77、サフィーナストーリーズ 3
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ふぅ……やっと帰ってこれた。足を怪我した時は、完全に終わったと思ったからね。そんな私も神様は見放していなかった。本当にサフィーナちゃんに会えて良かった。ちょっとツンツンしてるけど可愛いし、魔法だって使えるし……ん?魔法って使える人って伝説の勇者くらいだったような……いやいや、サフィーナちゃんも使えるから、そこまですごい技術じゃないんだろうな。
そんなことを考えながら、私たちはハクト皇国の都、レルクの関所をくぐった。冒険者だったので、特に通行料もなく素通りだったんだけど、ルールやマナーについてはしつこいほど注意事項があった。やれ、ごみのポイ捨てはするなとか、公序良俗に反するような格好をするなとか……これでも、私はレルク出身だってのに。ま、あぁ、レルクでも最貧地区の出身だったけどね。
レルクの表通りはゴミ一つない清潔で独特の建物が綺麗に区画整理されており、エンヴィー大陸屈指の美しい都市だ。至る所に、警邏の兵士が立っているが、物腰が柔らかく高圧的な印象は受けない。ハクト皇国の人って争い事が嫌いな人が多いからかな。2つほど通りを入ると、それなりにゴミが落ちているが、すぐに『ゴミ拾い』達がそれを奪うように回収してしまう。この都市では、ゴミはそれがどのような物であっても回収され再利用される。例えそれが生ごみであっても、堆肥として農家へ売られるのだ。
とはいう私も、冒険者の前職は『ゴミ拾い』だったんだけどね。こう見えて私は、ゴミには煩いのよ。……ってどこで自慢するのよって話なんだけどね。
「レイラー。お腹空いたー。美味しいご飯屋さん、もしくは屋台教えてー。そろそろお腹とお尻がくっつきそうだよー。」
「はっ!?それどういう状況!?ってか、あんなにあった干し肉全部食べちゃったの!?少なくとも2人で1週間分はあったと思うけど……」
サフィーナちゃん、あの小さな体のどこにあんな大量の食べ物が消えていくんだろう……あの村からレルクまで3日間、全く余裕だと思ってたのにぃ……
「あっ!あそこの屋台おいしそーだ!!この匂いは間違いないよっ!!レイラ先行ってるねー!」
速っ!!さっきまで隣りにいたのに、もう屋台の前でお金払ってる。あ、3本も串焼きを買ってるってことは……なーんだ、サフィーナちゃん、私の分も……いいとこあるじゃん♪
「サフィーナちゃん、ありがとねー。私の分まで串焼き買ってもらっちゃって。」
「ほぇ?はにひっへんの?」
な、何ぃ……串がもう1本しかない。振り向く瞬間に2本ともいったの!?そして、3本目に口をつけようと……あぁ……一口がデカイ……串の半分ほどが消えた……
「えーと、一応念のために聞いておくけど、私の為に串焼きを買ってくれたんじゃ……」
「ないよ。自分の分。食べたかったら買えばいいよ。美味しいから。ここの串焼き。」
はぁ……サフィーナちゃんは、サフィーナちゃんだったか……。
「い、いやぁ……あそこの屋台村は美味しいのは解ってるよ。でも、今はお金がちょっとね……先に冒険者ギルドに言って報酬貰わないとね。後は魔物の魔核なんかも売って少しでも足しに……ん?何これ?」
サフィーナちゃんが鞄から何かを取り出して、私に差し出す。見ると、マーファさんから取り出した魔核モドキだった。
「あ、これ持ってきちゃったんだ。でも、これ売れるかな?だって、人間から出てきた物でしょ?まぁ、綺麗っちゃ綺麗だし、売れそうではあるけど……」
改めて見てもこの魔核モドキは小さくてキラキラとした不思議な物だった。これをペンダントとかにしたら可愛いかも。
「サフィーナもギルドに行ってみる。久々のギルドだし、ゴンダの村で見た変な生き物の事もあるし。」
「それだ!その情報をギルドにしたら報酬貰えるかもしれないしね♪待ってろ!屋台村っ!!報酬を持って帰って来るからな!!」
「あいるびーばっく!!」
「ふぇ?サフィーナちゃん、何それ?」
「いや、よく解んないけど、また戻って来るって意味らしいよ?」
「なんで疑問形……ってか、串焼き3本も食べてまだ食べたりないって何なのよっ!!」
「ふっ……それより、早くギルドに行くよ。レイラ。」
「何で、私は今、鼻で笑われたんだろう……」
