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15、歓迎会の変

7/7 誤字修正しました。

 †



 初夏の日差しが1台の荷馬車を照らしている。


 御者は少し緊張した面持ちで、手綱を握っている。これから向かう場所は、あまり良い思い出はないからだ。いや、御者だけでなく、この荷馬車に乗る他の二人も、良い思い出はない。それは血の匂い漂う忌まわしい記憶。

 しかし、この二人の顔は、何かを乗り越えた者のみが持つ、覚悟を決めた瞳をしている。そう。約束をしたのだ。必ず戻ってくると。


 荷台から御者台に身を乗り出した小柄な女性が、前方に見えてきた森の中の村を見つめる。


「帰ってきましたよぉ。ガート村。そして、みなさぁん……。」




 †



 ガート村の入り口が賑やかになっているのに気付く。

 俺は、作業を中断し、手伝ってくれていたアイリとサフィーナに声をかける。


「どうやら、ウリリたちが来たようだ。今作ってるのをこの箱に入れたら、先に行ってくれ。

 俺は、この箱持って、後からいくよ。」

「私も箱持っていくの手伝うよ?あ、サフィーナちゃん。勝手に走っていかないのー。」

 後ろ髪を引かれつつ、アイリはサフィーナを追っていく。

「アイリ。サフィーナを任せた。先に、ウリリに挨拶しといてくれよ。」

 俺は、箱をインベントリにしまう。他にも入らなかった分を両手で抱えて、アイリたちのあとを追う。



 村の入り口は、懐かしい顔を歓迎する村人たちで溢れていた。

 馬マニアのカインツが率先して荷馬車を村長の家の前にある広場に誘導している。

 やっぱり、カインツの奴、ニヤニヤと荷馬を眺めている。馬だったらなんでもいいのか。よく解らん。

 荷馬車の移動につられて、村人たちの塊はそのまま広場までやってくる。その間も、ウリリたちには、親しげな声がかけられていた。


「ガート村のみなさぁん。その節はお世話になりましたぁ。いっぱいお話したいんですがぁ、まずはぁ、村長さんにぃ、挨拶してきたいと思いますぅ。」

 ぺこりぺこりと頭を下げながら小柄な女性ウリリは、荷馬車を降り、村長の家に入っていく。その横には、従業員のライキと護衛のエギルが続く。


 残された村人たちは、外で待っている間も、世間話に花を咲かせている。行商が来ることは、娯楽の少ないこのガート村にとっては一大イベントなのだ。

 


 しばらくすると、村長のバラガさんがウリリたちを連れて、村人の前にやってきた。


「今日は、特別な来客です。村をあげて歓迎しようと思います。3時間後、私の家で宴会を始めますので、皆さん、どうぞお誘い合わせの上、ご参加ください。」

 バラガさんが、宴会宣言。村人からは歓声が上がる。早速、準備に人を集めに行く気が早い村人の姿もある。


「ウリリ。久しぶりだな。商売はどうだ?上手くいってるのか?」

 俺はウリリとの再会を喜んだ。だが、なんか違和感ある。なんだろう……解らん。

「えーとぉ……貴方はぁ…うーんとぉ…(チラッ)あっ、幼女攫ってきたユウマさんだぁ♪お久しぶりですぅ。」

「おぉーーい!!違うからっ!!で、今、完全に忘れてたでしょ!!

 横にいるサフィーナ見て思い出したでしょ!!再度確認するけど、俺攫ってませんから!!

 保護ですからーー!!そんで、あんたんとこの従業員の命の大恩人だからーーー!!」

 もう再会の感動を返してくれよーーー。

「ユウマさん、さすがにそれ自分で言っちゃうのはどうかと……。」

 アイリが困った顔でツッコみをいれる。

「いーや!ここはあえて言わせてもらうけど!ウリリは……ってあれ?ウリリ……さん、ですよね?

