初さんがいる!
俄かに、頭部から蘇芳色に変化した炎が噴き出し、砕かれた岩を次から次へと繋ぎ合わせ──まるで地を這う人面ムカデのような形態になって、巨裂牟はお初さんへとまっしぐらに進み始めた!
これって……巨裂牟の弱点は……〝色の違う炎〟は胸ではなく頭部にあったってことなのか!?
『 ピシッ! 』
ムカデ巨裂牟の頭上が刹那に光り、三筋の雷が降り注ぐ!
ドォン! ドォン! ドォォォン!
ウネりながらその全てを躱し、ムカデ巨裂牟は尚もお初さんへと爆進する!
「魔技を……どうして……」
なにを……やってんだよ……お初さん……あと一回が限界だって言ってたじゃないか!
彼女の言葉が脳裏に蘇る──
「天魔導士が巨裂牟を前にして逃げるわけないじゃない」
「巨裂牟は絶対、なんとかしないと……」
「アンタ達はこの私が、絶対に死なせたりしないんだから!」
あんなこと言っといて、自分は死ぬつもりかよ! クッソォォッ!
「爪ーッ!」
俺が叫ぶと同時に爪が猛然と走り出す。
爆炎が 水のかまいたちが ムカデ巨裂牟に放たれるも当たらない! 精度がどんどん悪くなっている! お初さん もう──ちゃんと見えていないのか!?
巨裂牟とお初さんの距離 十メートル! その時──突然地面が迫り上がり、ボクシングのアッパーカットのように巨裂牟を宙へと突き上げた!
それを見た爪が、シッポを使って俺を前方の──空を舞っている岩ムカデへと投げつける。
「なっ──!」
爪はそのまま地上を疾走し、未だ柱のように上へ伸びている地面を──信じられない速度で垂直に駆け上り、放たれた矢のように飛び上がった!
「 シャッッ! 」
左右のツメでバツの字に斬りつけると、鈍くも鋭い音と共に巨裂牟の頭部が四つに割れて、赤黒い炎が顕になった!
『 ド ク ン 』
手に持つ枝が、吠えるように脈打つ── これを……使えってことか!?
巨裂牟の急所──変色した炎はすぐそこにある! けど! あぁくそっっ! このままだと少し届かない! 爪のヤツ 狙いがズレてんじゃねぇか!
『 フボォン 』
背中に、覚えのある柔らかい突風……これは……綿疾風……
──お初さん アンタって人は……!! だがこれで──ドンピシャだ!
距 離 ! 角 度 ! 申 し 分 な し !
〝八百万樹の枝〟で ぶっ叩かれりゃ! ちったぁ正気に! 戻るかよ!
「 うおおおおおおおっ! 」
渾 身 の 一 振 り !
──しかし! 斬りかかった瞬間、巨裂牟の炎は飛沫のように分散し──そしてすぐさま、再び一つに融合を果たしやがった!
はずした!? いや! わずかにだが……手応えは確かにあった!
赤黒い霊魂が、割れた頭部の一つへ滑り込むように取り憑いた時──なにかの欠片が落ちるを見た。それを目で追いつつ俺は──
ドスン!
──と、地面へしたたかに落下した。
「痛っっっっっっ!」
「オ゛……ノ゛……レ゛……」
「──っ!」
ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ッ !
共に落ちた岩石から霊魂が抜け出し、地中へとその身を沈め、蛇行をしながら草原を掻き分け、物凄い勢いで彼方へと消えて行った。
「逃げ……たのか……?」
巨裂牟が落とした欠片を拾いあげる。
「これは……」
いや違う! こんなのは後だ! 今は──
「ニ゛ャーッ! ニ゛ャーッ!」
「──!!」
お初さんを尾で抱えた爪が、狼狽しながら駆けてきた。
「お初さん! 返事をしてくれ! お初さん! 初風! おいっ!」
お初さんはぐったりとして、こちらの呼びかけに応じない。
「ど……どうすりゃ……輸血! なんてここじゃ……」
「ニャーニャフニャッフ! ニャーニャフニャッフ!」
「ニャーニャフ……それ前にも──樹液か! それだ! 爪 頼む!」
俺とお初さんを背中に乗せ、爪が疾風のように走り出す!
あっという間に、いつも樹液を飲んでいる場所へ辿り着いた。
「確か一頭身の飲み食いは、身体へ押し込むように──」
お初さんを樹液へと押しつける!
「お初さん! 八百万樹の樹液だ!」
「ニャー! ニャー!」
頼む! 飲んでくれ! 効き目 あってくれ!
しばらく反応がなかったが──手が! ピクリと動いた!
「ぐ……」
「お初さん!」
「ニャアー!」
「ぐるじい……」
「大丈夫! 八百万樹の樹液だ! 苦しくても頑張って飲んでくれ!」
「ぐる じいの は……万超が……」
──ん?
「 押 し つ け 過 ぎ だ か ら で し ょ ー が ぁ !! 」
『 キュッピィィィン! 』
「 ふ げ ぇ ー ! 」
回し……蹴り!?
「もう! なんなのよ!」
「お初さん! よかった! 死んじまったかと──」
「ニャアァー! ニャアァー!」
爪がこれでもかと顔を、身体を、お初さんへこすりつけている。俺もお初さんが意識を取り戻したのは何よりも嬉しい……だが!
「 はぁぁ ー つぅぅ ー かぁぁ ー ぜぇぇぇー 」
「あぅ……」
「俺……怒ってるぜ」
「ハハ…………ゴメン……ちゃんと……後で怒られるから……今は……ちょっと……」
「──お初さん!?」
また意識を失っ……いや、眠っただけだ……寝息が聞こえる……。
お初さんを抱え、俺達は地下の隠れ家へと向かう。ゆっくり休ませないと……。
それに俺も、爪でさえもフラフラだ……少し……横に……とにかく……疲れた…………。
こうして、突然訪れた──俺と爪にとっては初めての──実戦は、幕を閉じたのだった。