にしても、ゆっくりするにしてもお金がない事には何もできないからね。
私たちは速足で冒険者ギルドへ向かった。
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「それでは、ギルドマスターがお待ちです。」
受付の女性が重厚な扉を開けてくれる。中にはロマンスグレーの髪を後ろに撫でつけた大柄な初老の男性が座っている。ハクト皇国人らしく温和な顔をしているが、服を押し上げるような筋肉が鍛えられた者だということを教えてくれる。
サフィーナたちが入ると、何やら机仕事をしていたその男性が立ち上がり、迎えてくれる。
「君たちが例の物を持ち込んだんだね?あ、これは失礼した。私はレルクの冒険者ギルドマスターをしているライゾウという。さぁ、ソファにかけてくれ。お茶を淹れよう。上等なハクト茶があるんだよ。」
ライゾウは大きな体で、テキパキとお茶の準備をしていく。そして、しばらくするとお茶の匂いが漂ってくる。そして、コトリとサフィーナ達の前に取っ手のないティーカップと黒くてテカテカしたものが乗ったお皿が置かれる。
サフィーナがその黒いテカテカを興味深く見つめているとレイラが説明してくれる。
「こ、これはヨーカンだよ!すっごい高級なお菓子だよ。これはじっくりと味わって食べないとっ!!って、えぇぇぇぇ!!!サフィーナちゃん、それ1口で食べちゃうの!?」
レイラの説明も終わらないうちにサフィーナが早速口の中に入れる。しばらく口をもきゅもきゅとすると表情が崩れる。
「食べないの?レイラ。なら、それサフィーナがもらってあげる。ほら、それを寄越せ。」
「いやいやいや、あげないから!!それに今、食べてるでしょーがっ!!『寄越せ。』って何よ!!恐喝かっ!!ここは路地裏じゃないんだよっ!!」
「じゃ、レイラ、今から路地裏行こう。」
「行くかーーー!!絶対、ヨーカン脅し取るつもりじゃん!!あー……もう……えい!!パクっ!!」
レイラは何度か逡巡したが、思い切って残ったヨーカンをすべて口の中に入れる。そして、レイラはすべての神経を舌に集めて、全力でヨーカンを味わっている。
「はっはっはっは!!なかなか賑やかな人たちだ。よかったらお土産で1本持って帰るといい。それで、そろそろ本題に入らせてもらうとしよう。例の魔核のことなんだが……見せてもらってもいいかな?」
ライゾウが孫を見るような目で二人を眺めていたが、終わりそうにないと思ったのか、口を挟む。
「いいよ。はい、これ。受付の人にも説明したけど、これ、人間の中から出てきたの。これが胃の中にあったから病気になってたの。魔力を吸い取ってたみたい。」
サフィーナは鞄からキラキラとアクアブルーに輝く宝石なような物を取り出す。それを見た瞬間、ライゾウの目が変わる。
「では、この魔核はどのようにして取り出したのかな?まさか、その人間を殺してということではないのだろう?」
「魔法で回復させながら取り出したんだよ。結構大変だったけどね。それから、妙なのを見たの。人間みたいだけど魔物みたいなの。もしかしたら、この魔核モドキと関係があるかもしれないよ。」
「ほぅ……人間のような魔物か。もしかしたら、〝魔人病”のことかも知れないな。」
「〝魔人病”?レルク出身の私も、そんな病気、初めて聞いたんですけど……」
レイラにとってその病は危機馴染みのないものだった。
「これは新種の病でね。それに一部の者しか知らされていないんだよ。さきほど、サフィーナさんが言われたような人間みたいな魔物、いや、人間が魔物になる病がスラムを中心に流行しているんだ。もしかしたら、この魔核を取り出すことが出来れば、治療も可能なのかもしれないのか……これは大発見かもしれない。」
ライゾウは静かに、しかし、興奮した様子でそう告げる。
「しかし、〝魔人病”の原因が全くと言っていいほど解っていないんだよ。この魔核モドキを取り出した村で、何か見聞きした事はないかな?何でもいい。」
「えーと、確か、マーファさんが行商からお菓子を貰ったとか言ってたっけ?怪しいと言えばそれかなぁ。」
レイラが顎に手を当ててそう言う。
「ふむ……行商か……なるほどな。今日は色々と参考になったよ。魔核モドキの除去と例の行商については手を打っておくことにしよう。ありがとう。」