 えっ……いや、ちょっと……大分、お痩せになってませんか?」

 ウリリの顔を改めて見ると、以前のポッチャリしていた顔のラインが引き締まっている。同じく、体も大分シェイプアップされ、かなりの美人になっている。小柄な童顔お姉さん!!ポイント高い!!そしてなにより、今まで目立たなかったメロンのような胸に思わず目がいく。ダメだ……怒りが……萎える

「なはははぁ、色々あってぇ、すっごい痩せちゃってですねぇ。あの事件があったすぐの頃はぁ、食事もロクに食べられなかったのぉ。改めましてぇ、ユウマさぁん、その節はありがとうございましたぁ。」

 ぐはぁ……そこでお辞儀されるとだな……た、谷間が……V字谷が……

「そうか。大変だったんだな。俺はやれることをしたまでだよ。(キリ)」

 怒り?なにそれ、おいしいの? 忘れましたよ?そんな小さいこと。


 ズドン...

 

 アイリが俺の脇腹に、鋭くえぐり込む拳を叩き込んでくる。

「ぐはっ……。」

「ユウマさん!!不潔ですっ!!ウリリさんの胸ばっかり……。

 行くよ。サフィーナちゃん。今日は飲むわよっ!!」

 や、ヤバい……アイリに変なスイッチがはいったぞ!確かに、アイリの胸は……お淑やかだが。

「わかったー。サフィーナもいっぱいのむー。つきあいー?たいせつー♪じょしかいー?」

 どこでそんな言葉覚えたんだよ!サフィーナ。

 アイリは、宴会開始前だというのに、お酒の入った瓶を抱えながら飲み始める。

 うっ……なんか、触れたらヤバい感じだな。近づかないでおこう。



「ウリリ、と、とにかく久しぶりだし、色々と話したいこともあるんだ。あれからこっちではな……」

 俺は、ガート村の近況を色々と話した。ウリリが村を去った後の出来事、サフィーナやアイリと一緒にポーションを作ってることなど、とりとめもない話を続けた。


「それはそうと、ウリリはあの後、どうしてたんだ?商売とかよく解らんが、かなりの損害からの出直しだったんだろ?」

 俺は、言葉を選びながら、ウリリの近況もたずねてみた。


「そうですねぇ。損害っていう面ではぁ、それほどでもなかったんですよぉ。バラガさんにぃ、荷馬車の商品をほとんど買い取ってもらったからぁ。金銭的にはぁ、すこーしだけぇ、余裕があったのぉ。……」


 ウリリは、エイラムの街に戻ったあと、従業員や御者たちの遺族に、形見とお見舞金を渡すことに奔走したらしい。中には、罵声を浴びせたり、お金を投げ返してきたりといった対応をする遺族もいたんだそうだ。遺族感情も考えれば、当たり前かもしれないが、精神的に辛いことは間違いない。

 残った資産で、エイラム近辺の村々を生活用品などを中心に行商に回ったそうだ。利益は少ないがコツコツと資産を増やし、ようやくガート村へお礼に来れるまでになったそうだ。


「そうか。色々と苦労があったんだな。あ、それはそうと……俺って、この村でポーション作ってるんだけどさ。ちょっと見てくれない?結構自信作なんだ。もしかしたら、ウリリの商売の助けになるかもしれないしな。」

 俺は、リュックから出すフリをしてインベントリから一通りのポーションを取り出していく。ま、まぁこれくらいならリュックに入ってたことにできるよなぁ……。

「うわぁー。いっぱい持ってきたんですねぇ。それにしても、そのリュックぅ、沢山入るんですねぇ。」

 できなかった。調子にのって出し過ぎた……さすが、商人はそういう事も目ざといな。

「そんなことより、このポーションを見てくれよ。どうだ?」

 無理やり誤魔化して、俺はポーションを手に取って見せてみる。

「これはぁ!簡易ポーションだけじゃないんですねぇ。こっちにポーションもぉ。

 あっ、これはぁハイポーションですぅ!!へっ?えぇ~。これはぁ、魔力ポーションですぅ!!

