変わり果てた姿
トーヤは無言で辺りを見渡した。
(......争った形跡なし。死体に外傷なし。一人は黒焦げで性別すら判別はできない、か。どうしたものかね。)
トーヤはコウの方を向き、
「ここが雷帝のアジトみたいな場所なのか?」
「......そうなのだ。死んでるこいつらは雷帝の子分みたいな奴等だったのだ。ただ、雷帝の姿だけが見当たらないのだ。たぶんあの黒焦げになっているやつだと思うのだ」
「そうか。こんなことをできるやつに心当りはないか?」
「ないのだ!雷帝は憎かったけど、これは酷すぎるのだ!よほどの恨みを買っていたみたいなのだ!」
トーヤは事一つ一つを分析してみた。
(コウには心当りなし。こいつらを殺したやり方は不明。毒か何かか?いや、それなら少しは空気中に漂うはず。となると、なんだ?雷帝と思われるやつは間違いなく魔法による一撃だろう。周りを見る限り抵抗をした痕跡がないから一撃で仕留められてるな。 それでも変だ。雷帝ともあろうやつが魔防力が低いはずがない。よほど高い魔法による一撃だったみたいだな。うむ、わからないことが多すぎるな)
「と、とりあえず二人の所に戻るのだ!」
「......そうだな。この件については一先ず保留だな」
そして二人は小屋を後にした。
二人はすぐにゴーキたちと合流した。
「早かったな。居なかったのか?」
「いや、すでに事切れていた」
「は?どういうことだよ」
「誰かに殺されたみたいだな。恐らくだが俺の殺気に反応したやつがやったんだろう。かなりの実力者みたいだ。なんせ、分かったことが雷帝を一撃で葬ることができる魔法があることくらいだ」
「そんなやつがいるのかよ......」
「信じられませんね...」
「まぁいい。考えるのがもう面倒だからさっさと山を抜けるぞ」
「そうだな。トーヤでわからねぇなら俺にわかるわけねぇしな」
「では、コウさん。案内の方をお願いします」
「任せるのだ!雷帝がいない今脅威は去ったのだ!」
(去ったわけじゃねぇけどな......あれをやったやつが近くに潜んでいる可能性が高いわけだし.....ま、いっか)
そして四人は山を抜けるために歩き始めた。




