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19、エイラム

 †



 夕日に照らされた荷馬車が整備された街道を進んでいる。周りは緑の麦畑が広がっている。

 夕日が目に染みる……夕日が滲んで見えやがる……。  


 ついに、俺の目の前にエイラム街が見えてきた。大事なことだから二度言おう。辛い道のりだった。本当に辛い道のりだ。主に、みんなの目線が……。

 だってそうだろう?ずっと10歳女児にくっつかれて、「ご主人様ー♪ご主人様ー♪」と連呼される。そろそろ『サフィーナ記憶戻ったよ』作戦が効果を無くしつつある。すでにアイリだけでなく、皆の視線には殺気を帯び始めている。まぁ、そうだろう。俺だって、どんな記憶戻ったんだよ!!と内心ツッコみを入れている。


 盗賊のアジトはどうなったかって?いや、そりゃありましたよ。エイラムの郊外にある廃墟。サフィーナが案内しましたよ。お宝?ありましたよ。そりゃーザックザクとまではいかないまでも、3万Gほどの現金と、武具の類……アジトには見張りもおらずに、あっさりと……。捕まえた盗賊たち?あぁ……完全に風景になってたから忘れてたわ。もうここまで連れてきたから、街で引き渡すよ。なんか色々と心が折れた……疲れたよ……なんだかとっても眠いんだ……い、いかん!このままでは召されてしまう……


「よ、よーし!皆、やっとエイラムに到着だなっ!ま、まぁ、色々あったが一人も欠けず無事に到着できたことは喜ばしいことだなっ!なっ!ライキ!!」

 ここは無難にライキに振っておこう。イェスマンの彼なら……

「ソーデスネーホント、ヨカッタヨカッター。」

 い、いかん……奴め、目が死んでる。く、クソ……

「あ、あっ!そうだ!盗賊のお宝の分配どうする?俺としてはウリリたちに半分と武具を引き取ってほしいんだけど、問題ないか?ウリリ?」

 話題を……話題を変えなければ……

「は、半分もぉっ!!」

 よーし、ウリリ。さすが商人だ。この申し出は破格だろう。おまけに武具もつけた。これで態度も軟化するというもの……

「さすが『ご主人様』と呼ばれる方はぁ、太っ腹ですねぇ……けっ。」

 硬化してるぅーーー!!

「あ、アイリ?エイラムに入ったら、どこかいい宿を探さないとな。俺初めてだから、色々とおしえてくれよ。」

 あ、アイリがにっこり笑ってくれている。良かった許してくれたのか。俺何もしてないけど……

「いいですよ。ユウマさん。サフィーナちゃんと同じ部屋がいいんでしょ?私は一人部屋で寂しく夜を過ごします。全然気にしてませんから。どうぞごゆっくり……」

 目が笑ってない……アイリが一番怖いよ……


「えと……その……あの……俺はサフィーナの親代わりというか……だからって『パパ』とか呼ばれたいわけじゃなくて……いや、何言ってんだ?違う……違うぞ……サフィーナも俺をどう呼んでいいか解ってないのかもしれん。俺はいままで通り、名前で呼んでもらえるのが一番うれしいんだが、呼び方はサフィーナの自由というか……えと、そういうことなんで……誤解を与えましたことをお詫びします。申し訳ありませんでした。」

 理不尽だー!!!なんで俺、謝ってんだーー!!!泣くぞ!!2秒で泣けるぞ!!


「ぷっ!!」

「ぶふっ……あははははは!!!」

「「あははははははは!!!」」

 俺を見て、皆笑い出す。  なんなんだよチクショー!!あ、涙がこぼれた。


「本当に、アイリさんの言う通りですねぇ。面白い人ですねぇ。ごめんね?ユウマさん。」

「あ、あの……私は止めたんですが、アイリさんが仕返しだからって協力を頼まれまして……」

 ウリリとライキが謝ってくる。いや、何この連係プレイ……


「サフィーナは、なにもしてないよー。ユウマ。『ご主人様』っていうのはなんて言うか……ノリってやつ?」

 いたよ!元凶!!確信犯だったのかっ!!こいつ……どうしてくれようか……


「えへっ♪ユウマさん。ちょっぴりやりすぎちゃったっ♪ごめんね?」

 アイリも謝ってくるが……『えへっ♪』ってもう何しても怖ぇよっ!!あれでちょっぴりだったら本気のアイリの仕返しって……いや、もう考えるのをやめよう。


「はぁ……もういいから。『ユウマイジり』はこの辺で勘弁してくれ。」

 自分で『ユウマイジり』ってワードを言うとは思ってなかったわっ!!