 こっちは解毒ポーションもぉ!!いろんな解毒薬もあるんですねぇ……。」

 あれこれとポーション類を手に取り、テンションが上がっているウリリ。恐らくウリリのスキル【商い術】の術技効果なのだろう。見た目が同じ陶器の小瓶なのにも関わらず、中身を正確に当てている。

「どうだ?ウリリがこの村に来るからって、頑張って作ったんだぞ。もっと褒めていいぞ?」

「見直しましたぁ。ただの誘拐犯じゃなかったんですねぇ♪」

「ここでトラウマ抉るなーー!!俺、褒められてノビるタイプだからっ!!」

 まぁ、ノビたあと歪むんだけどね。あぁ、なんか俺をイジられ慣れてきたな。 

「でも、本当にすごいですぅ……。もしかしてぇ、このポーションをぉ、売ってもらったりぃ、してもらえるんですかぁ?」

 おおぅ、その上目遣いは卑怯だぞー!!いや、もともと売るつもりだったけどね。


「それなんだけどな。ちょっと相談しようと思ってね。この世界で商売って誰でも許可なくできるようなもんなのか?何か許可証みたいなのがいるのか?俺、その辺の常識が疎くてさ。」

 今後の事を考えると、お金を稼ぐ手段として商人になる足がかりは知っておきたかったからな。

「そうですねぇ。店を構えて商売するなら商業ギルドに年会費を払ってぇ、ギルドメンバーになる必要がありますぅ。でもぉ、行商とかぁ、露店とかならぁ、特に必要ないですぅ。ちなみにぃ、私はぁ、エイラムにお店を持つのが夢なのでぇ、ギルドメンバーですよぉ。」

 ウリリは胸を張る。おおぅ、メロンの……メロンの自己主張がすごい。

「なるほど、個人で売買する分には、特に許可証は必要ないんだな。」

「そうですぅ。まぁ、行商や露店をする場合はぁ、それを行なう場所のぉ、使う許可をもらう必要がありますけどねぇ。ユウマさんはぁ、行商に興味があるんですかぁ??」

「純粋な興味ってやつだな。それに、いつもポーション作ってるといくらくらいで売れるか気になってな。このポーション類っていつもどれくらいで買い取ってるんだ?あと、売値の相場とか価格の変動幅とか色々知りたいんだけど。」

「え、えーとぉ……い、色々と商売のことに詳しいんですねぇ。見直しましたぁ。やっぱりただのようじょゆうか……」

「あ゛ぁーーーー!!もうそれ以上言うなぁーーー!!」

 隙を見て抉りに来るとは、恐ろしい子だ。

「ふふふふ~♪特別ですよぉ……。皆にはシーですからねぇ。」

 ウリリは、指を口に当てて笑いながら声を潜める。妙に色っぽいんだよな。


 ポーション類の買い取り価格 相場は以下の通りだ。


・簡易ポーション  買取   30G  相場   50G

・ポーション    買取  180G  相場  300G

・ハイポーション  買取 3000G  相場 5000G

・魔力ポーション  買取 6000G  相場 9000G

・解毒ポーション  買取  500G  相場 1000G

・毒ポーション/D 買取  800G  相場 1200G 毒強度によって価格上昇。


 それぞれ、時期によるが前後10%ほど変動するらしい。

 

 これまでガンファは買い叩かれてなかったらしい。ウリリが悪徳商人でなくて良かった。そして、俺は悟った。俺、商売でやっていけるぞ!と……


「じゃあ、ウリリ。色々と教えてくれたから最後に俺のとっておきを見せてやる。どうだ?見たい?」

 俺はドヤ顔でウリリに聞いてみた。聞く人が聞いたら通報されるかもしれない。ウリリはコクコクと頷いている。俺は、リュックから出すフリをし、1つの小瓶を手渡す。どんなリアクションするかな?


