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36、強襲

※『これまでの登場人物(ガート村編終了時)』を第17部分に

 『これまでの登場人物(エイラム編終了時)』を第35部分に追加、修正しました。

 †



 それは異様な光景だった。普段は地を這う魔物たちが宙に浮いてこちらを睥睨している。その数は100を超えるだろう。タイタスの集落はすり鉢状の形状をしており、俺たちから見るとかなり高所に魔物たちが見える。パラパラと魔物に向かって矢が放たれる。タイタスのドワーフたちが迎撃に出ているようだ。ボトリボトリと魔物が落下しているが、俺たちと戦った精霊に憑かれた魔物なら、この程度では死なないだろう。


「俺たちも迎撃に出ます。恐らくアイツらは完全に身体を消滅させないと動き出します!!矢だけじゃダメなんです!!」

俺たちはタイタスの外壁に向かって走り出す。

「サフィーナ!俺と一緒に先行する。アイリ!クロ子と一緒に内部にまで入って来たヤツを狙ってくれ。クロ子!アイリを頼んだぞ!!」

 俺はサフィーナを抱えて、鋼糸を射出し、立体機動を行い、タイタスの外壁に向かって段々になっている地形を登っていく。練習してて良かった……立体機動。

「あ、あいつ……なんて動きしてるんだよ!スパイ〇ーマンきどりか!!」

 クロ子が愚痴る。元ネタを解ってくれるクロ子は貴重な存在だな。うんうん。

「クロウくん。近くに来た魔物をお願いします!動きを止めてくれたら私の魔術で止めを刺していきますから!」

「はいはい。僕のスキルがあれば、こんな奴ら楽勝なのに……。」

 いや、確かに戦力アップだけども、ステータスだけでも十分戦えるはずだ。いや、まずは目の前の魔物たちだ。


「キャハハハハハ!!すごーい!ビューンって加速ー♪風が気持ちいー!!」

 俺の腕の中では、立体機動を満喫しているサフィーナがいる。俺、初めてこの移動したときは、気持ち悪くて吐いたのに……強い子なのね。サフィーナ。

「よし!外壁近くまで来れたぞ!まずは壁の上で迎え撃つ!できるだけ俺から離れるなよ!」

 スタっと外壁に飛び降りる。高い場所から戦況を確認するとかなりの量が内部にまで侵入しているようだ。

 俺は、内部に入り込んだ空飛ぶオークに向かって火球を飛ばしていく。


 Bow Bown Bown!!


 立て続けに爆発音が上がり、炎に包まれたオークが墜落していく。サフィーナの方も、同じくオークやゴブリンに向かって火球を連射しているようだ。ただ、まだ燃やし尽くすまで時間がかかるようだ。墜落した魔物が炎に包まれたまま再び動き出そうとしている。


「完全に消滅するまで気を抜くな!!剣や弓では一時的に動きを止めるだけだ!!燃やし尽くせ!!」

 俺は壁の近くで戦っているドワーフの戦士たちに呼びかける。

 ドワーフたちは最初は弓やボウガンで応戦していたが、どこからか火炎瓶のような物を持ち出し、使いだしたようだ。数人がかりではあるが、確実に魔物の数を減らしていっている。よし、何とかなりそうだな。俺はこの時、そんな甘いことを考えていた。



 †



 タイタスの中心部からも爆音やピカっとした発光が見られる。アイリたちも善戦しているのだ。戦線はしだいに落ち着きを見せ、残りの魔物の数も十数体にまで減った時、異変が起こった。


 それは巨大な鬼のような魔物オーガに酷似していた。それがいつの間にか〝タイタスの巨孔”の上空に浮かんでいた。そして、焼き尽くされた魔物からキラキラとしたものが立ち上り、上空のオーガに向かって吸い込まれているようであった。

 それにいち早く反応したのは、タイタスの中心部で戦っていたクロ子だった。


「デカくても、当てやすいだけなんだよ!」

 高く跳躍したクロ子は手に持ったショートソードでオーガの肩口を袈裟斬りに斬りかかる。オーガはそれに何の反応をするでもなく、あっさりと右肩から胸の中心辺りまで切り裂かれた。

