表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼竜物語  作者: レオ
36/255

(2)

 街の中央に向かって行くと、ルフツネイルの敷地をぐるりと囲んでいる高い壁が見えて来る。


「こっからがまた長いんだよね」


 ここから壁づたいに歩いて、入口までさらに数分かかる。


「ナーガに乗って壁越えれたら早いのに」


 僕のぼやきに、ナーガが呆れた口調で答えた。


「かなり強力な結界が張られているから、よした方が無難だな」


 ナーガが言うには、力ずくで破れない事もないが、騒ぎになるのは確実らしい。


 ルフツネイルは、各国要人の子弟を受け入れているだけあって、警備もとても厳重である。


 ファンリが都市として独立を保っていられるのも、ルフツネイルを始めとした学校の存在が大きい。


 高い教育で各国要人の子弟が集まる事によって、学校は一種の社交場としての役割もあり、ルークのような才能がある若者を集め、無料の人材派遣所としての役割も担っている。


 要人の子弟は、高い教育と将来の各国の要職に就く人物との、人脈作りと能力の高い人材の発掘。


 ルークのような特待生は、就職先の確保。


 実際、要人の側近として働いているルフツネイル卒業生は沢山おり、ファンリの独立性を保つ大きな力となっている。


 校門でルークは腕輪をつけ、ナーガはペンダントを受け取り門をくぐる。


 腕輪はさらに中にある校門を通り、校内に入る為の印。


 ナーガが受けとったのは、一番外を囲う壁を通る為の許可証である。


 使い魔であっても、校内まで入る事は出来ない。


 自ずと授業が終わるまで外で待つ事になり、フェンリルはその退屈な時間を嫌がっている。


 中に入ると芝生で整備されており、隠れながら校舎のある一角に近づく事が出来るような、身を隠せるようなものは何もない。


「ルークさーん」


 二つ目の校門の前で、黒髪の目がクリっとした少年が、僕に向かって手を振っている。


 身につけている服は質素に見えるが、高級なシルクをふんだんに使っており、特待生ではなく上流階級の出である事が伺える。


 僕はその少年に手を振り返し「リュートが待ってるから行ってくるね」とナーガに言い残し、少年のもとに駆けて行った。


 リュートと呼ばれた少年は、ランバルの貴族でルークの一つ下にあたる。


 同じランバル出身である事からルークと親しくなり、カダルフィークで同年代の子供のいなかったルークにとって初めての友達と言えた。


「わざわざ校門まで出て待っててくれたの?」


「午前の授業一緒ですよね」


 僕は時間割を思い出す。


「午前は確か剣術だっけ?」


 頭半分ほど僕より低いリュートは頷き「急がないと遅刻して先生に怒られますよ」と急かす。


 頭に筋肉ムキムキスキンヘッドのバルガス先生の姿が浮かぶ。


 王族であろうが貴族であろうが、容赦なくスパルタで鍛えるバルガス先生は、生徒の恐怖の対象だ。


 僕は身震いすると、新しい友達のリュートと校舎の中に入っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