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アラスカでビットコインを掘ることになった  作者: 東川鬼面斎 - Easton Ghostmask


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第三十一章 ブロック発見

午前二時十七分。


スマートフォンの振動が止まらず、オールデンは目を覚ました。


温度警報だと思った。


だが最初の通知はソロノードから。

二つ目は監視システム。

三つ目には、ここ数日あえて期待しないようにしてきた言葉が表示されていた。


BLOCK FOUND.


一瞬、意味が頭に入らなかった。


身体を起こし、ログを開く。

ブロック高はネットワークと一致。

タイムスタンプも一致。

提出したブロックは受理されている。


外部のブロックエクスプローラーでも確認した。


同じ高さ。

同じハッシュ。


Accepted.


オールデンはベッドから降りた。


二時二十六分には、暗い台所でノートパソコンを開いていた。


coinbase transaction の送付先を、自分の設定に記録したマイニングアドレスと照合する。


一致。


報酬は本物だった。

まだ使える状態ではない。

それでも、ネットワークは確かに彼らのブロックを認めた。


確認数が一つずつ増えていく。


通話履歴の一番上にギャリックの名前がある。


指を伸ばしかけて、やめた。


まだだ。


三時四分、オールデンはヴォス・アークティックへ向かった。


倉庫は眠っていなかった。


四十八台の機械が、昨日とまったく同じ騒音を立てている。

どの一台が、試験開始以来最大の結果を出したのか、音だけではわからない。


父の机で、該当 worker の記録を開く。


設定。

送付先。

ログ。


もう一度全部確認する。


stale ではない。

アドレス間違いでもない。

表示上の誤報でもない。


キーボードの横には、昨日書いた変更票。


08:00

ソロ組をプールへ移行。

accepted work を確認。

試験を再開しない。


受理されたブロックの表示と、その紙を交互に見た。


三時三十一分。

また一つ confirmation が増えた。


今度はギャリックへ電話した。


五回目の呼び出しで出た。


「誰か凍えてるんだろうな」

「誰も凍えてない」


間。


「じゃあ、何か燃えてる?」

「燃えてない」

「オールデン」

「来られるか?」

「何が壊れた」

「何も」


沈黙。


「それは余計に嫌だな」

「とにかく来てくれ」

「声が変だぞ」

「自覚はある」


二十三分後。


ギャリックは作業ズボンに防寒着を羽織り、“高いものが壊れた”ときの顔で事務所へ入ってきた。


「で?」


オールデンはモニターを指した。


ギャリックは画面を見る。


一度。


もう一度。


「これ、ソロのやつか?」

「ああ」

「なんで“block found”って出てる?」

「見つけたからだ」


ギャリックが振り向く。


「……宝くじ?」

「ああ」

「例の、馬鹿みたいな半分?」

「ああ」

「あと四時間でやめる予定の?」


オールデンは時計を見た。


「三時間五十二分」


ギャリックはしばらく無言だった。


「つまり、当たった?」

「一回だけな」


椅子を引き寄せる。


「一回で、いくらだ?」


オールデンは報酬画面を開いた。


6.25 BTC。


それに、取引手数料。


ギャリックの顔から、眠気が消えた。

お読みいただき、ありがとうございます。


本作は、作者本人が海外の小説投稿サイトで発表しているオリジナル作品の日本語版です。


続きが気になりましたら、ブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります。


――東川鬼面斎

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