 着地し、オーガの様子を見ようと振り返ったが、そこでクロ子は驚愕する。切り裂いた傷口からは炎が立ち上っていた。もちろん、クロ子の仕業ではない。オーガ自身が放った炎だ。その炎は勢いを増して、全身を包みだす。そして、それは昨夜現れた炎の巨人の姿に酷似していく。


「昨日のデカブツか。クソっ!武器攻撃無効とかそんな属性ついてるのか!」

 前世でのゲーム知識から、クロ子は目の前の敵を分析する。


「おい!アイリ!僕の武器に水属性つけるとかできるか?」

 クロ子はアイリに指示をする。これもゲーム知識からだ。炎属性には水が弱点というのがよくある設定だ。

「やってみるよ。クロウくん!」


「凍てつく氷よ 彼の者に纏いて 刃となれ『アイスエッジ』」


 クロ子のショートソードが氷の刃に包まれていく。クロ子はそれを一振りして、ニヤリと笑う。

「なかなかの出来だよ。氷属性ゲット。これなら!!」

 再びクロ子は跳躍して炎の巨人に一太刀浴びせる。しかし、今回は反応があった。スーッと地上に降りることでクロ子の斬撃を躱す。

 巨人は周囲を見回すように首を回す。そして、口を大きく開くと、巨大な火球が吐き出される。無差別に周囲の建物を破壊していく。逃げ惑うドワーフたち。


「クソっ!わざわざ地上に降りてきて、挑発のつもりか!」

 クロ子はショートソードを握り直して、再び炎の巨人に突撃していく。巨人はクロ子を見て口角を上げる。それは獲物を見つけて喜ぶ狩人のように……。

 クロ子の斬撃をことごとく躱していく巨人。そして、時折、吐き出される火球。周囲は次第に煙に包まれていき、視界を奪っていく。


「キャーっ!」

 アイリの叫び声が聞こえる。

 煙の中から炎の巨人の姿が現れる。その大木のような腕にはアイリが捕えられている。


「クソっ!アイリ!!」

 クロ子はアイリの様子に気づき、舌打ちする。その間も、クロ子に向けて火球が殺到する。驚異的な身体能力で避けていく。隙をついて、距離を詰めるクロ子。一刀の元、巨人の腕を切り落とし、アイリの奪還に成功する。


「ありがとう!クロウくん。」

 アイリはクロ子に礼を言うが、何か違和感を感じる。

 ボタボタボタ……アイリの服が真っ赤に染まっている。よく見るとクロ子の左腕が肩から消失していたのだ。クロ子は真っ青な顔をしているが気丈にも、炎の巨人を睨み付ける。

「くそ痛い……。ヤバいな。とんでもない化け物め!おい!アイリ……ユウマのところまで走れ!早く行けよ!」

 クロ子は残った腕でアイリを突き飛ばす。その瞬間、アイリのいた場所がクロ子諸共、巨大な炎に包まれる。

「ぐぁぁああああ!!!!」

 炎に巻かれるクロ子。かろうじてアイリの魔術がクロ子の回りに氷の盾を作り出すが、盾からはみ出ている手足の末端はそのまま炎に晒されている。


「クロ子ぉぉぉーーー!!!!」

 ユウマだった。外壁付近の魔物を一掃し、タイタス内部で起こっている異変に駆け付けたのだった。

 鋼糸を無数に飛ばし、立体起動を行い文字通り飛んできたのだった。



 †



 ガツン  ガツン  ガツン  ガツン



 ガツン  ガンツ  ガツン  ガツン



 ガツン  ガツン  ガツン  ガツン



 暗闇の中、ある作業に没頭する男が一人。灯りがなくても、その男には問題ないようだった。


「これで……これですべてが無に帰るぞ。あの傲慢なエルフたちめ。長年の恨みを思い知れ!!」


 ガツンガツンと何かを掘るような作業を続けている。男は呪詛を込めながら手に持つツルハシのようなものに力を込めている。


 ガツン  ガツン  ガツン  ガツン  ガキーン


 音が変わった。何かを掘り当てたようだ。男は足元に転がる瓦礫を丁寧に払いのけ、掘り当てた何かに、懐から取り出した魔核石を取り出し、それに押し付ける。魔核石はスーッとそれに入り込み、淡い輝きを放ち始める。