「いや、悪かったって。ユウマ機嫌治せよ。(小声で)今度、いい店に連れて行ってやるからよっ!」

 エギルが声を潜めて、素晴らしい言葉を掛けてくれた。

「なんだよそれ……。ま、まぁ、付き合ってやってもいいけどなっ!!」

 いや、連れて行ってください。お願いいたします!!


 エイラムの街が近づいてきた。5mほどの石壁に囲まれた中世の都市国家のような街並が見える。見張り塔だろうか……尖塔が何本も天を突き伸びている。夕焼けに染まる赤いエイラムの街は幻想的な雰囲気を醸し出している。

 高さ3mほどの門がそびえたっている。その前には、街に入る者たちの列ができている。もうすぐ俺たちの番がやってくる。


「そういえば、俺身分証とかないけど大丈夫なのか?」

 気になっていたことをウリリに尋ねる。

「あぁ、私が商人のギルド証を持ってるので、特に問題はないかと思います。身分証がないとお金は取られますが1人10Gほどですから。ここは私が払いますからお気になさらずに。」

「あぁ……悪いな。」

 そんなことを言っていると俺たちの番がやって来た。


 鉄製の胸当てと槍を持ち、腰には剣を下げている。いかにも兵士って感じの男たちが立っている。

「身分証を見せろ。」

「行商のウリリとぉ従業員、護衛ですぅ。それからガート村の者が3人ですぅ。」

 ウリリが身分証とお金を払いながら対応する。

「ん?この縛られている者たちは?」

「はいぃ。ガート村から来る途中に盗賊に襲われましてぇ、護衛たちが返り討ちにしたんですぅ。引き渡したいんですがぁ、宜しいですかぁ?」

「そ、そうか……見るからに強そうな護衛だものな。よし、通れ!だが、このまま騎士団の詰所で引き渡しの手続きをしてもらう。すまんが、馬車を詰所の横に止めておいてくれ。おい!誘導しろっ!」

 思ったより丁寧な対応をしてくれるな。もっと傲慢な態度かと覚悟していたけど、盗賊倒してるからか?


 俺たちは荷馬車を降り、ゾロゾロと詰所に入っていく。ライキは御者台で荷物番だ。盗賊たち2人は兵士たちによって詰所まで運ばれていく。

 詰所に入ると、ウリリとエギルがいろいろと聞き取りを受けている。俺たちは、特にすることもなく珍しい石造りの派出所みたいな建物を物珍しく眺めている。すると、一人の男が入ってきた。板金鎧を着こみ、帯剣した見た感じ騎士風の男だった。


「盗賊どもを捕まえたというのはお前たちか?」

 金髪を短く刈り込んだ壮年の騎士風の男が俺たちに聞いてきた。

「はいぃ。騎士様ぁ。護衛のぉエギル、ガート村からのぉ客人ユウマたちの奮闘でぇ運よく二人を捕えることができましたぁ。」

「ほぅ……。」

 騎士はエギルと俺を睨むように目を細めた。

「捕まえた者たちを『鑑定玉』にかけろ。」

 兵士にそう指示すると、こちらに向き直る。鑑定玉……たぶん、それで犯罪歴が解るんだろうな。

「なかなか腕の立つ護衛たちのようだな。ガート村か……バラガの村か。」

「えっ!?おじさんのことをご存じなんですか?」

「おお、バラガの身内か。長旅疲れただろう。すまんが、もうしばらく待て。」

「いえいえ、ご心配いただきありがとうございます。」

 騎士の人、いい人だった。それに、バラガさんの知り合いみたいだ。

「あの……き、騎士様。俺たちの倒した盗賊……13人ほどいたんですけど……この辺りには結構、盗賊ってでるんですか?」

 俺は思い切って騎士に聞いてみた。敬語できてないけど、まぁ大丈夫だろう。

「何!?13人倒しただと!?……たった2人でかっ!?ふむ……。この辺りの盗賊はそんなにはおらん。おそらく、お前たちを襲ったのは『群狼』の一味だろう。奴ら馬に乗って移動してなかなか尻尾を掴ませない奴らだったのだ。お前たちが言っていたことが本当ならたっぷり懸賞金がでるはずだ。」

