第六十七章 二百台
図面には、四百台を収められた。
修理台を動かし、通路を狭くし、届く荷物の山は必ず別のどこかへ届くことにすればよかった。描き終えた建物は、驚くほど効率的だった。
そこへギャリックが弁当箱を置いた。
「台車はどこだ」
オールデンは下から紙を抜いた。
「どの台車?」
「俺が直してる機械を載せて、おまえが横を通ろうとする、その台車だ」
台車の場所はなかった。
図面を空き区画へ持っていき、もう一度測った。今度は修理場所を動かさず、荷受け場所をテープで区切った。検査は済んだが、まだ受領を承認していない機械の場所も取った。電気工事業者と列を歩くと、予定していたラックの位置が二つ消された。
正午には、大口の契約に必要なのが、家具の配置換えでは済まないとわかっていた。
客の四百台を自社機に加えれば、沢を当てにせず確保できる買電容量を超える。夏でさえ換気と工場の残りの負荷を入れると、余裕がなさすぎた。
ネイサン・リードに出荷期限があるからといって、水は高いままではいてくれない。
二百台なら電気の計画に収まった。
仕事も収まった。
最初の二百台は自分とギャリック、そして雇った助けで対応できる。荷受けには臨時の人手を手配し、常勤を採用するまで呼び出しを分担する経験のある保守業者も押さえた。四百台なら、別の勤務体制と、もっと多い人数と、まだ値段を出していない建物の工事が必要だった。
まずエヴェレットに電話した。
「二百台なら引き受けられる」
向こうは騒がしい場所だったが、扉の閉まる音がすると静かになった。
「ネイサンは送り先を一つにしたがってる」
「メールは読んだ」
「おまえの古い機械を止めて、その電気を使えないかと訊くぞ」
「それでも冬を通して四百台には届かない。ギャリックの勤務がもう一交代増えるわけでもない」
しばらく黙った。外でトラックが後退する音が聞こえるほどだった。
「わかった。今日伝えろ。おまえが勇気を出すまで、運賃の見積もりを押さえる気はない」
「通話の段取りを頼むためにかけた」
「それならよかった。俺をカウンセラーにしたら高くつくところだった」
二十分後、リードが加わった。
改訂案を開いている。台数に驚いた様子がなかったので、エヴェレットが先に伝えたのだろう。
「二百台では、残り半分の行き先を探さなければならない。それが、そもそも相談した問題です」
「わかっています。それでも、この工程で責任を持てる上限です」
「契約を長くすれば?」
「容量を増やす費用にはなります。でも、トラックの行き先が必要な日までに、その容量はできません」
リードは机へ目を落とした。
間を埋めるために何かを差し出したくなるのを、オールデンは抑えた。二百台なら、回路の一本一本も、工事の各週も、最初の対応予定に入る全員も説明できる。四百台の計画には、まだ会ったことのない人間が必要だった。
「残りを倉庫へ一時的に置くのは? 少なくとも一か所にはまとまる」
「保管は別の契約になります。残りの二百台も一週間後には動くと思って、北まで運賃を払ってほしくない。その日付は出せません」
「ただでとは言っていない」
「私が気にしているのは、その次に何を期待されるかです」
リードは背を引いた。エヴェレットは口を挟まなかった。
「署名できる計画を送ってください。本当に第二段階がないなら、第一段階とは呼ばないで」
オールデンは見出しを直してから送った。
契約には、さらに三日かかった。リードが紹介先に実績を確かめ、保険会社が顧客設備への補償を確認した。双方の弁護士が責任範囲を詰め、開始までの工程は、検査できる仕事に日付をつけたものになった。
残りの機械はアラスカ行きの荷から外された。
署名のとき、勝利を祝う電話はなかった。
契約書に添えられていたのは、一文だった。
〈どうか今月の私の仕事のうち、ここだけは何事もないものにしてください〉
工事予算は、約二十六万ドル。
オールデンは何度もその数字を読んだ。魅力的な十八台を買うのは断った。その自分が今、それよりはるかに大きな額を、回路、換気、ラック、まだ売ったことのないサービスへ投じようとしている。
レノーラが支払工程を確認しに来た。最初に運転資金の備えを見た。次に、それまでの利益や、すでに取り置いていた金から使える設備資金を見た。リードの保証金は別の列にあった。
「見積もりの有効期限が金曜日なんだ」
彼女は読み続けた。
少し待って、彼は付け足した。
「わかってる。それは使う理由じゃない」
「よろしい」
指が下のほうで止まった。
「この解約費用は、金曜で消えるわけじゃないわね」
オールデンは黙った。
「リードさんの荷が遅れても、払う?」
「払う」
「最低契約期間が終わって、出ていったら?」
「設備の改良は残る」
「それで?」
「それを欲しがる次の客を探す問題も、僕らに残る」
レノーラはその行に指を置いたまま言った。
「この版を残しておきなさい。何を買うつもりだったか、あとで思い出したくなるから」
工事を承認した。
数週間、空き区画は脚立、ケーブル、梱包材、請求書で埋まった。電力会社に関わる工事が終わり、新しい配電設備は検査と試験を受けた。オールデンは週二回、リードへ写真を送った。未完成の箇所も写したままで。
荷受けを手伝う業者は、製造番号に時間を取りすぎだと不満を言った。
最初の荷には、梱包明細と合わないラベルが二つあった。
その時間を使った。
相違点を撮影し、機械が荷受け場所を出る前にリードへ送った。一つは数字の順番の誤り。もう一つは、出荷側が以前の交換記録を探す必要があった。
どの箱が誰のものか、推測する人はいなかった。
臨時の作業員が機械を動かすあいだ、ギャリックは試験台で働いた。工場の修理注文も予定どおり仕上がった。荷下ろしの最中に暖房の制御器を受け取りに来た客は、自分の受取時刻が三度の打ち合わせに登場したことなど知らない。
ラックは群ごとに起動した。
オールデンは表示値をメーターと照らし、計算結果がリードの口座へ届くことも確かめた。輸送中に傷んだファンをギャリックが見つけ、客の予備で交換した。
午後のあいだ、台数は増えていった。
二百台で、止めた。
残る床は、写真なら無駄に見えそうな広さだった。そこに台車が一台あり、空き箱と傷んだファンを載せていた。
台車はそのままにした。
最後の機械も正常運転に落ち着くと、リードから電話が来た。
「全部見えます」
「こちらもです」
少しの沈黙。
「予備のファン。壊れたほうは、もう部品報告に?」
「写真と製造番号を入れました。ギャリックが記録を仕上げています」
「見ました。もう、という意味です」
窓越しに、ギャリックが臨時の作業員へクリップボードを渡すのが見えた。誰も走っていない。荷受けの通路も空いていた。
「わかりました。仕事へ戻ってください」
電話を切り、最後の機械の横に受け入れ時刻を書いた。
二百台分の記録を並べた用紙の上には、他人の会社の名前があった。
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本作は、作者本人が海外の小説投稿サイトで発表しているオリジナル作品の日本語版です。
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――東川鬼面斎




