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58、裸の王様

 †



 意外な声に、宴の場はしんと静まり返る。

 ザハルのクセにやるじゃないか。見直した。っていうか、こんなキャラだっけか?


「な、何を叫んでおる!森の猿風情がっ!!国王様の御前であるというのにっ!!」

 モリアーニがそれに反応する。

「人間風情が何を言うかっ!!ここにはアイリーン様というハイエルフ様もいらっしゃるのだ。無礼はお前らだということが解らんのか!!」

 それにザハルがまた反応する。あ、うん……やっぱりザハルだ。でも、これは核心をついているよな。お互いを認めない限り、この話は平行線なのだ。


「ザハルさんっ!!」

「モリアーニっ!!」


 アイリとエドガーが声を上げる。アイリは困ったような顔でザハルを見咎める。エドガーはうんざりとした様子でモリアーニを止める。


「さっきの言葉、ザハルさんのいう事に私も共感しました。『共に生きやすい環境を作る』。ザハルさん、人間だとかエルフだとかそんな考えはもう置いておきましょうよ。」

 アイリがザハルを宥める。その言葉にひどく恐縮したようなザハル。


「モリアーニ。帝国としての誇りがどうとか申していたな。そんなものもはや捨てたぞ。ふぅ……私もようやく気付かされたようだ。ザハル殿といったな。確かに茶番だな。そのようなことは私も解っていたのだ。帝国での皇帝になる夢が散り、命からがらここへと逃げ込んだ。いつか再起を果たしたいと考えていたが、私を慕ってついてきてくれた者たちを蔑ろにしていたのだな。そのような者に王を名乗る資格などない。それから、ユウマ殿、このような茶番に付き合ってくれて礼をいう。」

 エドガーの目はそれまでの神経質なものではなくなっていた。何か憑き物が取れたような顔になっている。


 俺はエドガーを樹木魔法で探ってみる。数人の家臣たちからエドガーは帝国への再起のためと、祭り上げられていたようだ。本人も無理とは解っていたが、甘言に乗り、国王を演じていた。その家臣の中にはモリアーニもいるようだ。王と呼ばれることで現実逃避し、〝裸の王様”に成り果てていたってわけか。


「ふんっ!!私は気分が優れぬ故、退席さえていただくっ!!」

 モリアーニがそう言うと、家臣と騎士の中の幾人かもモリアーニと同様に宴の席から出ていった。

 語るに落ちたとはこの事だ。今の奴らが帝国と通じている奴らってことか。念のため、ここにいる人たちを樹木魔法でチェックしていく。うん、他は皆〝シロ”のようだ。


「ユウマ殿。お見苦しい所をお見せしたな。これで、私も国王を辞める決心がついた。今いる者たちを守るためにできるだけの事はしようと思うぞ。まずは村長から始めるか。はっはっはっは!!」

 うん、ここまで尊大な村長は初めて見るけどな。

「そう言ってもらえると俺たちも助かります。王様の前だと、俺たちメンバーはどうしていいか正直解りませんから。」

 俺は、そう言ってこれまで緊張しっぱなしのアヤノたちを見る。アヤノなどは笑顔が引き攣りピクピクと痙攣をおこしている。ま、サフィーナは平常運転でノアに絡んでいるが……。


「それでは、改めて私たちは『エルドラン』へ協力することを約束する。メイア殿、ザハル殿、そして他の者たちへも、これまでの非礼の数々、申し訳ない。」

 エドガーは深々と皆に向かって頭を下げる。残った家臣や騎士たちは驚きの声を上げる。

「少しの行き違いがありましたが、私たちはもう気にしておりません。ねっ!ザハルさん?」

 メイアがザハルの方を見る。

「ん?あ、ああ。気にしてなど……オリマセヌヨ。」

 って気にしてるしーー!!!後半カタコトになってるよーー!!でも、まぁ、ザハルが今回のMVPだろうな。


「まだまだ料理がありますので、皆さんお楽しみください。」

 ミムラさんが再び宴を盛り上げようと、楽隊たちに音楽を奏でさせる。俺もインベントリに詰め込んだお菓子などを振舞った。宴は夜遅くまで続けられた。



 †



「早く荷物をまとめさせろっ!今夜中に、こんな場所から出ていくぞっ!」

 モリアーニが兵士たちに指示して家財道具をまとめさせている。他にもモリアーニと一緒にここを出ていくことにした家臣3名と騎士2名、そしてその家族や兵士たち合わせて30名が慌ただしく荷造りをしている。他の住人には知られないように、密かに集まった者たちであった。