 【地図作成】のスキルがあるウリリが、襲われた場所を伝えているから、確認が終わるのも時間の問題だろう。

「ユウマさぁん。さっきエギルさんともぉ、相談したんだけどねぇ。アジトのお宝はぁ、ユウマさんたちがぁ、もらってくださいぃ。武具の類は改めて私のお店に売ってくれればいいからぁ。あれはサフィーナちゃんのお手柄でしょう?その代わりと言ったらなんだけどぉ、盗賊から奪った馬を譲ってくれないかしらぁ?」

 今更ながら取り分の相談をしてなかったことに気付いた。こういう事はしっかり決めておいたほうが後々トラブルにならないだろう。それなら、懸賞金の分配方法も決めておこう。


 取り分は以下の通りになった。

<ユウマ組>

・アジトにあった現金3万G

・アジトにあった武具(ざっと見て5000G相当)

・盗賊の所持金の半額(1000G)

・懸賞金の半額(未定)

 これらをユウマ、アイリ、サフィーナで山分け。


<ウリリ組>

・盗賊の所持金の半額(1000G)

・盗賊の馬3頭(15000G相当)

・懸賞金の半額(未定)


 大分、偏りがあるがウリリたちはこれでももらい過ぎだと言ってくる。まぁ、所持金0の俺としては貰えるものは貰っておこう。ただ、サフィーナに大金を渡すのはダメだな。預かっておいて小遣い制にしよう。もちろん、勝手に使い込んだりするつもりはない。眷属だし問題ないだろう。


「バルムンク様!クロです!!奴ら『群狼』の一味で間違いありません。未確認ですが首領のゲネッドも打ち取られたとのことです。明日、一番に確認の者を派遣いたします。」


 あの騎士のおっさん、バルムンクっていうのか……かっこよすぎねぇか?  看破!!


――――――――――――


■ステータス

名前/ガフォー・フォン・バルムンク

Lv.9

種族/人間   年齢/47歳  職業/上級騎士

HP  150/150

MP  75/75

腕力  125

体力  140

敏捷度  75

器用度  85

知力   70

精神力  90

称号:シャール王国の鬼神

装備:ミスリルプレート 龍鱗の剣 

スキル

-スキル【剣術/Aランク】【楯術/Aランク】【ウェポンマスター】【統率/Cランク】

    【身体強化/Bランク】


――――――――――――


 うわっ……ただの騎士じゃなかった。それにレベルが高い。兵士たちのレベルも見てみたが、Lv.2~5で、そのほとんどがLv.2だった。ってことはこの騎士、めっちゃ強いってことになるな。


「どうやら『群狼』で間違いなかったようだ。今日はもう行ってよいぞ。盗賊団の全滅が確認できたらこちらから使いを出そう。懸賞金を取りにくるがいい。」

 バルムンクは詰所を出ていった。俺たちは解放されるらしい。


 外に出ると、すでに日は落ちていた。あぁ……宿取ってないよ。今からでも間に合うのか?