ライゾウは立ち上がり、頭を下げる。
「あ、そういえば……サフィーナ、アキラって人探してるの。ライゾウは知らない?」
「アキラ?うーん……アキラねぇ。レルクに住んでる人なのかい?」
「解らない。でも、サフィーナはそのアキラって人に会わなきゃいけないの。」
「そうかい。なら、私の方でもその人を調べておこうか。帰りに受付に声をかけるといい。今回、レイラの報酬とこの件についての情報料、それから例のヨーカンを受け取れるからね。ちょっと報酬に上乗せしてあるからね。」
ライゾウは人好きのする笑顔で、そう言った。
「よし!レイラ。すぐ受付行こう。ヨーカンはサフィーナの物だから。」
すでに、サフィーナは立ち上がり、扉を開けて部屋の外に出ようとしている。
「速っ!!えーと、あの、ギルドマスター。こちらこそ色々とありがとうございました。ちょ、ちょっとサフィーナちゃん!ヨーカンは2人で別けますからねっ!!あっ、それじゃ!失礼しますっ!!」
レイラは慌ててライゾウに頭を下げると、急いでサフィーナの後を追いかけ部屋を出ていった。
「アキラ……か。懐かしい名前を聞いたな。」
誰もいなくなったギルドマスターの執務室で、ライゾウはポツリと呟いた。その瞳には深い悲しみが湛えられていた。
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みすぼらしい姿の男が、今にも崩れ落ちそうなボロ家の中に佇んでいる。少し傾いた机に向かい、紙に何かを書き込んでいる。さらに、男の周囲には羽ペンが数本、宙を舞っている。そして、その羽ペン1つ1つが個別に意志のあるように紙の上で踊っている。
こんなものか……実験の経過はまずまずといった所か……ただ、暴走化の時期が安定しない。これをある程度コントロールすることが出来れば、良質の魔力を安価で供給できる。これは偉大なる第一歩だ。これで吾輩の研究はさらなる躍進を遂げるのだ!!ふはははは!!!
男は机の上の紙を巻き上げる。すると男を中心に細かな文字が並んだ紙が渦巻き、しばらくすると、綺麗に綴じられ、1冊の本へと仕上がっていく。男は出来た本を手に取ると、懐にしまう。
男は傍らに掛けていた外套を纏い、机に置かれた飴玉を数個、懐に入れる。そして、扉を開け、レルクの街へと男は消えていった。
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何だろう?人だかりができてる。
レイラに家に寄ってかないか言われてレルクのスラム街を歩いていると、すこし開けた場所に20人ほどの人たちが集まっていた。
「ん?なんだろな?うちの家の前なんだけど……あれじゃ、家に入れないっぽい。」
レイラが困った顔で人だかりを覗き込んでいる。
「なら、サフィーナが行ってきて『どいて!』って言ってくる。」
サフィーナは人だかりの中心に潜り込んだ。そこでは、野暮ったい外套を着た男が何やら喋っている。
「今日だけ特別!!遥か西方のドクトル共和国のお菓子を特別価格で販売するよ!!でもでも、味が解らない?本当に美味しいのかって?それはごもっとも!!お一人様1つまでなら、味見も認めようじゃないか!!どうだい?美味しくなかったら買わなくてもいいよ!味見だけでも大歓迎!さぁ、どうだい?早くしないとなくなっちゃうよ!!」
男の口上がスラムに響き渡る。それに釣られるように人だかりはドンドンと大きくなり、すでに50人ちかくが集まりだしている。
「ここで集まると邪魔だから、他所でやってよ!家に入れないから!!」
サフィーナは男に負けないほどの大声で叫ぶと、その男はチラリとサフィーナを睨む。でも、次の瞬間、笑顔になりさっきまでの口上のような軽快な口調で話しを続ける。
「それはそれは、お嬢ちゃんの家の前だったのかい。それは申し訳ない事をしてしまったね。よーし!これはお詫びの印!西方ドクトル共和国の珍しいお菓子だよ!一口食べるとほっぺたが落ちるほど美味しいよー!それを上げるからもう少しだけ待っててくれるかな?もうすぐオジサンの仕事終わるからね?」
男はそう言って、サフィーナに綺麗なアクアブルーの飴玉を差し出してきた。
これは!? とっても美味しそう……パク……モゴモゴ……ん!?んんんん!?