「モリアーニ卿。ですが、夜は魔物の動きが活発で危険では……」

「ふんっ!騎士のクセに魔物に臆しておるのかっ!それに、エボンからの軍がこちらに向かって来ているのだ。2日もすれば合流できるではないか。」

「それはそうですが……」

「言い訳は聞き飽きた!早くしろっ!」

「は、はいっ!!」

 モリアーニの館はエドガーのものを少し小さくしたものだったが、他の家々よりも遥かに立派な物だ。その前には数台の馬車が用意され、次々と荷物が積み込まれていく。そこにはエドガーの館から失敬して来た美術品や宝飾品なども含まれていた。

 


「出発準備完了しましたっ!」


「時間がかかり過ぎだっ!ほれ、お前たちも行くぞっ!ようやく帝都へ帰れるのだ。」

「もうこんな森の生活はうんざりよ。やっとなのね。」

 モリアーニたちは数人の愛妾を連れて、馬車に乗り込む。


 時刻は真夜中近くになっている。馬車に乗れない者たちにとって、寝ずに森を抜けるという強行軍となる。家臣とその家族や騎士たちは馬車や馬に乗れるがそうでない者たちにとっては、かなり過酷な行程となるのは必至であった。


 深夜の森の中に響く馬の蹄の音。森の中はやけに穏やかであった。満月が煌々と照らしてくれることで、灯りも必要のないくらいだ。歩く者たちは皆、無言で自分の荷物を背負い、列に遅れないように必死のようだ。時折、騎士たちが最後尾の者たちを確認している。


「それで、モリアーニ様ぁ、エボンの軍と合流できたらぁ、あたしたちは帝都に帰れるのぉ?」

 愛妾の1人が甘えた声でモリアーニに質問する。

「ああ、私は再び、あのチンケな集落へ引き返すことになるだろうが、お前たちは帝都へ向かってもらえるよう話をつけてやろう。」

 モリアーニのその言葉で、愛妾たちの顔は晴れやかになる。けばけばしい化粧で隠してはいるが、長く続いた食糧難で肌は荒れてボロボロになっている。モリアーニの愛妾であって、この状況だ。普通の人々の状況はこれ以上だと容易に想像がつく。

「えぇーー、モリアーニ様と一緒に行けないのぉ?寂しいわぁ。」

「ふっふっふ。私はエドガーという手土産を持って凱旋せねば意味がないだろう。お前たちは帝都の私の邸宅にでも行って待っていればいい。」

 モリアーニの邸宅などすでにない。ガラハドへと逃げ込んだ時点で帝都の貴族の物となっている。そんなことが解らないモリアーニではない。彼女たちを見捨てるつもりなのだ。すでに化粧で誤魔化せなくなったこの女たちへの興味は、すでに無くなっていたのだ。


「私はモリアーニ様と一緒がいいですわぁ。お世話する人がいなくなるとご不便でしょうからぁ。」

 愛妾たちの中で、一人だけこの事に気付いていた者がいた。

 モリアーニは彼女を睨むが、すぐに顔を崩した。

「ワガママを申すな。ま、一人くらいならいいだろうが。」

「やった。モリアーニ様、大好きですぅ。」

 他の愛妾たちは彼女の行動が理解できないでいる。なぜわざわざ危険な場所へ行こうとするのか。目の前に帝国という文明の地があるというのに、わざわざ未開の森へ行こうとするのか。しかし、彼女はモリアーニにしなだれかかりながらも、他の愛妾たちに軽蔑の目を向ける。モリアーニの側におらずして、愛妾風情に何ほどの価値があるのかと……。