「がはははははは!!!これで……これで……長年の悲願が……。」


 輝きが強くなる。白く強い輝きが男の顔を照らし出す。


 それは、歪んだ笑顔を浮かべたドワーフ、カラヌイだった。


 

 †



 クロ子の状況はひどい有様だった。辛うじて頭と胴体は軽い火傷ですんでいるが、両足と左腕にはひどく焼け爛れ、一部は黒く炭化している。クロ子は苦しそうに呼吸が荒くなっている。


「クロ子ぉぉぉぉーーーー!!!」

 俺は、クロ子に駆け寄り、インベントリから魔法薬を2種類取り出す。一つはエリクサー。もう一つは黒い丸薬。エリクサーをクロ子の頭からぶっかける。すると眩い緑の光を放ち、皮膚が急速に再生していく。それは斬り飛ばされたクロ子の左腕も同様だった。ゆっくりとではあるが、左腕が再生しつつある。そして、黒い丸薬をクロ子の口に入れる。


「クロ子!これを飲み込め!しばらくすると、お前のスキルが戻るはずだ!!」

 クロ子は力なく頷き、全身の力を込めて丸薬を飲み下す。

 俺はそれを確認すると、炎の巨人に向き直る。【威圧】に魔力と殺気を乗せて睨み付け、距離を詰める。そして、両手から鋼糸を射出する。水魔術を込めて……。

 炎の巨人は一瞬動きを止め、俺が放った鋼糸に絡みつかれる。そして、鋼糸が凍り付き巨人の身体を包んでいく。苦しむように暴れるが鋼糸が引きちぎられることはない。俺はヤツに【威圧】をかけ続けているのだ。

 ついに炎の巨人が完全に氷の塊にすっぽりと覆われ、動きが止まった。よし!捕えた!!

 次の瞬間、無数の剣が氷の塊を貫く。振り返るとクロ子が氷の塊に手を翳している。スキルが戻ったようだ。未だ左腕は再生途中のようだが、火傷の痕は綺麗に再生されたようだ。


「ざまぁみろ!バケモノめ!!」

 クロ子がさらに力を込めると氷の塊に突き刺さった無数の剣が輝きだし、爆散する。轟音があたりに響き渡り、タイタスの石畳に大きなクレーターを作り出す。


「やったか!?」

 俺は、土煙が漂う爆心地に目を凝らす。あ、ヤバ……変なフラグ立ててなきゃいいけど……。


 朦々とした煙の中、赤くキラキラと輝く巨大な人型が見える。ちっ!!やっぱり倒しきれてないか。先ほどよりも確実に一回り大きくなっているようだ。どうやら爆発や炎といった手段ではこの炎の巨人を倒すことができないのか……。


 巨人の周囲には渦を巻いた火柱が数本、うねりを上げている。アイリとクロ子を抱きかかえ、その場から退避する。しかし、逃げ遅れたドワーフたちが炎にまかれていく。熱風が俺の頬を炙る。


 炎の巨人はさらに猛るように、口から巨大な火球を吐き出し続ける。しかし、不意に炎の巨人の動きが止まる。巨人は空を見上げ、ぐるりと首を回す。そして、醜悪な笑みを浮かべたかと思うと、スーッと浮かび上がった。

 そして、西の方角を眺める。


 Guooooooooooooo!!!!!!


