表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼竜物語  作者: レオ
99/255

十二章 全てを知る者

 血と泡の混じった飛沫が、叫びと共に吐き出される。


「ざっけんなぁ~!」


 完全に塞がっていない胸からは、血が滲み出ている。


 フェンリルは立ち上がると、怒りの矛先をナーガへと向けた。


「てめぇもだ!何で止めなかった!こうなる事は解りきってただろうが!それとも何か?用無しになったからどうなろうと知った事じゃねーてか」


「私とて止められたなら止めていた。全てはお前を救いたいというマスターの意思だ。フェンリル貴様に頼みがある」


 驚きでフェンリルの目が大きく開く。


 ナーガが頼み事を自分にするだけでも珍しいのに、負け犬でも犬でもなく名前を呼ばれた事に驚いたのだ。


 頼みを聞いてフェンリルの顔が苦悶に歪む。


「そんなもん残ってる訳ねーだろ。完全に食われちまってんだ。万が一手に入れれたとしてももう元には戻らねぇ。それからどうすんだ」


 ナーガは厳しい表情をさらに厳しくする。


「私は約束を破ったマスターを殴ってやらなければ気が済まない」


「てめぇ人の話しを聞いてなかったのか?もう元には戻ら・・・」


 そこまで言ってフェンリルはナーガの言葉の真意に気づく。


「そうか、てめぇ何かに気づきやがったな。なら俺様は乗ったぜトラブルは大好物だからな。俺様もあの馬鹿はぶん殴ってやらねーと気がすまねぇ」


 フェンリルとナーガの前に、光り輝く門が現れ開く。


 契約によって閉ざされていた、それぞれの世界への道へと続く門。


「ミスるなよフェンリル」

 

 馬鹿にするなという表情を浮かべ「誰に向かってもの言ってやがる。俺様は生まれてこのかた無敗のフェンリル様だぜ」と門へ飛び込む。


 ナーガも「貴様は一敗だろ」と自ら開いた門へと飛び込んだ。


 神界へと続く道を傷ついた翼で飛びながら、ナーガは思考を巡らせる。


 ルークが食われた時、側にいたナーガは見た。


 通常身体から魂と順番に食われていく。


 力が足りなくてただ食われただけなら、魂を糧としていないナーガがその魂を見る事等出来ないはずだ。


 それが一瞬とはいえ見る事が出来た。

 

 その時に何かが起こったのだ。


 そして気づいた。


 それは不可能とされていた為、思考の外にあった可能性。


 理由は解らないが、不可能が可能となるならもう一つの不可能も可能なはずだ。


 二つの契約。


 古き神を支える人間の存在。


 自分とフェンリルが選ばれた理由。


 ナーガは確信していた。


 全ての答えは神界にある!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