 彼女の名前は、システィナ。奴隷あがりの女性だった。



 †



 翌日、地響きによって目が覚めた。周期的に軽い揺れが襲ってくるのだ。そして、その揺れは徐々にではあるが、強いものになっている。もしかすると、ミムラさんが言っていた魔物の影響かもしれない。


 ノアは不安げな表情でサフィーナに宥められている。ダイチもアヤノも同様だ。これは行動を急いだ方が良さそうだな。


「皆、聞いてくれ。今日は周辺の村々を回って避難を促してもらう。この揺れだ。魔物の話も信用してくれるだろう。クロ子、サフィーナ、それぞれ騎士たちについて行って近隣の村々の避難を手伝え。ダイチとアヤノはサフィーナと一緒にサポートを、アイリとノアはここに残って皆の避難を手伝ってくれ。ミコトは俺についてこい。アイリ、シラユキが戻ったらここにやるからな。何かあったときは意識を飛ばして指示する。クロ子、サフィーナはそのつもりでな。それから逆も同じだ。何かあったらすぐ呼べよ。出来るだけ早く駆けつけるからな。」

 俺の指示に、皆、無言で頷いている。そして、皆、動きやすい恰好に着替えていく。さすがにドレスで避難誘導は酷だからな。


「ゆ、ユウマさん!!恐らく魔物が動き出したようです。避難のお手伝いをお願いできますか?」

 しばらくするとミムラさんがやって来た。かなり慌てている。魔物の出現が思ったより早かったからだろうか。

「解りました。ここはアイリとノアに手伝いを任せています。他のメンバーは俺も含め近隣の村々の避難に向かいます。騎士たちを数人と兵士をお借りできませんか?」

「おぉ、それはありがたい。すでに近隣の村々へ出発する騎士たちが集まっています。ですが、すこし問題が……」

 ミムラさんの表情が陰る。

「問題とは?」

「はい。昨日の深夜にモリアーニ一派が馬車でこの集落を立ちました。そのせいでこの集落の荷馬車の数が足りないのです。」

 そうか、昨日の夜にコソコソと出ていったのは知っていたが、そんな弊害が出るとはな。


「それは、何とかなると思います!」

 口を開いたのはアイリだった。

「馬車は無理ですが、荷車なら私の魔法でできると思います。」

「ん?アイリってそんな魔法使えたっけ?」

「はい、マールさんに聞いたんですが、樹木魔法で木製の物はある程度複製できるらしいんです。やったことはないですが……」

 それは初耳だ。色々と便利だな樹木魔法。

「よし、じゃあ俺とサフィーナも作れるか練習してみよう。あ、見本があったほうがいいな。ミムラさん。大き目の荷車ってありますか。魔法で作ってしまおうと思いますから。」

「へっ!?魔法で?そんなことができるんですね。解りました。今すぐ手配します。」

 ミムラさんは慌てて家を飛び出していく。


「それから、クロ子、【武具創造(クリエイトウェポン)】で荷車って作れるか?」

「荷車ってリヤカーみたいなものだよね……ちょっと待って。イメージするから。タイヤはオフロードにも耐えれるようなゴツイやつで……軽く曳けるように重力制御の属性もつけて……うん、たぶんできるよ。」


 クロ子は家の外にでて、さっそくリヤカーを作って見せる。淡い光が次第い強くなり、それが徐々に形ができていく。そして、かなりデカいリアカーがそこに現れる。人が6人は乗れるほどの大きさがありそうだ。