 周囲の空気が震えあがるような咆哮を上げ、西の空に飛び去って行った。


「助かった……のか?」

 俺はその場にへたり込んだ。周囲からは炎や煙、何かが焼ける嫌な臭いが漂ってくる。

 そばにいるアイリは蒼白な顔をして同じくうずくまっている。

「あんなバケモノ……どうやって倒したら……。」

 クロ子も地面に拳をぶつけながら、そう呟いている。

 サフィーナは無言で巨人が飛び去った空をじっと睨んでいた。


 タイタスの街並は大きく変化していた。頑丈な作りの家々も爆発で吹き飛び、至る所で火事が発生している。魔物たちの被害もドワーフの戦士たちだけでなく、一般の女性や子供にまで広がっていた。


「おぉぉぉ……おぉぉぉ……タイタスが……我らの集落が……。」

 爆風から無事に逃れた族長ラガイオは煤に塗れた顔で、地面に伏して嘆いている。その両脇には鎧を着こんだ護衛らしきドワーフが肩を抱いている。


「皆、怪我はないか。」

 俺は、アイリたちにインベントリからポーションを渡していく。アイリは軽度の火傷、サフィーナは奇跡的に無傷だった。クロ子は、エリクサーの効果で完全に失った左腕が再生していた。


「クロ子、アイリを助けてくれてありがとう。本当に……本当に……助けてくれて……。」

 俺はクロ子の前まで行くと両手をつき、頭を下げる。

「キモい。そういうの。それにスキルも復活したし。腕も治してもらったから、お相子ってやつ?」

 クロ子はばつの悪そうな顔をしている。


「タイタスの街が……人々が……。」

 アイリが呆然とタイタスを見つめている。俺もそうだが、こんなに人が死んでいく場所に出会ったことはない。俺の心が麻痺してしまったのか、遣る瀬無さのみが残るだけだったが、アイリやサフィーナは違うだろう。もちろん、クロ子も……。

 俺は、アイリやサフィーナの肩を抱く。もう大丈夫だからと言い聞かせるように……。


「これから、持っている回復ポーションを放出する。残すのは1人3本までのハイポーションとエリクサー類のみ。俺は500本くらい持っているから、重傷者優先で頼む。出来る限りタイタスの人たちを助けよう。」


――ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪ポロロン♪――


 ん?ここでレベルアップか? ステータス!!

――――――――――――

■ステータス

名前/有村 悠真

Lv.8

種族/人間   年齢/18歳  職業/冒険者(C)

HP 1280/1280(+640)

MP  920/2560(+1280)

腕力   1280

体力   1280

敏捷度  1280

器用度  1280

知力   2560

精神力  3840

加護:神祖(しんそ)の大いなる加護 封仙の加護

称号:転生者 封印されし称号その1~5 器用貧乏 タイタスの英雄

装備:黒牛鳥のマント アダマンタイトの部分鎧 マチェットナイフ

スキル

-EXスキル【教育者】【学習者】【超健康体】【ステータス倍化/Lv.UP】【限界突破】

-ユニークスキル【極運】【ファミリア】【看破】【隠形】【人たらし】【糸使い】

【薬草術/Aランク】【剣術/Cランク】【体術/Cランク】

【弓術/Cランク】【投擲術/Cランク】【槍術/Cランク】

―魔法スキル【火魔術/B「ランク】【水魔術/Bランク】【光魔術/Cランク】

-魔物スキル【毒牙/Bランク】【高速化】


眷属契約:【精霊魔法/Eランク】(サフィーナより)

――――――――――――


 【鋼糸】が【糸使い】に変わったのか……それに火と水の魔術ランクが上がったか…


【糸使い】:ユニークスキル。様々な種類の糸を作り出し、操ることが出来る。>詳細>MP1を消費することで消えない魔糸を作りだせる。また、様々な属性の魔術を付与することができる。MP10を消費することで魔鋼糸、属性付の魔鋼糸の作成も可能。>完全看破>術技『性質変化』『形状変化』『糸操作』が使用可能。


 皆のステータスも確認しておこう。

―――――――――――――


■ステータス

名前/アイリーン・ファンドラ

Lv.5

種族/ハイエルフ   年齢/16歳  職業/冒険者(C)