「はぁ!?これ……んー……ほ、本物ですぅ。は、初めて見ましたぁ……ユウマさぁん!!コレっ!

 おいくらだったら売っていただけますかぁ??」

 ズイズイっと詰め寄るウリリ。さりげなくボディタッチされている。近い近い!!さらに、潤んだ瞳+上目遣いのコンボが決められている。明らかにウリリがおかしなテンションになっている。


 それもそのはず、先ほどの小瓶の中身がこれだ。


【ローエリクサー】:レアランクB⁺。霊薬。下位のエリクサー。HPとMPをかなり回復させる。作成には大量のMPが必要。


 その結果、俺は【薬草術】のランクがAにまで成長していた。それにより『消費MP半減』というパッシブ系の術技を習得することもできた。これによって、俺のポーション作りの効率が飛躍的に上昇したのだ。


「ま、まぁまぁ、落ち着いてウリリ。まずはコイツの相場を教えてくれるか?」

「そ、そうですねぇ。ふぅ……えーとぉ、めったに市場に出ないんですけどぉ、12万G以上はすると思いますぅ。」

 はっ!?12万G……てことは、1200万円!?これ一つでっ!?量産だー!大金持ちだっ!!豪邸だー!メイドだー!!ハーレムだー!!はっ!!いかん……落ち着け。落ち着けー俺!!

「そ、そうか……どれくらいまでウリリ出せそうだ?」

「えとぉ……今は、手持ちがありませんのでぇ……手付でぇ、1万Gでどうですかぁ……9万までは出せるとぉ……思いますぅ……。」

 消え入りそうなほど、尻すぼみになっていくウリリ。

「いや、それだと他の買い付けできなくなるんじゃないのか?毛皮とか魔物素材とか薬草も……それに、俺もさっき見せたポーション類が3箱ほど買い取ってほしくて持ってきてるんだけど……」

 俺の本命はポーションの買い取りだ。それに、他の村の名産が売れないと問題も多い。

「はぅぅ……そ、そうですよねぇ……恩返しのためにこの村に戻ってきたのにぃ、私なに言ってるんだろうぅ……」

 先ほど舞い上がっていたのとは打って変わり、急に沈んだ声のウリリ。彼女なりにこの村の人たちに筋を通したかったんだろう。目先の利益よりも人のつながりを優先するウリリには、好感が持てるな。

「良かったらさ、俺もエイラムについていってもいいか?一度、外の街を見てみたかったんだ。観光案内みたいなものだ。頼まれてくれる?」

「それは、いいですけどぉ……村を出ちゃうんですかぁ?」

 それはまだわからない……どうなんだ?俺。大金が手に入るって解って、村の生活を切り捨てる?違う……村の生活は嫌いじゃない。でも、ガンファや村の人に甘えてしまっている自分がいる。ガート村でずっと暮らしていくのか……それも違う。答えが出ない。

「……わからない。外の世界が気になってるのかな。俺、この村のことしか知らないからな。」

「そうですかぁ……。」

 じゃあ、また宴会の時に、話をしようといって、俺はウリリとは別れた。


 村の人たちが、村長の家の前に集まってくる。皆、手に手に料理や酒を持ってやって来ているようだ。

 宴会準備をする村人たちの喧騒の中、ウリリとの話し合いを終えて、当てもなく歩いていく。


「こらぁーー!!ユウマさぁん!ちょっろこっちに来らさぁーーい!!