「おぉ!すげぇぞ!クロウ。お前、こんな事もできたなんてなっ!おぉ!軽い!これなら満杯に乗せても大丈夫そうだな。」

 ダイチがそれを見て早速リアカーを曳いている。これなら、大丈夫そうだな。


「あ、私もこれを見本に作ってみるね。木じゃない所は魔法で色々とカバーしてっと……」

 <クリエイトウッドアイテム>

 地面から木が幾本も生えて来る。それが蔦のように絡みつき、リアカーの形を作っていく。


「おぉー。アイリもすごーい。わーい。軽ーい。サフィーナでも引っ張れちゃうよー。」

 かなり大きなリアカーをサフィーナが曳いている。あ、ダイチとスピード勝負してる……あ、勝った。なんかシュールな絵だけど、ま、いいか。これで数は揃いそうだな。


 その後、俺もサフィーナもアイリに倣い<クリエイトウッドアイテム>でリアカー作りの練習をしてみる。


「ユウマさーん!荷車ありましたよって、えぇぇぇぇぇっ!!これ、どうしたんですかっ!?」

 ミムラさんが荷車を引っ張って、必死でやって来た。で、大量のリアカーを目の当たりにしたと……

「いや、見本が無くても何とかなったみたいだ。わざわざ行ってもらってなんかすいません。その代わりと言ってはなんだけど、これ使ってください。」

 俺とサフィーナはドヤ顔で10台の巨大リアカーを指さす。これで、村々を回った時に、リアカーを作ったら避難もスムーズにいくだろう。

「なんとも……凄まじい人たちですね。」

 ミムラさんは呆れたような顔で俺たちを見ている。うん、後悔はしていないぞ。


「なら、皆さん、こちらに来てください。近隣を回る騎士たちに皆さんを紹介しますから。」

 俺はインベントリにすべてのリアカーをしまい込み、ミムラさんについて行った。その時も、変な目で見られたが、気にしないでおこう。


『いいかっ!!ミムラ殿が言っていた魔物が迫っているっ!この周辺の人々を我々の手で助けるのだっ!!』

『おぉーーーっ!!』

『中には人間以外の種族もいるだろう。しかしっ!そんなことは関係ないっ!!我々はこの森に生きる者すべてをこれより同朋とするのだっ!!』

『おぉーーーっ!!』


 広場では集まった兵士たちに向けて、年配の騎士が声を上げている。士気は高いようだ。


『エドガー様のお言葉であるっ!静粛にっ!』

 エドガーは居並ぶ騎士や兵士を見回し、声を上げる。


「まずは、皆の家族を守ることを誓おう。『エルドラン』へ受け入れてもらえるよう話はつけてある。皆は出来る限り、この周辺の者たちを『エルドラン』へ避難させてくれ。これは命令ではない。この集落の長からのお願いだ。頼むっ!!この通りだっ!!」

 エドガーは深々と頭を下げた。その姿に、騎士や兵士たちから驚きの声が上がる。


『おぉ……エドガー様。何と恐れ多い……』

『儂はエドガー様について行きますぞっ!』


 さらに、兵士たちのボルテージは上がる。


「エドガー様、荷車の都合が付きました!!ユウマ殿たちが魔法で作り出していただきましたっ!!」

 そこへ、ミムラさんがエドガーに報告する。俺もこれ見よがしに、リアカーをインベントリから出し、皆の前に10台もの巨大リアカーを並べて見せる。


『おぉーーー!!これはすごい……』


「サフィーナも作ったんだよーー!!すごいー?ねぇ?すごいでしょー?」

 サフィーナは仰け反るほど胸を張りドヤ顔をしている。


「お、お嬢ちゃんも魔法が使えるのかい?す、すごいね……」

 近くにいた兵士が唖然としている。

「えへへへー♪えっへん!」


「『エルドラン』の使者、ユウマ・アリムラです。このリアカーは皆さんでお使いください。それから村々の避難誘導も俺たちが同行します。俺と、クロ子、サフィーナ、そしてアイリがこの荷車を作ることが出来ます。アイリはここに残って、避難の手伝ってもらいます。皆さん全員を『エルドラン』へ受け入れる準備が整っていますので、安心してください。他の者たちもまだ幼いですが、力は強いですので、遠慮せず使ってやってください。」

 俺は兵士たちの前に立って、声を上げる。

 そして、さらに兵士たちのボルテージは上がって行った。


 しかし、ここで再び地響きが起こる。今度はかなり強い揺れだ。各所で悲鳴が上がる。


<ユウマ殿。聞こえるか。シラユキだ。>


 そんな時に、シラユキからの意識が飛んでくる。


(聞こえるぞ。で、ハウザーさんへの受け入れ準備は上手くいったか?)