HP 105/105

MP 115/385

腕力   42

体力   42

敏捷度  74

器用度  88

知力   90

精神力 104


加護:世界樹王の加護

称号:ハイエルフの王女

装備:樹王のネックレス 黒牛鳥のマント 魔綿のチュニック コンポジットボウ

スキル

―ユニークスキル【隠ぺい/Cランク】

 【薬草術/Aランク】【気配察知】【気配消失】【剣術/Eランク】

 【体術/Dランク】【弓術/Cランク】【投擲術/Cランク】【槍術/Eランク】

―魔法スキル【精霊魔法/Dランク】【火魔術/Bランク】【水魔術/Bランク】【光魔術/Bランク】


――――――――――――


■ステータス

名前/サフィーナ

Lv.5

種族/人間   年齢/10歳  職業/冒険者(C)

HP  42/42(+192) 

MP  45/195(+384)

腕力   28 (+128)

体力   32 (+128)

敏捷度  45 (+128)

器用度  58 (+128)

知力   85 (+256)

精神力  90 (+386)


加護:天上主の加護 ユウマの加護

称号:ユウマの眷属 

装備:黒牛鳥のマント 魔綿のワンピース マチェットナイフ 投げナイフ

スキル

―ユニークスキル【隠ぺい/Cランク】

 【薬草術/Cランク】【気配察知】【気配消失】【剣術/Dランク】

 【体術/Cランク】【弓術/Cランク】【投擲術/Cランク】【槍術/Dランク】

―魔法スキル【精霊魔法/Cランク】【火魔術/Bランク】【水魔術/Bランク】【光魔術/Bランク】


――――――――――――

■ステータス

名前/ミチバタ・クロウ

Lv.15

種族/人間   年齢/14歳  職業/無職

HP  500/500

MP   50/400

腕力  340

体力  380

敏捷度 290

器用度 280

知力  270

精神力 310

称号:転生者 ライカの孫

装備:スキンアーマー ショートソード  

スキル

Exスキル【武具創造(クリエイトウェポン)】【時間跳躍(タイムリープ)】【技能奪取(スキルイーター)

ユニークスキル【真実の魔眼】

 【剣術/Dランク】【投擲術/Eランク】

――――――――――――


 皆、強くなっているんだろうが……炎の巨人を戦った後では虚しくなる。

 いや、それよりも俺たちができることをやっていこう。


 今は手分けして、重傷者にポーションを飲ませていこう。熱風を吸い込んで肺をやられている人は一刻も早く治療しないと……。俺たちは荒んだ気持ちを奮い立たせ、惨劇と場となったタイタスの中を駆けまわった。瓦礫に下敷きになった人たちを救助し、立ち上る火の手の消火にも尽力した。立ち止まっているのが辛い。俺は次から次へと人々の救助を行った。アイリ、サフィーナも動き回っている。ポーションが無くなると光魔術を使ってギリギリまで治療作業を行っていった。

 俺は魔力の尽きかけたアイリとサフィーナ、クロ子を休ませ、一人で動き回った。知らないうちにテントが張られ、野戦病院のようなものが作られていた。魔力ポーションを使用し、さらに動いていった。日が暮れて、篝火が焚かれる。それでも、無我夢中で動き続けた。いつしか、自分が何をしているか解らなくなっていた。


 気付くと、怪我人はいなくなっていた。並んでいるのは死体の山。気付くと、周りの人々から感謝をされていた。俺は何もできなかったというのに……俺は、周りから声を掛けられている。しかし、もう意識が遠くにいってしまって、何を言われているのか解らない。辺りが明るくなっていた。朝日がタイタスを照らし出す。地面がユラユラと揺れているような気がする。俺がふらついているのか?よく解らない。


 気付くと俺は空を見ていた。そうか。俺は倒れたのか。そこで俺は意識をようやく手放すことが出来た。


最後まで読んでくださってありがとうございます。

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