 ずっと、ウリリさんとお話しばっかりしてぇー。知ってるんらからね。

 ウリリさんのおっぱいばっかり見てるのぉー。もう!あのメロンー!メロンめぇー!!」

 黄昏る間もなく、アイリに呼び止められる。すでに出来上がってる。それもかなり完成度の酔っ払いに……。

「ユウマー、のめーのめー、サフィーナのさけがのめないのかー♪」

 おいおい、サフィーナも酔っぱらってるのか?……良かった。素面だった。まぁ、サフィーナは常に酔っぱらってるような話し方だもんな。

「だれが、しらふでよっぱらいだー♪このやろー♪おもてでろー♪」

 心を読まれた!?でも、意味解って言ってるのか?笑顔で怒るとか器用なことを……。

「おう、ユウマ。久しぶりだな。お前、見てないで、そろそろこの嬢ちゃんたちを何とかしてくれよ。

 さっきからずっとこの調子だぜ?あ、白い嬢ちゃんはジュースしか飲ませてないからな。」

 おぉ……犠牲者第一号は護衛のエギルだった。サフィーナも相手をしてもらっていたようだ。

「おぉ、エギルさん。久しぶり。悪いな。相手してもらって。あれから護衛の仕事は慣れたか?」

「あぁ。なんとかやってるさ。今日は、ウリリさんから村への手土産があるそうだ。いい酒も持ってきたからユウマも楽しくやってくれ。」

「ありがとな。エギル。じゃあ、この酔っ払いと酔っ払いモドキを預かるわ。エギルも楽しんでくれ。」

 俺は、アイリに肩を貸し、サフィーナを小脇に抱え、その場を離れる。

「もー、ユウマさーん。だめですよー。いきなり抱き付いたらー♪もうギューってしちゃいますよー。」

 酔ったアイリは、腕を俺の首に絡みつけ抱き付いてくる。や、ヤバい……理性が飛びそう。

「サフィーナもーサフィーナもギューってするー♪ギューっ!」

 サフィーナは、いつの間にか俺の太ももにコアラのように抱き付き、頬をスリスリと擦り付けている。

 こ、これ……どうすれば……。



「おぉ!ユウマがまた何かやってる!!今度は酔わせた少女と幼女にみだらな行為をしてるよー!!」

 目ざとく見つけたカインツが、大声で根も葉もないことを囃し立てる。


「あはははは!!ユウマのやつ、誘拐犯の次は強姦魔かー。二冠王だなー。」

「ホントだー。ユウマ、変態だからなー。仕方ないよなー。はっはっはー。」

「ママ、ユウマ何してるのー?」

「こら、見ちゃダメよ。悪い事をしてるとユウマがやってくるわよ?」

「こわいよー。いやだよー。解ったよ。ママ。ボクいい子でいるよ!!」

「キーッ!!私のサフィーナちゃんにあんな事を!!羨ましいわっ!羨ましすぎるぅ……。

 サフィーナちゃーん!!カーンバーック!!」

「あっはっは!あいつら、家でもいつもあんな感じじゃからなー!」


 いやいやいやいやいや!!俺何もしてないよね?悪くないよね?ね?

「カインツ何言ってくれちゃってるの!?俺完全に犯罪者になってるよ!!二冠王ってなんだよ!!全部で何冠あるんだよっ!!でなに?そこの親子連れ!俺はナマハゲかぁ?悪い子はいねがー!なんて言ったことねぇよっ!!で、次の人、マール!マールでしょ!!……この人こそ一番危ないよ!!サフィーナも戻らないでいいからね!!で、最後、ガンファ!!コノヤロー!!いつもあんな感じってどんな感じだよっ!!変な誤解招くような発言すんじゃねぇー!!周りの若奥さんなんか、俺の見る目が一気に-30℃ほど冷たくなったわっ!!俺は無罪ですからーーー!!!俺イジる時、みんな容赦ないよね??よってたかってフルボッコだよっ!コンチクショーーーー!!!!!!!」

 俺は、一息で、ツッコみきった。Orzの状態で……。


『おぉぉ~~~~~~!!!!』

 宴会に集まった村人たちがみんな歓声とともに、拍手する。


「なんの拍手だよっ!!」

 後から聞くと、『ユウマイジり』という歓迎の出し物の一つだということをバラガさんに教えてもらった。


 もう……泣いてもいいよね。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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