<それは大丈夫だ。今、そちらに向かっているのだが……巨大な魔物を発見した。かなりゆっくりとだがそちらへ向かっているようだ。>

(そうか、今、感覚を共有してみる。……なるほど、こいつかっ!)

 俺はシラユキと視覚を共有する。すると巨大な口が見える。鯨の様なシルエット。しかし四肢がガッチリして爪も鋭い。そして巨大な口からは凶悪な牙が並んでいる。そして、体中を蔦のような触手がウネウネとまとわりついている。その大きさは50m以上はあるだろうか……。もはや怪獣の域だ。ウルトラな人が助けに来てくれないかな……。いやいや、現実逃避している場合じゃないな。


 そして、その怪獣の上に、気になる人影が見える。アイツはっ!?ファルファレルロっ!!あの噛みそうになる名前の奴だっ!!邪仙……今回の件も、アイツが関係しているのかよ!嫌な汗が背中を伝う。

 俺は、嫌な考えを振り払い、怪獣の進路を予測する。このまま真っ直ぐ進んで来るなら、その進路にある村は2つ。特に一番近い村はあと1時間もしないうちに到達してしまうだろう。


(シラユキっ!しばらくこそでその怪獣を監視してろっ!俺は今すぐ近くにある村の避難を行なうっ!)

<承知っ!>


「皆っ!俺の仲間が魔物を確認したっ!大きさは50m以上。ゆっくりとこちらに近づいている。一番近い村までは1時間ほどで到着する。そこは俺が向かう。ミコトだけついて来いっ!クロ子っ!こっちの方角から魔物が来る。ここから5kmほどに村があるから避難を急げ。迂回するように『エルドラン』を目指すんだっ!メイアさんたちもここの避難を手伝ってください。出来るだけ時間を稼ぎますから落ち着いてっ!」

「「「了解っ!!」」」

 ミコト、クロ子、メイアさんがそれぞれ頷き、作業に散っていく。


「ゆ、ユウマ殿。本当に大丈夫なのか?ここにいる騎士団長ヤザンを連れて行っても……」

 エドガーが心配そうな顔で、先ほど兵士の前で声を上げていた年配の騎士を指す。ヤザンって、ハン〇ラビ操縦しそうには見えないが……いや、なんでもない。

「いえ、彼には騎士や兵士たちを纏めてもらいます。魔物は俺たちに任せてください。」

「そ、そうか……解った。頼んだぞ。ユウマ殿。」

 俺はエドガーの目を見て力強く頷く。


「アイリ。ここは任せたからな。」

「はい!ユウマさん。気を付けてっ!ユウマさんなら大丈夫だって信じてますから!」

「ありがとう。クロ子もサフィーナも無理はするなよっ!ダイチ、アヤノ、ノア。危なくなったら逃げるんだぞっ!」

「解ったよ。ユウマも無理するなよ。」

「サフィーナに任せてよね。」

 クロ子、サフィーナも力強く頷く。ダイチ、アヤノ、ノアも同様だ。


「じゃあな、お前たち。ミコト!俺の背中に乗れ!飛んでいく。」

「へっ!?あ、は、はい!師匠っ!!」

 俺はミコトを背負う。


「『飛行(フリーフライ)』」

 風魔法で最近使えるようになったものだ。これまで5回ほど墜落したがもう大丈夫……のはずだ。

「師匠!これ、もう落ちないですよね?ね?」

「当たり前だっ!もう落ちない……と思う。」

「そ、それは落ちないって言いきって欲しいですよ!!」

「うるさい!行くぞっ!!」


 俺たちは一気に浮上し、怪獣が迫る村へ急いだ。


「ユウマさん……何者なんですか?」

 ミムラさんの声が聞こえたような気がした。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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