表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼竜物語  作者: レオ
23/255

(7)

 目尻から思わず涙が零れ、心の底からうま~いと感想が漏れだす。


 僕は部屋に運ばれてきたサンドイッチを、涙ながらに食べていた。


 だって本当に美味しいんだよ!空腹は最高の調味料て言うけど本当だね。


 ナーガはお上品に、フェンリルは・・・犬食い。じゃなくてちゃんと椅子に座って、前足で挟んで食べてるのが微笑ましい。


 僕等が泊まる部屋は、ベッドが二つにテーブルと椅子がある簡素な部屋だけど、何といってもお風呂があるのが嬉しい。


 そこに、一階の食堂から五人前のサンドイッチを、運んで貰ったんだけど、あっという間に僕等のお腹の中に消えていった。


「ごちそうさま」


 お腹いっぱいって本当に幸せ。


 今まで空腹を、経験させてくれなかった父さんに感謝。


「マスター」


 フェンリルが、片前足を出している。


 これはお手って事かな?僕がそっと右手を乗せたら、甲を叩かれた。


「違うだろ。俺様の御蔭で半額になったんだから小遣いくれ」


 小遣いって?


「何に使うの?」


「プレゼントを買うのさ」


 プレゼントって、そんなふうに買うものだろうか?でも、宿代が安くなったのはフェンリルの御蔭なので、前足にそっと銅貨を置いてあげた。


「チッしけてやがんな。まあいいや」


 フェンリルは銅貨を受け取ると、踵を返し窓から飛び出していった。


「ちょっとここ二階!」


 慌てて窓から見下ろすと、フェンリルは既に路地の角を曲がるところだった。


「・・・お風呂入ろう」


 僕とナーガが、お風呂に入ってから暫くするとフェンリルが帰って来た・・・窓から。


「ちゃんとドアから入ろうよ」


「堅苦しい事いいなさんなって。ほら、とかげにプレゼントだぜ」


 くわえてた紙袋を僕に渡す。


 プレゼントってナーガに?もしかして仲直りしようって、わざわざプレゼントを買いにいったの?


 僕は、感動しながら紙袋の中身を取り出すと・・・ピンクのリボン。


「これつけときゃぬいぐるみからペットになれるだろぶひゃひゃ」


 確実に部屋の温度が下がっていく。


 ナーガを見るのが怖い。


「フェ、フェンリルもお風呂に入ろうか」


 俺様はいいと、言い張るフェンリルの尻尾を引きずるように、お風呂場に避難する。


 足が背中に届かないので僕が背中を流し、湯舟に入ったフェンリルの頭に、濡らして絞ったタオルを乗せてあげると気分が良くなったのか、調子外れの鼻歌を歌い始めた。


 頭にタオルを乗せて下手くそな鼻歌を歌う狼。


 見世物小屋にいっても人気者間違いないね。


 湯舟から出たフェンリルを、ブラッシングしてあげる。


「俺様は幸せな使い魔だぜ」


 ほんの数日前迄言ってた事と違う。


 僕は気付かれないように、尻尾にリボンを蝶々結びにして付けてあげた。


 騎馬民族は、足癖の悪い馬の尻尾にリボンを付けるらしいからお似合いだ。


・・・後でナーガが笑って、気付いたフェンリルに往復ビンタされた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