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8.路地

時間をとって長文にするか、短くてもコンスタントに投稿するか悩みます。

 舞は校舎屋上での昼食を終え、弥生より先に教室に戻った。

「ちょっと馴れ馴れしかったかな?」

 小さな声で自問自答する。


 階段から落ちた私を平野さんは受け止めて助けてくれて心配そうに声をかけてくれた。

 病欠前は高校から金白学院に入学したいわゆる24金組だ。

 

 幼稚園から金白学院に通う生徒は『プラチナ』、小学校からは『純金』、中学から入学する『18金』、高校からだと『24金』とまことしやかに言われる。

 ちなみに大学から通い始めると『メッ金』と言われる。


 通称からイメージできるように早いうちから入学できる生徒ほど親の財力や地位が良いという印象を与えるので商売が成功した人物は年頃の娘を入学させようとする。


 生徒はそのステータスでコミューンを作る。

 『プラチナ』や『純金』は有名企業の社長の娘などが多く上流階級の人間ばかりで気位が高かったりする。

 『24金』になると生徒数が増える事も有り年収が多いと入学できるので割と考え方が一般人よりだ。

 その為、話も合わずお互いのコミューンを作ってしまう。


 では、舞のいる『18金』はというと中学からの入学は小学部からの生徒数が増えないので入学者数が少ない事が有りコミューン自体がそうできない。


 

 舞の両親はN市で何代か続く小さなレストランを経営していた。

 父親がコックを母親が経営していて両親共に素朴で誠実な人柄でまじめに仕事をしていた。

 N市は両親の地元で店舗自体が自分の土地であるため地代が掛からず店も先代から譲られた事も有り、無理して売り上げお上げ無くても生活ができるので、安くておいしい店として人気が有ったがメディアに取り上げられるようになると客は倍増、それに合わせて店舗を広げると売り上げが上がり、2号店を作りそこが売り上げを上げまた支店を作りを繰り返しA県ではよく見かけるチェーン店になっていた。


 舞が金白学院に入学するのもどうしてもというものではなかったが年の離れた兄姉がコックや事務をして手伝っており跡継ぎの心配が無く自分の都合をしつけるのは心苦しく思って『お前は好きなことが有ればそちらの道を進めばいいよ』と付け加えながら金白学院に入学をしてくれないかと頼まれた。


 幼心に兄姉が両親を手伝っているのを見てあたしもと思い父親の金白学院入学の頼みを了承した。

 入学すると少数とはいえ18金の仲間がいたが高等部に上がると生徒数が増え、中等部でのクラスメイトとは離れ離れとなり、元々社交的では無い性格なので新しい友人ができず一人でいることが多くなった。


 いじめられている訳では無いので辛くはないが友達と和気あいあい喋るクラスメイトをみて『いいなぁ』と小さくため息をつくことが多かった。


 道子に助けられた後、礼を言いに行ったのは本心からだったが

 

「あの時の感触と気持ちは何だったんだろう」

 不思議に思った事と、そっけなくも拒絶しない態度に寂しかった気持ちから打算が入り友達になりたかったからだ。 

 だから昼食のたびに道子の隣に行くようになった。



「いきなり一緒に行動しようなんて馴れ馴れしかったなぁ・・・」

 目的の参考書を買いに台巣町の大型書店の参考書コーナーで目的の物を購入し、ライトノベルコーナーをぶらついていた。

 本が好きでよく読むが、最近勉強の合間に休憩がてらに読むのに女性向けのそれは気分転換に良かった。


 新刊コーナーのイケメンに抱きかかえられたヒロインの絵が描かれた表紙の本に目が行き手に取る。


「あの時の平野さんカッコよかったな、表紙の人みたい・・・」

ふとそう思った。

「何考えてるの、平野さん女の子だし・・・、いやそうじゃなくて!」

 色々考えすぎてパニックになる。

 急にそんなことを思ってしまった舞は軽くパニックになりその本をレジに通して帰路につく。


「思わず買っちゃったな」

 お小遣いはしっかりもらえてるので単行本の一冊や二冊を購入しても何ら痛手では無いが、庶民感覚が抜けない舞は無駄遣いに心が痛んだ。


「あれ、ここどこだろう?」

 台巣町は下町が発展していったところなので店の多い賑やかなから一本路地に入ると歩行者しか通れない細い道が多く迷路状になっている。

 いかがわしい店が多くは無いがアンダーグランドな感じしない場所が無い訳では無い。

 ボーと考え事をしながら歩いていたら道を間違えて来ていたようだった。


「あれ、その制服金白学院の制服でしょ?こんなところで何してるの?」

 背後から舞は声をかけられた。

 振り向くと二十歳ぐらいの軽薄そうな二人組がいた。

「金白学院ってお嬢様学校って聞いてたけどこんなとこに来んだ」

「俺たち大学のイベントサークルのメンバーなんだけどこんなとこに来るなんて危ないよ~、そうだ!これからうちのパーティーあるんだけど行こうよ」

「えっ・・・、その・・・」

 怖くなり振り向きなおし逃げようとしたが、その先にも似たような男が道をふさいでいた。

「逃げるなんて傷つくなぁ~、そうだ慰謝料代わりにパーティーに来てもらおうぜ」

「そりゃいいな、良し行こう!」


 壁に追い詰められ舞の腕を掴もうと男の手が伸びるがその手は舞に触れる事は無く、逆に背後から掴まれていた。


「私の友達に何か用ですか?」


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