「あぁ……ウリリ?今日の宿なんだけど、今からどこか泊まれそうな宿って知ってるか?」

「えぇ?私のところにぃ、泊まっていかないんですかぁ?」

 えっ……誘われてる?いやいや、ないない。

「ウリリさんの実家は、エイラムでも有名な宿屋さんなんですよ。ユウマさん。」

 アイリがフォローしてくれる。そうだよねぇ……変なこと言わなくてよかった。

「へぇ、そうなのか。でも、部屋が空いてるかなんてわからないだろ?」

「まぁ、そうですけどぉ、その時は布団部屋で勘弁してくださいねぇ。」

「いろいろあって疲れたから、寝れるならどこでもいい。そろそろサフィーナをおんぶするのに疲れてきたからな。」

 そうなのだ。ずっと静かだったサフィーナだったが、街に入ったあたりで爆睡中。ずっと俺がおぶっていたのだ。


 ウリリの実家である宿屋は俺たちが入ってきた門から延びる中央通り沿いにあるらしい。荷馬車が片側2車線くらい走らせることが出来る大通りを荷馬車に乗って進んでいく。すると、デカデカとした看板が見えてくる。


“エイラムの宿は 宿り木亭” うん……なんか田舎の道によくあるラブホの看板みたいだ。

 うん、村でのアイリ先生のおかげで共通語の読み書きはバッチリだな。


「あ、あれですぅ。“宿り木亭”っていうのがぁ、私の実家なんですぅ。」

 おおぅ……宿って、ラブホじゃないよね?若干の心配が過る。

「宿り木亭はエイラムの冒険者たち憩いの宿として有名なんですよ。」

 俺の心を読んだかのようにライキが説明をしてくれる。ほう、冒険者向けの宿ってことな。


 荷馬車を宿の傍まで止めると、皆が降りた。ライキはこのまま荷馬車をウリリ所有のガレージに入れてくるのだそうだ。馬車って借りものじゃなかったんだな。


「さぁさぁさぁ、どうぞ遠慮なく入ってくださいぃ。お母やん!ただいまぁ。」

 ウリリを先頭に宿り木亭に入っていく。

「おぉ!ウリリやん、お帰りぃー。エギルさんも疲れ様ぁ。ライキやんだどないしたんやぁ?おっ、そっちの子はアイリやんかぁー、久しぶりやなぁ♪よぉ来たなぁ。で、そっちの黒髪の男前と白髪のかわい子やんはどちらさまぁ?」

「お母やん。ライキはぁ、荷馬車なおしてもらってるわぁ。ほんでぇ、この人らはぁ、前に話しとったぁ、ユウマさんとぉ、サフィーナちゃんやぁ。」

「おーおーおー♪あんたらがユウマやんとサフィーナやんかー♪話は聞いとるでぇ。うちの子らを助けてくれたんやってなぁ。」

「それになぁ、ここに戻ってくる道中になぁ、盗賊に襲われてん。それをなんとなぁ、ユウマさんたちがぁ、あっという間に倒してなぁ、またまた助けてもろてん。」

「まーまーまーまー♪それはホンマにおおきになぁ。そんなとこ立っとらんと、さーさー、中に入ってやぁ。」

 いかん……どのタイミングで話に入っていいか解らん。ってなんで関西弁なんやー!!ほんわかしてるのにテンポが速い……ダブルダッチに入りあぐねてる気分……


「あの、初めまして。ユウマといいます。ウリリさんには色々とお世話になってます。」

 恐る恐る俺はウリリの母親に挨拶をする。

「いやいやー♪ご丁寧にぃおおきになー。うちはリリーいいます。あとウリリやんの父親が奥で料理作ってるんよー。ウルム言うんやけどねー。ユウマやん。しっかりしてるねぇ。今日はうちに泊まっていってぇ。ウリリやんの恩人や!今日は無料で特別スイートに泊まっていきー。」