「この飴!!とっても美味しい!!サフィーナ、これ気に入った!!あー、この家、あっちにいる子の家だから、その子の分の飴もちょうだい。」
この飴をサフィーナだけ食べたら、またレイラがうるさいしなー。さっき貰ったヨーカンも1口で半分以上食べたら、泣きながら怒ってたし……これで、サフィーナを崇めるといい。ふふん。
「レイラー。美味しそうな飴貰って来たよー。ほら、感謝して。感謝。」
サフィーナは自慢げに飴玉をレイラに差し出す。すると、レイラは何故か眉間に皺を寄せてその飴玉を凝視している。なになに?この飴玉ってそんな珍しいの?
「サフィーナちゃん。色々ツッコミたいことはあるんだけどね、この飴玉はあの人だかりの真ん中の人に貰ったのよね?」
「そうだよ。『どいて!』って言ったんだけど『ちょっと待ってね。』って言われて、かわりにこの飴をレイラの為にわざわざ貰って来てやったのー。」
「言い方が恩着せがましいわ!!もしかして、今口モゴモゴさせてるのって、もう食べてたりしてる?」
「うん♪これ、めちゃくちゃ美味しいよ。いらなかったらレイラの分、貰ってやるのも吝かではないよー。」
「だから、言い方!!って、それより、早くそれ、出したほうがいいんじゃない?ってか、そんな怪しげなモノ気軽に食べてんじゃないわよ!!その飴玉見て、何も気づかないの?」
「サフィーナの吐き出した飴玉まで狙うとは、レイラって食いしん坊なんだからー。……ん?気付く事?」
とっても名残惜しいけど、一度、口から飴玉を出して眺めてみる。テラテラと輝くアクアブルーの飴玉。まるで宝石みたい……ん?これ、最近どこかで……あっ!!
「魔核モドキ!!!」
レイラはやっと気づいたかという風な見ているとイラッとする表情をしている。むむむ……せっかく飴貰ってきたのに……。
改めて、飴玉を見ると薄らと魔力を帯びている。貰った時は魔力なんか放ってなかったのに……。サフィーナが舐めてた間に魔力を奪われたのかな?
「なら、今、レイラの家の前で飴配ってる男がマーファをあんなにした犯人ってこと?」
「ま、まぁ、その可能性は高いかもね。どうする?サフィーナちゃん。走ってギルドに報告してくる?」
レイラは少し不安げにサフィーナの事を見つめてくる。
「よし、あの男を捕まえよう!〝魔人病”の原因作った悪い人かもしれないんでしょ?それじゃ、ちょっと行ってくるね?」
「ちょっと!!何、気軽に言ってんの!!買い物に行くんじゃないんだよ!!ここは作戦を立てて、慎重に……って、もういない!!」
何かレイラがうるさくなってきたから、後で話を聞くとして……とりあえず、全員眠らせればいいかー。
「樹木魔法『眠りの花粉』」
キラキラと輝く花粉が人だかりに降り注いていく。あ、これレイラも寝ちゃう……まぁ、大丈夫だよね?
