第九十一章
アイウェシルは戦術に頭を悩ませていた。
エルフは弓を得意とする。闇エルフが近接戦闘も得意なのを除けば、ほとんどの部族は攻守のバランスがどこか一歩及ばない。
彼女は地図上の敵の位置を示す印をじっと見つめ、指先で机を叩く。リズムはない。
「I heri nín, Aewithil!(アイウェシル領主!)」
一人の兵士がよろよろと駆け込んできた。息を切らしている。
「ア、アイランサー様が戻られました!彼女は……それに――」
「Lavo sí. Manen i naneth?(落ち着いて。母上はどうされた?)」
アイウェシルが顔を上げる。
「敬語は不要だ」
別の声が入り口から聞こえた。平静で、落ち着いている。
「同じ戦線に立つ者同士、対等だ」
アイランサー。
彼女はそこに立っていた。後ろには数人の空のエルフの衛兵が従っている。
声が落ちると同時に、報告に来た小兵はまだ慌てて息を切らせており、他の数人のエルフ使者はもう彼女の周りに集まり、口々に状況を説明し始めていた。
「Naneth?(母上?)」
アイウェシルが立ち上がる。
「Alatulya na i adh. Aú-eithro?(遅くなったわ。さぞご苦労だったでしょう?)」
アイランサーの視線が彼女の顔に注がれる。その声は記憶の中よりもずっと柔らかい。
「Aewithil.(アイウェシル)」
アイウェシルには愛称がない。
アイランサーとの仲が悪いからではない――むしろその逆だ――アイウェシル自身がそれを好まないのだ。
あの気恥ずかしい呼び方が子供の頃から嫌いなのだ。
アイランサーが手を振ると、彼女の周りで話していたエルフの使者たちは静まり、脇に退いた。
彼女は数歩前に進んだ。
アイウェシルはようやく、彼女の頭の上の王環をはっきりと見た。
それは流雲城の領主の冠。雲のように白く、文様が絡み合い、頂には淡い青色の宝石が嵌め込まれ、燭台の光の下で冷たい輝きを放っている。
それは今、しっかりと母の頭に載っていた。
アイウェシルには信じられなかった。
「Naneth, le utúlie i Aear-El?(母上、流雲城に行かれたのですか?)」
「Nán. Sí i heri nín i Aear-El.(ああ。今、私がそこの領主だ)」
アイランサーの声は平静だ。
「A i muinthel?(では姉は?)」
アイランサーは一瞬間沈黙した。
「Ú-istol. Mal i·natha lú.(分からない。しかし彼女は、当分戻れないだろう)」
彼女は一瞬間を置いた。
「Mal i·estel, iell nín.(しかし彼女は、まずお前を助けに行けと私に言ったのだ、我が娘よ)」
「I eryn vín? I·na i·ú·?(他のエルフの援軍は?この数人だけなのか?)」
「Nar i·veth.(まだ途中だ)」
アイウェシルは唇を噛み、言葉を継がなかった。
「Cín na ú·,(お前を見ていると、手が出せないでいるようだ)」
アイランサーの声は強くない。しかしアイウェシルの背筋を微かに強張らせた。
「ú· i heri nín.(それは領主のあるべき姿ではない)」
アイウェシルは顔を上げ、母の視線を受け止めた。
「Naneth, iston i·ú·.(母上、私は自分と敵との差がどれほど大きいか分かっているからです)」
アイランサーは微かに首をかしげ、娘がただ敵の弱点に気づいていないだけだと思った。
「I loxe·ú··i·. A i··i·,ú· i··i·.(あの蒸気人どもはただの命令に従うだけだ。そして人魚の族長がどれほど強くても、彼女は族人の弱さという本性を変えられない)」
アイウェシルはこの話題を受け継がなかった。
「Iston.(それくらいはもちろん分かっている)」
彼女は一瞬間を置き、声を沈めた。
「Mal i·i·, i·.(しかしそれだけではないから、頭が痛いのだ)」
アイランサーはそこでようやく、事態がそう単純ではないと気づいた。
「Mal i·i·i·, le?(では、お前が目にした新しい状況を私に話してくれないか?)」
そこでアイウェシルは、ポレモスの能力――戦場を覆う盤、あの灰色の炎の中から現れた傀儡たち、あの「全ての者を敵に回す」という宣戦――を余すところなくアイランサーに話した。
アイランサーは聞き終え、長く沈黙した。
「Ir i·i·, i·.(もし本当にそうなら、確かに難しい)」
彼女の声が低くなる。
「I·i·. I·i·. A i·——ú·.(彼は神の欠片だ。人魚の方にもいる。そして我々の……まだ戻っていない)」
「I·!(もう!)」
アイウェシルの声が突然高くなり、握りしめた拳が机の縁を叩いた。
「I·i·i·! I·i·i·, i·i·i·i·!(姉はどうしていつもこうなの!私が一番彼女を必要としている時に、行方不明になるなんて!)」
「Ú·i·, Aewithil.(そんなことを言うな、アイウェシル)」
アイランサーの声が突然軽くなった。アイウェシルが一度も聞いたことのない、詫びるような響きを帯びて。
「I·i·——i·i·i·.(お前の姉は……私のために戻れなくなったのだ)」
アイウェシルは呆けた。
アイランサーは彼女の視線から逃げなかった。
彼女は流雲城で起こったことを――婚礼、虹蛇、スタシスの「犠牲」――一つ一つ語り出した。
沈黙が、潮のように二人の間に広がった。
「Manen……manen? I·i·?(なに……なに?姉は……死んだのか?)」
「Ú·.(いいや)」
アイランサーの答えは速かった。まるで自分自身に言い聞かせているかのように。
「I·i·. I·i·, i·i·i·. I·i·i·i·——i·i·i·.(決してそんなことはない。彼女の性格なら、死ぬはずがない。あのエコーという者も神の欠片だ。彼女は虹蛇を追いかけた――きっと小さな星を見つけ出せる)」
アイウェシルは何も言わなかった。
彼女はただそこに立ち、自分の手を見つめていた。その手はまだ震えている。
「I·……(姉……)」
彼女の声は低く、ほとんど聞こえない。
「I·i·i·……i·i·i·, i·i·i·……(あなたはどうしていつもそうなの……人を心配させて、それでいて相変わらず自分勝手なんだから……)」
アイランサーは手を伸ばし、アイウェシルの手を握った。
命令でも、支配でもない――ただそっと軽く叩いた。子供の頃のように。しかしあの、息苦しくさせるような重みはなかった。
アイウェシルは戸惑った。
しかし彼女は手を引き抜かなかった。
彼女たちは戦術を話し合い始めた。
空のエルフのように数が多く、遠隔も近接もこなし、猛攻も死守もできる戦団がいれば、確かにまだ戦える。
アイウェシルは地図に何本かの線を引き、アイランサーがそれを補足する。母娘が喧嘩しないのは珍しい。
しかし二人とも知っていた。最後の希望は、自分たちにはない。
スタシスにあるのだ。
もしスタシスが死んでいなければ、彼女は必ず最速でアイセロンに駆け戻ってくる。
彼女たちはただ期待するしかない――エルフが団結して成す軍団が、その日まで持ちこたえられることを。
やはりスタシスに注目してほしい。なぜなら、“神の欠片”に対抗できるのは“神の欠片”だけだからね。もちろん、スタシスが戻ってくることは、みんな分かっているんじゃないかな?