「えっ!?無料って……そんなの申し訳ないですよ。お金だってありますから。」

「いやいや、これは感謝の気持ちってやつやから、遠慮せんと受け取ってーな。じゃ、1泊は無料で2泊目からはお金貰うってことでどない?」

「ま、まぁ、そういうことなら……」

 なんだか、ペースがつかめない……イイ人なんだろうけど。

「ホンマはなぁ、特別スイートって普通の部屋の3倍の値段するから、皆なかなか泊まってくれへんのよぉ。たまには部屋使とかな、部屋もかわいそうやからなぁ。」

 ちなみに、一般的な宿は素泊まり一泊30~50Gほど、特別スイートは一泊150G朝食付きらしい。思っていたより高くない。ケタが1つ上かと思ってた。

 俺は、そのまま特別スイートに1週間泊まることをリリーに伝えた。

「ホンマにこんなにも泊まってくれるん♪ウリリやん。エエお客さん連れてきてくれたなぁ♪たっぷりサービスするわねぇ♪えっと、部屋のタイプはダブル?ツイン?」

「サフィーナとユウマでー、ダブルの部屋でおねがいしますー?」

 それまで眠ってたサフィーナが突然目を開け、リリーさんに伝える。

「なっ!?サフィーナいつの間に起きたんだよ!!お前はアイリと同じ部屋にしてもらえよ。俺シングルで泊まるから。」

「ユウマやん。ゴメンなさいやでぇ。今、シングルはどこも空いてへんのよぉ。そやから、ダブルかツインーゆーたんよ。」

「なら問題ない!サフィーナはユウマとどうきんするー♪」

 どうきん……同衾……だから、サフィーナの語彙力!!サフィーアめ……無駄に知力高い弊害が……

「問題あります!!サフィーナちゃんとユウマさんを二人っきりなんて……その……許されません!

 リリーさん!それなら、ダブルのお部屋に私も泊まります!!サフィーナちゃん小さいからダブルベッドでも十分なはずですから!!」

 な、なーにー!?アイリと同じベッドで!? ドキドキ同衾♪っていいのかーー!!

「お、おい……アイリ?落ち着いて考えろよ?俺と同じベッドになるのは問題だろう?」

 俺は、宥めるようにアイリに声をかける。

「……ユウマさん。私と一緒じゃ……ダメですか?」

 ぐはっ……潤んだ瞳でそんなこと言われたら……

「だ、ダメじゃないよ?むしろご褒美…いや、嬉しいけど……恥ずかしいというか……」

 リリーはニヤニヤしながら俺たちのやりとりを見ている。


「ウリリやんも、同じ部屋に泊まるかぁ?ユウマやんの事、気になってるってゆーてたやろ?」

「あ、アホっ!!そんなんゆーてへん!!うち、そんなんゆーてへんからっ!!」

 ウリリも顔を真っ赤にして抗議している……気になってる?もしかして、俺の事……ないない。おそらく、変態と誘拐犯とかそんなマイナス要素で気になってるに違いない。うん、勘違いするな俺!


 結局、俺たちはツインの部屋を取ってもらい、俺は床で寝ることで納得してもらった。

 まったく落ち着かないけど、とりあえず、広い部屋で一息つけた。どうやらシャワーもついているらしい。使い方、後でアイリに聞いてみよう。


「アイリ、サフィーナ。明日の行動予定を決めていきたいんだけど、いいか?」

「はい。」

「いーよー。」

 二人はベッドに座ってこちらを向く。

「えーと、とりあえずエイラムには1カ月ほど滞在する予定をしてる。丁度、その頃にガート村の祭りがあるからってガンファがいってたからな。まずは冒険者ギルドで俺たちのステータスプレートを作ろうとおもう。今、俺たち結構な大金を持ってるから、プレートに入れておけば安心だしな。あとは、冒険者ギルドに依頼を出したいと思ってる。俺たち、まだまだ戦える技術がない。魔法は目立つから使い辛い。できれば、魔術か遠距離の攻撃手段、あとは護身術的な技術を教えてくれる人を探してみる。後は、買い物したいかな?やっぱり鎧的なものとか着たほうがいいのが、今回の事で解った。2人は何かやってみたいことあるか?」

「えとー。ユウマさん。私は、図書館に行ってみたいです。ポーションのレシピとか薬草の事をもっと勉強したいです。あとは……ユウマさんと買い物ができたら……満足です!!」

 おぉ、なんか最後にすごい力がこもってたな。

「サフィーナはねー。エイラムのおいしーものを食べつくーす!!あと、サフィーナもユウマを守れるよーなスキルを学びたいかなー。」

 サフィーナが……成長している!!いつも勉強嫌っていってたのに……


「よーし!!ってことで今日はゆっくり休もう!!俺はシャワーを浴びたらすぐに寝るっ!!」


 このままでは精神衛生上、よろしくない。早く寝るに限るな……


最後まで読んでくださってありがとうございます。

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