人だかりの人々は次第に目が虚ろになり、バタバタと倒れていく。中心にいた男もその場に倒れ込む。ついでにレイラも……。
よし、みんな寝たかな。他の人たちが来ないうちに、この男をレイラの家に運び込んじゃおう。あ、ついでにレイラも……。
ふぅ。これでいいかな。男は椅子に縛り付けたし、魔法使えないように口の中に布突っ込んだ。改めて見ると、20歳半ばのまだ若い男だった。茶色い髪の中肉中背、のっぺりとした顔のハクト皇国では比較的よく見る顔立ちの男だった。とりあえず、レイラ起こすかな。
「ん、んん……あれ?サフィーナちゃん。おはよ。あれれ?ここ私の家……なんで寝てたんだっけ?」
「ああ、おはよ。レイラ。家の前に人だかりがあったからまとめて魔法眠らせたんだよ。覚えてないの?まったくレイラなんだからー。」
「ちょ、ちょっと待てぃ!!魔法で眠らせたって……何で私まで巻き込まれてるのよっ!!で、私の名前をダメなものの代表みたいな言い方しないでよっ!!」
「まったく起きたてなのにうるさいなー。今から男を訊問するからレイラ、楽しみかと思って起こしてあげたのにー。」
「勝手に訊問好きのキャラ設定つけないでよっ!!ふっふっふ、五体満足いたかったら知ってること洗いざらい吐くんだなっ!!っとか言わないからっ!!」
「い、いや、何もそこまでは行ってない……」
レイラが若干壊れ気味だ。ここは触れずに、男を起こすかな。
ぺちぺち ぺちぺち べちん べちべちべち バシン
「いふぁい!いふぁいあっ!おうおいえうっ!(痛いっ!痛いわっ!!もう起きてるっ!)」
少し強めにほっぺたを叩くと、男は目覚めたようだ。
「この飴玉のこと聞きたいの。これ、魔力を吸収する魔核モドキだよね?〝魔人病”を原因を振りまいて何するつもりだったの?どこの誰?」
サフィーナは男の顔に飴玉を突き付け質問する。すると、男は一度、立ち上がろうとするが縛られているため動けず、暴れようと「うーうー」と唸っている。
「えー、サフィーナちゃん。とりあえず、話を聞くんだったら、口の布取ってあげるといいと思うよ?」
しばらく、男の様子を眺めていたレイラが口を挟んできた。お、なるほど、そういえばそっか。
サフィーナは男の口から布を取り出す。
「ぎゃああああ!!サフィーナちゃん!!何てことしてんですかっ!!レイラの……ごにょごにょ……をこんな事に……」
レイラは顔を真っ赤にしてその布を奪っていく。なにしてんだろ……男の涎でベトベトの布なんか奪って……
「レイラ、何そんなに怒ってるのー?その布ってそんな大事なものだった?」
「私の下着よっ!!しかも、結構お気に入りだったのにっ!!」
「ぶふっ!!!」
あ、男が吹いた。レイラのパンツを口ん中にツッコんじゃったか……男の人には悪い事したかな。
「でも、その辺に落ちてたんだけどな、レイラのお気に入りのパンツ。それに、この家、ちょっと掃除した方がいいよ?そこにも、落ちてるし。パンツ。」
「ぎぇええ!!見るな!見るなー!!これで、男の目を隠してっ!!ってぎゃああああ!!!コレ、私のブラだったぁー!!サフィーナちゃん!手で目を隠して!!いや、自分の目を隠すんじゃなくてっ!!男の目を隠せってのよコンチクショー!!」
何かレイラが一人で騒ぎ始めた。そして、必死に片付け始めるが、そこら中に落ちているモノを一気にクローゼットの中に放り込んでいるだけに見える。
「はぁー…はぁー…はぁー…はぁー…こんな事になるなんて……少ーしだけ掃除してなかった私を呪うわ。」
うん、とりあえず、レイラの発作が収まったみたいだ。
「えーと、改めて質問するね。この飴玉の事、色々教えてくれる?〝魔人病”を広めて何をする気だったの?何が目的なの?」
主に、レイラのせいで、なんかサフィーナも疲れたけど、ここまで来たら色々聞かないとね。
「〝魔人病”?何だそれは。吾輩はそんな病を広めようなどとは考えてないのだ!偉大なる魔術研究家であるアキラ・ダンフォールは、世界の為の偉大なる実験を行っていただけなのだっ!!」
男は縛られているにもかかわらず、胸を張ってドヤ顔で宣言する。
……ん??
「今、アキラって言った??」
最後まで読んでくださってありがとうございます。
※次回の更新は10/28を予定しております。




